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第43話:夕食後の報告会①

夕食を食べ終えた俺達は、綿貫さんの用意してくれたお茶を片手に先程宮田総理達から報告をされたことについて話し合いを始めた。


「以上が宮田総理達から得た結果だね、とりあえずは報告として。今は俺達だけで動けないから、その内政府や各国の動きが出たら皆で助けよう」


「「「「「はい!」」」」」


「しかし、聞けば聞くほど酷いわね……」


「私がその場にいたなら……」


エアリスが気まずそうに唇を噛む。


「いや、エアリスが居たら死者蘇生の事もバレてただろうし、そうしたらこの世界全部がエアリスを狙って来るよ、この世界は自分の事しか考えない、独裁者が多いからね」


「はい、ですが見捨ててはおけない性分ですから……」


遠くを見ている様な瞳は、あの戦いで救えなかった人を思い出しているのであろう、俺だって何度も『全部が終わったら帰る世界だから……』そう思いながら誤魔化してきた。


「そうだね、それがエアリスの良い所だもんね。ただこの世界では本当に、隠しておいて欲しい、皆の安全の為に」


しっかりとエアリスの顔を見て言うと、ふっと柔らかい笑顔を向きてきた。


「わかりました。本当にどうしようもなくなったら、ユウキ様に相談いたしますね」


「あぁ、でも俺達の誰かがそうなった場合は、遠慮なく使って良いからね」


「はい、心得ております」


「いざとなればこの世界を捨てて、向うに移住しても良いもんね」


「そうだね、私は優希が居れば、どの世界でも良いし」


その耀に言葉に皆が賛同する、向うの世界に住む場所確保でもするかな?。


「そういえば、その事でお父様より連絡がありまして、直轄地の一部をユウキ様用に譲渡しておりまして、その土地は自由に使って良いという事です」


エアリスの口からとんでもない事が出てきた。


「え? それだと俺自身も税を収めたりしなきゃいけないの?」


「それは大丈夫ですわ、ユウキ様の領地は王家直轄領として動かしておりまして税を納めるのはあくまで領地ですから、それも今は代官が行っておりまして。ユウキ様は何も気にしなくて大丈夫ですわ」


「そうなんだ、そりゃよかった」


「すまないユウキ、私からも一つ……事後報告になってしまったが、父上より連絡が来て……その読んでくれ……」


ミュリが申し訳なさそうに差し出した手紙を読む。


「えっと……『我が家からはユウキ君の領地として一部の港湾都市を結婚祝い、かつ生前贈与として渡したからね』って……ミュリ、港湾都市って……」


「あぁ、我がグロウナイト家の主要収入源の内の一つだ……」


「マジか……」


思わず天を仰いでしまう、あの場所かぁ……


「ねーねーおにーちゃん、ミュリおねーちゃんの家の港湾都市ってそんなに問題のあるとこなの?」


「うーん、冬華は運河の重要性って習った?」


「うーん……どうだったけなぁ……」


目を逸らしながら答える冬華、忘れてるな……


因みに巴ちゃんと春華はピンと来た様だ。


「ミュリ、グロウナイト家の領地が書かれた地図ってある?」


「すまない、実家に戻ればあるが……覚えてる範囲で良いか?」


そう言ってすかさずメアリーが、ペンと紙を渡してくる。


「ありがとう、メアリー」


「いエ、お構いなク」


受け取ったミュリが、どんどん地図を描いて行く。


「ユウキ、これで良いか?」


「ありがとう……凄い精巧だな……」


「まぁ、騎士団の指揮を執る身だからな、地形図程度は綺麗に描けないと作戦に支障をきたすからな」


「凄いですね……」


巴ちゃんや春華もまじまじと見ている。


「それで説明に戻ろうか、それで今回貰った領地がここなんだ」


紙に赤ペンで今回貰った領地を丸く書く、内海ないかい外海がいかいを繋ぐ運河、こちらの世界で言うとスエズ運河を内包した領地だ。


「えっと……つまり……むむむ? ここの領地があると何が良いの?」


「それはね、冬華ちゃん。ここの土地……運河だけど通る時にお金がかかるの。その時に支払われるお金が優希さんの物なんだよ」


巴ちゃんが冬華の疑問に答える、百点満点中90点をあげていい回答だ。


「トモエは凄いな、私でもつい最近まで覚えていなかった事をスラスラと言えるなんて……」


「あ、ありがとうございます!」


ミュリに褒められ顔を赤らめながらはにかむ巴ちゃん。


「ただな、ここの土地の本質はまだあってな……」


「そうなんですよね、今回ユウキ様に送った理由も場所も納得ですわ」


「問題?」


「ですか?」


巴ちゃんと春華が首をかしげる、冬華は宙を見ている(宇宙猫状態)。


「あぁ、この土地は昔から争いが絶えない土地で、当家が召し上げるまでは両岸の貴族家がひたすらに争っていてな……今もまだ小競り合いが起きる事もある位だ」


そう言うと三人が、俺が天を仰いだのを理解した顔になった。


「つまり、ミュリの家は幼い当主になるかもしれない側室の子を争いに巻き込まない様に、ユウキ様に譲渡する事で、一帯の治安維持を成してしまったんです」


「はえ~」


「凄い……」


「そんなに、おにーさんの名前は凄いんですね……」


「そうだな、ユウキの名前はあの世界じゃ知らない人は居ないし、今回姫様や私達を娶った事で高位の貴族家になっているからな」


「しかも、救世の勇者。領地に戦いを仕掛けるとか、無謀」


予習を終えたユフィが会話に入って来た。


「そうですね、ユウキ様に剣を向ける事、つまりリーベルンシュタイン・アストラ・リューンの三国に剣を向ける事になりますからね」


「凄いですね」


「おにーさん激やば……」


「流石優希さん」


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