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第18話:アミリアの謝罪と優希の秘策

「よっとと……」


「いやぁ……流石に何度見ても驚きだわ……」


「あはは、そういえば最近使って無かったね」


「そうよね、これがあれば宝石獣カーバンクルの里の子達と馬車旅しなくて済んだわよね?」


アミリアがジト目で見て来る。やましい事は無いんだけどあの子達と仲良くなるには必要だったしなぁ……。


「まぁいいわ、後でリリアーナ様とセレーネに聞くから……」


「いや、あのホントに、やましい事は無いですはい……」


やましい事はホントに無いのだが。女の子の、このパワーはどこから来るのだろう……。


「と、とりあえず兵士の皆に会いに行こうか!」


「そうね……でもまずは女王様に一言声をかけないとね」


冷静にツッコミを入れて来るアミリア。そんな目で見ないでくれよ……。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「わかりました、彼らは今の時間だと城門前の詰所に居ますので……それにしても聖女様は大分雰囲気が柔らくなりましたね。何か良い事がありましたか?」


ニヤニヤとからかうように女王様が言うと、アミリアは顔を赤くする。


「あーあはは……少しですが……」


「まぁ、それは良かったですね。聖騎士様、もし良かったら、後程聖女様をお借りしてもよろしいですか?」


「えぇ、大丈夫ですよ、一度王様に伝えてからになると思いますが……」


「ありがとうございます、聖騎士様もその間少しお休みになさって下さい」


「それでは、お言葉に甘えさせていただきます」



◇◆◇◆◇◆◇◆


それから詰所に向かい兵士の人達と顔を合わせる。頭を下げ、少し気まずそうに説明するアミリアに対して兵士の皆さんが笑う。


「そんな……。聖女様が必死に頑張る姿に私達もこのままではいけないと思いました!」

「それに聖女様の回復魔法で元気になりましたし!」

「そうそう。俺達、近衛とか言われてても聖女様に敵いもしないんですから!」

「聖騎士様もですが、底が見えないんですよ聖女様は……」

「わかる! 歴戦の猛者よりも研ぎ澄まされているんですよ!」


そう次々と褒められてアミリアは顔を赤くしていく。


「それになにより俺達わかるんです、こうして城の警備も大事ですが。皆と前線で戦いたかった」


一人の言葉にその場に居た皆が頷く。


「とはいっても俺達、聖女様と20合も打ち合えなかったですから!」


その言葉に皆が笑う。


「また稽古つけて下さい!」

「俺も俺も!」

「むさい教官より聖女様のが良いや!」

「馬鹿! 鼻の下伸ばしてると聖騎士様に殺されるぞ!」


その言葉で俺に視線が向く。流石に殺しはしないけど……。


「わかった、特別に木の棒一本で稽古つけてあげるよ。それに対して1本入れられたらアミリアと打ち合いして良いよ」


ニッコリと言うと汗をダラダラとかき始める兵士諸君。


「「「「「すみませんでしたぁ!!」」」」」


そして思いっ切り土下座されるのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「そいう訳で、アミリア……聖女様は王女様とお話があるみたいなのでそちらに行ってます」


「わかった、それで聖騎士殿、戻って来て早々なのだが今後について決まったので報告をしようと思う」


居住まいを正す王様に向き直る、そして目の前に広げられた地図の上にはよく漫画等で見る駒が置いてあった。


「聖騎士殿のお陰で今回の戦いでは被害を出さずに済んだ、それもあって全軍の士気が高まっておってな、次の第一砦攻略に手を上げる者達が多かったのだ」


「そうなんですか、でも第一の敵の数とかはわからないですよね?」


「それはそうなのだが、皆高揚しておって、頭を悩ませておるんじゃ」


こめかみを押さえながらため息を吐く王様、諸侯だけが盛り上がってたらそりゃしんどいよなぁ……。


「せめて足が止まるか、冷や水をかけられるような出来事が起きればのぅ……」


あーあれならいけるか……。


「あの……一つ良いですか?」


「どうしたのだ聖騎士殿よ」


「もしかしたら、おさえれるかもしれませんよ?」


「本当か!?」


「はい、少し別場所で話しましょうか……」


王様と転移して作戦会議をするのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

◇耀side◇

優希が過去に飛ばされて数日、地球の時間はあの日からほぼ経過していない。


「しかし、2カ月以上もここに居るのに時間はまだ3日しか経ってないのよね……」


「まーねーここと地球は時間の流れが全然違うからね~そうじゃないといくつもの世界を同時管理なんて出来ないよ~」


理恵ちゃんが何かのコンソールを弄っている、画面上にはいくつもの星が早送りや巻き戻しをされている。


「凄いわね……」


「うーんそうでもないよ、これはシュミレーターだから本物の星じゃないし」


「そうなんだ……」


「うん、その内皆に楽しんで貰う為に少しね~」


「そうなのね……それで今日はどこを手伝えばいいの?」


「うん、この星だね! それじゃあ頼むよ!」


「わかったわ言ってくるわね」


装置の中に入って頭にゴーグルを装着する。すると気が遠くなる。


(もう少し、もう少しだからね、待ってなさいよ優希)



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