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|幕間|( ㆆωㆆ)(ㆆωㆆ)(ㆆωㆆ )じーっ……。

◇理映side◇

神界の一角、今は私の仕事場に大神様、運命神様、そして元凶のマリアンが揃っていた。


「取り敢えず、どうしてこうなったのか説明してもらおう!」


私は思い切り机を叩く、その勢いでカップが宙に浮く。


「はいぃ……すみません……」


「まぁまぁ理映君、そう怒らないで……」


上司の大神様が宥めるが、私は譲らない。


「どうして優希君を呼んだんだい!!」


「ひぃぃ~」


「まぁまぁ、理映ちゃん。許してあげてね」


「ですが大神様! 運命神様!」


「ともかく、彼の召還は手違いとはいえ正式なもの、それを覆すとなるとかなり面倒なのよ」


紅茶を飲みながら運命神様が私を宥めるが納得がいかない。


「とゆうか何で契約も無し、人の世界の人間を召喚できるんですか! おかしいですよ!」


「マリアン、どこでその術式を手に入れたんじゃ?」


「えっと、図書館の奥のブースにある、階段を下った第四階層の書庫です」


「そこ禁書庫じゃない……」


「えぇ!?」


「どうしてそこの鍵が開いていたのかわからないが、その魔法は今は禁止事項に当たるのじゃよ」


「えぇ!?」


大神様が溜息を吐きながら紅茶で口を湿らせる。


「うーむ……マリアンの処罰は後にして。本来ならば無理にでも止めさせるのだが……」


「この召還無理矢理な物だから、キャンセルした時のリスクが大きいのよね」


「あの、リスクと言いますと?」


「優希君自身の『絶対的な死』」


「「!?!?」」


「魂の死だからねぇ、神の力でも蘇生は無理よ。それとオマケに、その召還を行った世界の神の消滅」


「ええぇぇぇぇぇぇ!?」


「まぁ、それは代償だし仕方ないわね」


「そ、そんな……私……」


へなへなと崩れ落ち泣き始めるマリアン、ドジがここまで来ると可哀想に見えて来る。


「ともかく優希君が今どうなってるか見る必要はあるわね……」


「そうじゃのう……マリアン、いつもの【遠見とおみたま】は持っているか?」


「あ、はい……」


さめざめと泣くマリアンが水晶球を取り出すと、大神様がプロジェクターとスクリーンを出して水晶球を填める。


すると今の優希君が映し出された。


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『なんで私達が寝てる間に、女を二人も拾ってくるのよこの馬鹿ぁ!!』


優希君は怒られていた、年齢的には春華ちゃんより年上の女の子に。


「えぇ……拾ってきたわけじゃ……」


「一緒でしょ!!」


一喝され、周りに視線を送る優希君すると。


「いや、旦那が悪い」

「ユウキ様が悪い」

「ユウキさんが悪い」

「御主人様が悪いです」

「お兄さん……これはフォロー出来ないわ……」


と口々に呆れられていた。


⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤

「なんか……すみません……」


いたたまれなくなって謝ると、二人共笑いを堪えていた。


「うぷっ……い、いや、構わない……ぷぷっ」


「ふふふっ……そうね、優希君はどこに行っても優希君よね……ふふっ」


段々と私の顔が熱を持ち始める。


「とりあえず、無事もわかった事だし、少し様子を見ようじゃないか」


「そうね、古法の勇者召喚の魔法陣ついて調べるわね」


「ありがとうございます」


「あ゛り゛か゛と゛う゛こ゛さ゛い゛ま゛す゛ぅ゛~」


「ともかく、その機器はここに置いておくから、彼の家族にも見せてあげなさい」


「きっと貴女と同じで心配してるはずよ」


「わかりました、では彼女達にも説明したいと思います」


「すまないな、任せるぞ」


「何かわかったらまた来るわね~」


そう言って、大神様と運命神様は帰って行った。


「さて……マリアン。わかってるよね?」


「え、えっと……理映様?」


「これから優希君の家族を連れてくるから謝る事!」


「はい!!」


背筋をピンと伸ばして敬礼をするマリアンに呆れつつ、耀ちゃん達を迎えに行くのであった。


◇◆◇◆◇◆◇◆

◇耀side◇

朝起きると理映ちゃんが来ていたので詳しく聞くと、どうやら厄介な事に巻き込まれてるので皆を呼んで欲しいとの事だった。


「それじゃあ皆揃った?」


「「「「「はい(は~い)!」」」」」「大丈夫です~」「問題無いでス」「眠い……」「おっけ~」「(こくり)」


そうして瞬く間に神様の世界へ跳んだ。


「すううううみま! せんでしたあああああああああ」


突如女性がジャンピング土下座をしてきた。


「ぐえっ……」


それを見えない壁で止める理映ちゃん。


「理映ちゃん、その人は?」


「あぁ、この女神が今回の事件の原因だよ」


「うぅぅ~」


全員分の席が用意され、理映ちゃんが説明を始める。その途中でメアリーがお茶を淹れてくれている。


「まぁ、という事で優希君は今、このマリアンのせいで異世界に居るんだ」


「「「「「えぇ……」」」」」


マリアンさんのやらかしっぷりに全員がドン引いてる。


「ともかく、ここなら時間の流れは無いし、皆で優希君の事を見れるよ」


プロジェクターが映したスクリーンでは優希が、大きなモンスターと相対していた。


「ひ、耀さん! 優希さんが!」


「あー大丈夫大丈夫、優希はあれ位なら負けないから」


「そうですね」「ユウキ様ですし」「そーそー」「あ、朝ご飯出来ました~」「運びますネ」「あ、私も手伝います」「Zzz……」「さて、私は食べたらランニングに行って来るぞ」「あ、私も今日は仕事が……」


「「えぇ……」」


マリアンさんと優羽ちゃんが引いてる……大丈夫だよ、その内慣れるから、君のパパは最強だから。


「ともかく、皆でご飯を食べましょうか」


「は、はい!」


「マリアンは元の世界に戻って勇者達の育成!」


「ふえぇ~わかりましたぁ~」


なんとも弱々しい台詞を残してマリアンさんは転移されていった。


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