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第51話:子供達奪還作戦・急

◇鈴香side◇

室内を見た瞬間、思わず駆けだしていた。


それは菫も同じで、普段の笑顔が崩れ怒りを滲ませた顔になっていた。


「ギャギャギャギャギャギャ!!」


「ギャギャギャギャ?」


「その汚い手を!」


「放せえええええ!!!!」


二人してゴブリンの様な見た目の改造兵士の首を吹き飛ばす。


子供達を見ると、その姿は悲惨としか言えない、凌辱され部位の欠損まであるくらいの傷だ。


「出来るだけ、早く助けないと……」


「そーだね……応急処置は任せて」


「お願いするわね、おねーさんちょっと本気で怒っちゃった♪」


「(こくこく)」


首を飛ばした改造兵士の魔石を砕きながら二人が寄って来る。


「本当に気持ち悪い……」


恐らく入手しやすいゴブリンの魔石を集めた結果だろう……改造兵士の数は20を超えていた。


「ギャッギャッ」


「ギャハハ」


「ギャギャギャ」


子供の腕を食べている者、恐らく死体であろう少女に腰を振りながら己の欲を果たしている者、目が血走り自分達が捕食者といわんばかりの顔をしている者達。


「こんな奴ら生かしておけない……」


「そうね」


「あぁ!」


駆け出して最高速度トップスピードで双剣を胸に叩き込み2体の魔石を両断する。


飛び掛かって来た兵士は翠の弓で叩き落された所を菫にとどめを刺される。


それに足が止まった所を紅さんの大斧が4~5体纏めて叩き斬る。


「ギャギャ!?」


「——ふっ」


「——ギャ?」


その光景に呆けている敵を素早く回り込んだ私が仕留める、そんな事を繰り返し3分程で全て片付いた。


「すみません、子供達の収容をお願いします」


「あぁ……」


「あー朝霧さん、生存してて怪我の大きな子達はこっちに集めてもらって良いですか?」


「わかった、他の皆にも伝えて来る」


そう言って大柄の体を機敏に動かしてパーティメンバーや米軍兵士へ伝え回ってくれた。


ふぅと息を吐いて武器を空間収納アイテムボックスの魔道具へ仕舞った、事前の話し合いでここまでが私達の出来る事だからだ、基地の制圧や生存者と遺体の収容は米軍の仕事としてある。


「他の皆は大丈……心配するだけ無駄か……」


程なくして司令官のドワイトさんがきて、現場指揮を交代したり。死にそうな子供からそこそこの怪我の子達が集まった。


「それじゃあ、帰りましょう。エアリスさんにこの子達を治療してもらわないと……」


「わかった、じゃあドワイトさんに伝えて来る」


朝霧さんとドワイトさんがハグしたりしてる……あー優希さんに私もハグしよ……


空間収納から転移札を出して皆を丸ごと転移させた。


「お帰りなさいリンカさん」


「ただいま、エアリスさん、唐突なんだけど子供達の治療をお願いします」


「えぇ! 任せて下さい!」


担架に乗せられたりその場で応急治療を受けている子達の元へ向かうエアリスさんの背を眺めて、思ってたより緊張してた事に気が付いた。


「やっぱり、優希さんが居ないと駄目だなぁ……」


そんな事を想いながら他の皆の帰還を待つのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆

◇水城 耀side◇


「はあぁぁぁぁぁ!!」


氷でできた大槍を飛ばし、相手の装甲を剥がす。


「———————!!!!」


「うーん……イマイチね……」


「ん、あの中身が無いのは厄介」


「とゆうかスライムよねアレ」


「でもスライムはもっとブヨブヨ」


ユフィさんの砲撃も装甲板を上手く使われ受け流される、削り取るのが精一杯だ。


「かといって、邪神の時みたいに神器が有効な訳じゃないし……」


試しに万が一の場合にと貰っていた、メアリーちゃんの魔力を込めた銃弾も効かなかった。


「ジリ貧という訳でもないんだけどねぇ……」


装甲を纏う端から私達に削られるので、相手もひたすらに守りを固めるしかない様だし。


「このままチマチマやるのが性に合わないわ……」


「わかる、ド派手に戦いたい」


「うーん……後が厳しくなるから使いたくなかったけど『アレ』を使うかなぁ……」


「!?!?!?」


目を爛々と輝かせるユフィさん、そう言えば前に見たいって言われたっけ。


「じゃあ久々にやりますか!」


外に放出している魔力を自身の周りに留め体の内へ、そこから丁寧にコントロールする。


「……ふぅ」


髪が黒銀に変化し、視界が魔力を捉えれるようになった。


前使った時からバージョンアップして、魔力の流れ等が鮮明に見えるようになったのだ。


「いつ見ても綺麗、魔力が漏れてない」


「そう? ありがとう」


「それじゃあ行くよ!! 虹の天球儀改め『——虹の天星球!』」


私の周りに虹色の魔法球が現れては高速で飛んで行く、燃え、凍り、削れ、雷に打ち抜かれ、重力で圧し潰される。


「——————!!!!」


焦ったように盾になるものを触手で引き寄せるが、全て撃ち落としていく。


「これで!! 終わり!!」


最後は複数発生させた重力球で、核となる部分を圧壊して終わらせた。


「ふぅ……疲れた……」


地面に降りて座り込む、ほかの2チームも苦する事無く敵を倒していた。


それからしばらく私が休憩していると、進んでいった皆が帰って来た。


「終わりました~」


「後は雑魚しかいなかったよー」


「あれが最後の強敵だったみたいでしたね」


「まぁ掃討戦だったな」


「ん、兵器いっぱい」


「さて、最後に崩壊させて帰りましょうか」


「「「「「「はーい!」」」」」

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