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第36話:記者会見⑤(お疲れ様会編)

巴ちゃんから、金守君が呼んでると教えられたので探していると隅の方で食事を美味しそうに食べている姿を見つけた。


「あぁ、居た居た。おーい、金守君」


「ふぁ!? ふみません!」


慌てて口の中のローストビーフを飲み込んでいると、案の定詰まらせている。


「おいおい、急がなくて良いから、ほらお水」


「んくっ、んくっ……ぷはぁ、死ぬかと思ったぁ……」


酸欠で顔を赤くした金守君が息も絶え絶えに顔を上げる。


「まぁ、死んでも。俺とエアリスが居るから蘇生は出来るよ」


「わーお、それは異世界ジョークかい?」


「いや、マジレス」


「それを聞いて、ちょっと就職先間違えたかと思った」


「まぁ、世界一安全な職場だよ?」


「うん、まぁそうだね……」


呆れ気味に言われたけど、ある意味安全でしょ半分異世界に職場があるし。


「それで、俺を探してたって聞いたけど?」


「そうそう、呼んでもらったので。母がお礼にと……」


丁寧にお店のロゴの入った紙袋を渡してくる、有名な羊羹のお店だ。


「わざわざ良いのに……」


「あはは……スーツまで用意して貰っちゃったし。気にしないで」


「そうだね、有難く頂戴します。それと料理の一部を詰めて貰うから帰りに受け取ってよ」


「そんな……いいですよ」


「まぁまぁ、お母さんにでも食べさせてあげて」


「わかりました、こちらもありがたく頂戴します!」


お互いにぺこぺこしながら会話をする。


「それで、どうだい? 楽しんでる?」


「うっ……ここは女性が多くてちょっと……」


金守君が周りを見回すと、うん女性の割合が9割超えてるわ。


「あはは……」


「しかも殆ど上凪さんの奥さんって……クソ羨ましいですね」


「あはは……まぁ異世界も女性比率がそれなりに高いから、そこは慣れて貰わないとなぁ……」


「そうなんですか?」


「そうなんだよね、数カ月前まで世界の命運を握る戦いをしてた世界だし、やっぱり戦場に出るのは男性のが多かったからね」


思い返すと数カ月前まで、滅茶苦茶な戦場に身を置いてたんだな……今もだけど。


「まぁ、金守君が向こうでの資産を溜めたいとかなら換金も出来る様にするし、給与も向こうの貨幣で払うようにできるから」


「わかりました、その際はお願いします、それで向こうの世界の人ってどんな人が居るんですか?」


「そうだね、簡単に説明するよ。先ず向こうには4っの国があって……」


それからは向こうの世界の国名や人種や種族名を答えたり、風習などについても話していた。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「という訳で、俺もまだ、全部の魔族や獣人には会った事無いけどね」


「はえーそんな数多いんですね」


「そうですね、魔族も種族よっては、数百年眠りにつく者もいらっしゃいますから」


「おわぁ!?」


「あれ? エアリス?」


「むぅ……せっかくユウキ様を驚かせようとしたのに……」


「あはは、気配があったからね」


頬を膨らませて、膝上に乗って来るエアリス、少しお酒の匂いがしたので飲んでいる様だ。


「エアリス? お酒飲んでる?」


「はい~うふふ~、こちらの世界のお酒は美味しいですねぇ~」


「うーん、こっちの世界だとエアリスの年齢はアウトなんだけど……まぁ向こうの世界で一応飲める年齢だし大丈夫かな?」


「うふふ~何難しいこと考えてるんですかぁ」


結構飲んでるな、あまり飲まないのに珍しい。


「悪い、金守君、話の続きはまた今度」


「あっ、はい大丈夫です」


金守君に断りを入れて、エアリスをお姫様抱っこで持ち上げる。


「とりあえず、部屋に向かうか」


「えへぇ~今からですかぁ~ユウキ様のエッチィ~」


顔を俺の首元に寄せてキスマークをつけ始めるエアリス、可愛いから良いんだけど

当人が明日悶絶するからなぁ……


「すみません、開けてもらって良いですか?」


「はい」


係りの人に言うと広めに扉を開けてくれたので、そのまま廊下に出る。


「そうだ、あそこに居る男性にお土産で料理を持たせたいんですが、別にお弁当か折詰おりづめを作って貰えますか?」


「かしこまりました、お時間がかかりますがよろしいでしょうか?」


「うーん当人聞いてみないと、わからないんですが……」


「あぁもうユウキ様! 私が居るのに他の女性と話してぇ~」


今度は甘噛みと、本気噛みをしてくる。


「いてて、すみません……彼に聞いてもらって時間があればお願いします、無ければ手早く出来るものをお願いします」


「ふふっ、畏まりました。確かに奥様を差し置いて喋っていたら、怒られますものね」


「すみません、お願いします」


「はい、お気をつけて」


そのまま一礼して会場から出た。


エアリスの部屋に着きベッドに寝かせると、嬉しそうに抱き付いてきた。


「おっと、今日はどうしたの?」


「むふー私は嬉しいんですよ~ユウキ様がちゃんとこちらの世界でも認められた所を目の前で見れたのが」


「そっか、ありがとうな」


そのまま撫でていると、酔いが回ったのか静かな寝息を立て始めた。


明日はエアリスが悶絶必死になるだろうけど……仕方ないか。


そのまま寝ているエアリスに口付けをして部屋を出る、オートロックなのでそのまま会場へ戻った。


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