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第65話:天翔竜便

鳳さんの両親の写真を大量コピーして、異世界に飛んだ俺と鳳さん。今はシド様の執務室で鳳さんと共に説明してる。


「お待たせしました、シド様」


「おお、早かったのぅ、それでその後に居る子がかね?」


そういえば初めてだったね、パーティーは誘っても来なかったし。


「初めまして! 私はおおとり 里菜りなです! この度は私の両親を探す手伝いをしていただきありがとうございます!」


「おお、ユウキと違って礼儀正しいのぅ……」


「えーそんな言うなら畏まりますよ?」


「止めてくれ、お主にまでそう言われたら、肩が凝って仕方ないわい」


「じゃあ言わんでくださいよ」


「凄い……優希君その人国王様よね?」


「まぁ今は義理の父親ですけどね」


「パパって呼んでも良いのじゃぞ?」


「本当に呼びましょうか?」


嫌なのでにっこり笑って返す。


「冗談じゃよ……」


「そういえば、竜人便って誰が運搬してるんです?」


「真龍様じゃよ」


「え゛? マジすか?」


「当人曰く『暇で暇でやる事無くて、仕方ないからやるかのぅ』って言っておった」


「うわぁ、言いそう」


「まぁ、真龍様以外にもおるんじゃが、速さが圧倒的でな。アストラと半日で往復可能なんじゃよ」


こちらの世界で言う日本からパリを半日で往復するのと同じ感覚だ。


そんな話をしていると扉がノックされ、開かれた。


「久しぶりじゃのうユウキ」


「ティアさん!?」


「真龍様、こちらが各国にお送りいただく姿絵です」


「そうか、それでは。早速届けるとしよう……」


「あ、それなら俺もついてって良いですか?」


各国の首都にポートを置いときたいし。


「良かろう、して隣の女子おなごはいくのかえ?」


「鳳さんどうする? 行かないならこの城で待っててくれれば、半日くらいで帰ってくるよ」


「せっかくなんで、私も行きます!」


「わかった、ではユウキ中庭に行くぞ」


それから竜化したティアさんに、鳳さんと跨り防御魔法を張る。


「行くぞ!」


「「わかりましたあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」



◇◆◇◆◇◆◇◆

「おーい……鳳さんいきてる?」


「は、はひぃ……いきてましゅ……」


ぶっ飛んだ速度で各地を飛んで回ったせいで、鳳さんは目を回している。


「お主らもまだまだよのぅ……」


「いや、ティアさんの速度が速すぎるんです……」


「死ぬかと思いました……」


「ユウキがしっかり魔法で繋いで居るから大丈夫じゃよ」


「生身なんで怖いです……」


「落ちても拾ってやるからのぅ安心せぃ」


「落とさない前提でやって下さい……」


本当にこの人郵便出来てるんかな?


「そう言えばティアさんがやってる竜人便って、会社とか商会でやってるんですか?」


「そうじゃのう、一応商会として届け出を出す為に【天翔竜便てんしょうりゅうびん】という名はつけておるが……そこまで意味ないのぅ」


まぁ従業員がティアさん一人だし良いのかな?


「そもそも竜人が少ないし、料金もそれなりじゃからのう」


「それじゃあ今回のお値段は?」


「ん? あぁユウキが組手してくれると聞いておるが?」


「え゛?」


「という訳じゃ、ほれいくぞ」


「ちょ……助けて! 助けてええええええ!!」


そうしてティアさんのお楽しみに付き合わされボロボロになるのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「づ……づがれた……」


「お疲れ様です、優希さん」


起き上がり座りなおす、隣に座った鳳さんが心配してくれる。


「流石ティアさん……強くなりすぎ……」


「ははは、お主に一度負けておるからな。それに組手となれば致命の一撃は使えんからのう、妾のが断然有利じゃ」


この人止めるには本当に殺す気で戦わないと勝てないのがつらい、しかも躊躇うとその隙で殺しにかかるんだもん。


「それより大丈夫なんですか?」


「大丈夫じゃよリナ、こ奴は心臓握りつぶされても秒で再生するんじゃぞ」


「それを言うならティアさんもですよ、戦車砲を弾ける魔法鎧を貫通するって……お陰でユフィにまた直してもらわないと……」


「すまんな、妾のブレスならどこまでいけるか試してみたかったんじゃ」


魔法鎧貫通して、身体の3分の1が蒸発した攻撃を悠々と吐くこの人怖い。


「しかし、まだ勝てんとはなぁ……」


「次はわかんないなぁ……これ以上奇策も無いし」


「そうは言ってもお主、負けるつもり無いじゃろ」


「当然です」


「ははは、それでこそ勇者よ」


「止めて下さい、恥ずかしい」


そう言ってしばらく雑談をした後、ティアさんが翼を広げる。


「妾は満足した、どうせお主ももう帰るのであろう?」


「そうですね、良い時間ですし」


「そうか、ではな! また殺り合おうぞ」


1瞬で音速の壁を越えて衝撃波を残し消えたティアさん。


「さてと……帰る前に直さないと……」


「そうですね……」


組手で破壊された丘や蒸発した湖に水を足したりと作業は結局夜まで続いた。


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