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第1話:入院期間中ってホント暇だよね…だからといってそれは恥ずかしい

本日2話更新の2話目です。


 あれから2週間後、未だに俺はベッドの上に居た。


「ほんっと暇だな…」


 やることが無さ過ぎて今現在は耀が持ってきてくれた授業のプリントを進めている。勉強は好きではないがさすがに手持ち無沙汰なので渋々やっている。


 実質怪我は治っているが、綴さんや耀と共に来た鳳さんが病院の先生と話した結果「回復魔法が使える人が居ると知れると世間で問題になるから」と未だに入院生活だ。


 今の学校も手続き上籍は残っているが、実質新しい学校へ編入する為このような暇な生活をしている。


 それとは別に世間に対して編入試験で発生したイレギュラーモンスターについては秘匿された、曰く初級ダンジョンで推定上級以上のモンスターが出現する事は今回の例を用いても最初で全くの前例が無い事だった。


 それもあって、俺は特別クラスには受かったが、特別なんでもない普通の【戦士】として扱われている、現状特に不都合とかは無いので困らないが。


 因みに討伐報酬として現金で1000万円程の臨時収入があった。各国で出現したオーガの討伐にかかった被害などの予測になるのだがそれを含めてかなりの金額をもらってしまった、その内耀と春華と冬華に何か買うか…その前に双方のご両親の元にいかなきゃいけないかな…俺死なないよね?


 そんな感じで戦々恐々していると唐突にノックの音がした、時計を見ると耀が来る時間だった、どうぞと答えると入ってきたのは意外な人だった。


「こ、こんにちは優希さん!」おさげで纏めた黒髪を揺らしながら、お辞儀をしてきた。


「あれ?巴ちゃん?珍しいね、いつもなら春華と冬華と一緒に来るのに」


「それがですね…二人とも風邪を引いちゃって」


「そうなんだ、それで巴ちゃんはどうして来たの?」


「あぁ、あのこれを持って来ました!」


 そう言って差し出される白い箱、ケーキ屋さんとかで見るあれだ。


「これを俺に?」


「はい、私お菓子作りが趣味で…春華ちゃんと冬華ちゃんによく作ってるんです!でも今回は作りすぎちゃって、折角なら耀さんと優希さんにもって行ったら?と冬華ちゃん言われたので…」


 そう言われ中を見るとカラメルが別添えになったプリンが5個入っていた、多くない?


 その時丁度良く部屋に耀が入ってきた。


「優希おまたせー、って巴ちゃんじゃんお久しぶり」


「あっ、はいお久しぶりです耀さん」


「耀、巴ちゃんがプリン作ってくれたよ、ほらこれ」そう言って耀に箱の中を見せる。


 覗き込んだ耀は「すっごーい、超本格的じゃん!巴ちゃんすごーい」と絶賛する。


 巴ちゃんは顔を赤らめながら照れている。


「それじゃあ皆で食べようか、私お茶入れるわね、優希はコーヒーでいいんだっけ?」


「うん、ありがとう耀」と返してると巴ちゃんがほえーって感じで口あけてる。


「ほえーっ」…本当に言ってた件


「巴ちゃんは緑茶?紅茶?コーヒー?どれにする?全部インスタントしかないけど」


「はぇ!?こ、紅茶でお願いします」呆けていた巴ちゃんは耀の質問にびっくりしていた。


 耀はそのままニコリと笑い「わかったわ」と言っててきぱきと紅茶とコーヒーを入れる。


 そして三人そろって「いただきます」をしてプリンを食べ始める。


 最初はカラメルを入れないで一口食べる、バニラの香りと甘いプリンの味が口の中に広がる、少し固めな所がまたおいしい、次は備え付けのカラメルを入れてみる、ほろ苦い味によってプリンの甘みがさらに引き立つ。


 耀を見ると小さい子供の様に手足をぱたぱたさせながら満喫している。


 巴ちゃんもそんな耀を見て満足気味である。


 それからプリンに舌鼓を打ち終え、今は二人はお茶に花を咲かせている、その二人を見つつ耀から貰ったプリントの問題を解いていく。


「それでですね、お二人は…ごっ、ご夫婦と聞いたんですが!」


 なんか爆弾発言が聞こえたぞ?振り返ると巴ちゃんは首まで耀は耳まで真っ赤になっていた。


「それをどこで聞いたのかな?大体予想つくけど…」


「えっと…春華ちゃんと冬華ちゃんです…」


「あのふたりかーうん、予想通りだけど…はずかしいわこれ…」


 よし、俺に被弾しない内にそれとなーく逃げておこう…


 そう思った俺は二人が慌ててる内にワイヤレスイヤホンを取り出して装着し音楽をかけて逃避する。

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― 新着の感想 ―
人が何人も死ぬようなオーガを倒して1千万程度なんて命が軽すぎない?
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