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第32話:聖女育成計画

◇アミリアside◇

目が覚めると真っ白い空間に居た。


「えっと……ここはどこ?」


「あ、起きたわね! 皆起きたわよー」


私が起きると黒髪の女性が声を上げた、それに釣られ色んな女性が寄って来る。


「この子がアミリアさんですか……」


「体調は大丈夫ですか? 優れない部分があれば治療致しますので、仰って下さい」


「ねーねーお菓子食べる? 美味しいよ~」


「ちょっとフユ、今はヒマリさん達がお話してるでしょ」


「え~でもシュン、アミリアちゃん緊張してるみたいだし、丁度良いかなぁ~って」


「そうだね、アミリアちゃんも緊張してるしシュンちゃんお茶入れてくれる?」


「わかりましたヒマリさん。フユ、お茶菓子選ぼう」


「わーい、流石シュン! わかってるぅ~」


ピンク色の髪の少女に青髪の少女が抱き付く、くすぐったそうにしていて仲が良い事が伺える。


「あの……貴女達は?」


そう聞くと白銀の髪の女性がニッコリと微笑む。


「アミリアさんに協力する人達です」


◇◆◇◆◇◆◇◆

「という事で、私はヒマリ、この人はアリス。今お菓子を選んでるのがフユ、お茶を淹れてくれてるのがシュンよ」


「は、はぁ……それでここはどこですか?」


「神様の領域だよ~」


背後から声が聞こえて振り返ると、黒髪の美少年がそこに居た。


「いやいや、僕は男じゃ無いよ?」


「すみません」


「まぁ、こんな見た目だし仕方ないね~」


「それで、神様の領域という事はマリアン様と関係が?」


あの少し残念な神様を思い浮かべながら答えると、女の子がクスリと笑う。


「そうだね、あの子の上役に当たる存在だね、まぁ僕の事は神様とだけ呼んでよ」


「わかりました神様」


そう言うとニッコリと笑って私の対面に座った。


「それで、何故私はここに?」


「それはね、アミリアちゃんを鍛えようと思って」


「えぇ、私達の世界には聖女様が先頭に立ち、騎士団を率いて国を解放するという逸話がありますの」


「その為にアミリアさんには強くなって頂こうかと」


「そーそー、それに国を奪還するなら強くなって損は無いからね」


うん?この感じだと私がその聖女になるって事だよね?


「えっと……それって……」


「えぇ、聖女育成計画よ!」


ヒマリさんが立ちあがり大きく宣言する。


「その前にまずはお茶にしましょうか」


アリスと呼ばれた女性が優しい微笑みで促した。


◇◆◇◆◇◆◇◆

「ふっ! はぁぁぁぁ!」


「甘いです!!」


剣戟の音が響き私の剣がシュンさんを捉える、だがそれは簡単に弾かれてしまう。


小柄な少女と思ったけど、身の丈程ある剣をいとも容易く扱ってる。


――――バギンッ!!


受けていた私の剣が砕かれる、破片が飛び散り私の頬を切った。


「大丈夫ですか!?」


手を止めたシュンさんが駆け寄ってくる、するとどことなく回復魔法が私の体を癒す。


「大丈夫ですよシュンさん、ここなら死んでもすぐに蘇生できますので」


一番優しかったアリスさんの背後に鬼の様な姿が映る。


「はーい、じゃあこれが次の剣ね~」


フユさんが、どこからともなく《《新しい剣》》を取り出してくる。


「ありがとうございます……」


「次は私とも戦ってみる?」


「えっと……フユさんとですか?」


「うん、シュン程じゃ無いけど私も剣は使えるし、何より暇だしね~」


にこにこと笑う少女は、ぱっと見強そうには見えないけど。あのシュンさんと同じ容姿をしている。


「それでは……お願いします」


「やたー! シュン、私と交代ね!」


「うーん、まぁいいかな? 私とは戦闘スタイルが違うからあんまり参考にならなそうだけど……」


そうしてフユさんと闘う事になった。


◇◆◇◆◇◆◇◆

甘かった……完全に甘く見てた。


(この子、シュンさんより攻撃がいやらしい!)


両手にナイフを持ったシアに近い戦闘スタイルなフユさんの攻撃は、私が守ると同時に私の肌を切り裂いていく。


「ぐぅぅ……」


(シアよりも攻撃は重い、それでいてシアより速い!)


全身を使ったセレーネの戦い方とも似たようで違う、セレーネなら使って来る足技も使わない様にしているらしい


「はああああ!」


無茶苦茶に剣を振るが、いとも簡単に弾かれ吹き飛ばされる。


「きゃうっ!!」


すると少し険しい顔をしたフユさんが近づいてくる。


「今、がむしゃらに振ったでしょ?」


「え?」


「最後、剣を適当に振り回したでしょ?」


先程までは違う真剣な顔で問いかけて来る。


「うっ……はい……」


「まだ、しっかり剣が振れるのに、自棄になってがむしゃらにやるのは、自分を傷付ける原因になる、そういう戦い方はしないで」


「は、はい……」


フユさんの迫力に押されてしまう。


「うん、それじゃあ続きやろうか?」


フユさんに手を引かれ立ち上がらせられると、回復魔法が飛んでくる。


どうやらまだ休みは来ないらしい……。

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