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第46話:全裸男性と宝石獣の里

セレーネの里帰りで森を進み続けやっと里に到達したが、突如全裸成人男性達に囲まれていた。


「えっと……人攫いって? というか下隠してくださいよ、女性が居るんですから……」


ご都合的な謎の光などが無いのでぶらぶらしている、二人には目に毒だろ……。


「黙れ人間ヒューマン!」


「貴様たちが我々の仲間を!」


「仲間の場所はどこだ!!」


更に武器を構え一歩近づいてくる。


「わかりましたから服を着てください、こちらには女性も居るんですから……」


「その間に逃げる気だろ!」


「逃がさないぞ!」


「むしろ見せつけてやる!!」


おい、最後……。


こちらの話を聞かないとばかりに包囲を狭めて来る男達。


「ちっさ……これならカミナギ様のが大きいわ……(ボソッ」


すると顔を上げたリリアーナがボソッと言った。


「今……え? とゆうかいつ見たの!?」


お風呂もトイレも一人で入ってるんだけど!?


「カミナギ様の事なら大体知ってます! 食事の食べる順番とか!身体をどこから洗うとか!」


「ねぇ……何でリリアーナがそんな事知ってるの?」


「そ、それは……その…………覗いてました」


「だと思った、まぁ程々にね……」


「怒らないんですか?」


「いやー俺。元の世界だとプライバシーが殆ど無いから……」


お風呂は大体誰かと入るし、寝るのも一緒だ。それこそ最近はマスコミとかがチラチラ家の周りに居る事もある、酷い時は巴が綿貫さんのお弟さんと協力して追い払ってくれるし。


「ぷらいばしぃ? とは?」


「あー似たような言葉が無いのか。つまり、奥さん達や家族に隠し事ができないって意味かな?」


「そうなのですね……」「ご主人様も大変ですね……」


いつの間にか泣いていたセレーネも、涙が引っこんでいて話を聞いていた。


「おい! お前ら何話してる!!」


「その少女をこちらに引き渡せ!!」


「その後は殺してやる!!」


最後の男性がそう言った瞬間、リリアーナとセレーネの姿が消えた。


「「「!?!?」」」


「動かないで下さいね、今の言葉を聞いて加減は出来そうにありませんので……」


リリアーナは血で作った鎌を首に当てている。


「ご主人様を《《殺す》》ですか……口にするだけでも恐れ多い事を……殺しますよ?」


セレーネは短剣の切っ先を男の眼前に突き立てる。


「えっと、二人共落ち着いて……」


他の二人なんて腰を抜かしてビビってるじゃん。


「いいえ、今の発言は聞き捨てられませんので」


「そうですね、武器を向けただけでも許せないのに『殺す』ですか……」


二人共殺意が漏れ出している、別に怒ってないので止めてあげて欲しい。


「ほ、ほら!この人たちは侵入者を訝しんでただけだし、それよりもさっき侵入者とか言ってたんだ、それを詳しく知りたいからいったん止めて!」


二人共俺の言葉に渋々ながら武器を降ろして俺の隣に歩いてくる。


「二人共、ありがとうね。俺の為に怒ってくれて」


二人の頭を撫でると段々と緊張が解けていく。


「とりあえず皆さん、どこの人なんですか?」


腰を抜かした男の人に視線を向けると、ビクッとして後ずさる。


「貴方たち! カミナギ様が聞いてるんですよ!!」


「早く答えて下さい!!」


「「「ひぃっ!!」」」


二人に睨まれた三人が小さな悲鳴を上げる。


「はぁ、二人をけしかけたりしませんので話を返してくれると嬉しいです……」


そう言うと代表っぽい男性が口を開く。


「わ、我々は『エルデシュタインの里』の者だ」


「エルデシュタイン?」


宝石獣カーバンクルの里ですね、私の家がそこにあります」


「じゃあこの人たちはセレーネの顔見知り?」


そう聞くとセレーネが首を傾げる。


「うーん……覚えが無い人ですね。私、結構内向的な性格だったので……」


「そうか……でもまぁ里に行く事には変わりないか」


そう言って俺達が進もうとすると男達が止めようとするが、リリアーナ達に睨まれて縮こまる。


「では行きましょうかカミナギ様」


「もう少しです、ご主人様!」


二人に手を引かれ丘を降りていくのであった。


◇◆◇◆◇◆◇◆

そうして里に入ると蜘蛛の子を散らす様に離れて行き遠目から住民がこちらを見つめている。


「とりあえず族長さんの元へ行きましょうか」


「そうですね」


リリアーナに促されセレーネが進んでいく、そして一軒に辿り着いた。


「おじいさん、開けるよー」


そう言ってセレーネが扉を開けると中に居た人達と視線が交差する。


「セ、セレーネなのか?」


「うん、帰って来たよ」


「見違えたぞ……ともかくセーレとレレイを呼んで来てくれ」


「畏まりましたお父様」


そう言って壮年の男性が俺達の横を通り抜けて行った。


「それでそちらのお二人は?」


「はい、王女殿下と新しい魔王になられるお方です」


「は?」


「だから、王女殿下と次の魔王様」


「「「「「はああああああ!?」」」」」


周りの人共々そう言うとお爺さんがひっくり返って気絶した。


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