第29話:洋上作戦(突入編)
着陸直後にドアを蹴破る、引き戸だが関係なく蹴り飛ばして外に居たテロリストごと吹き飛ばす。
「Гвааааааааааа!!!」
「メアリー!」
「はイ!!」
弾丸の様に飛び出し、両手に備えた銃で次々と無力化していく、格闘術や浮遊魔法を駆使してるのでアクション映画の様でとても美しい。
「っと、こっちもやらないとな……」
土魔法で腕と足を固定して転移する、向うに居た事情を知っている警察の人に引き渡す。
「ユウキ様! これを使って下さい!」
戻ろうとしたらユキが神器を渡してくる、感謝をしてヘリの内部に戻る。
「『——魔装・マルバス』」
以前ガリウスと闘った時に使った魔装を発動させ魔力の爪と獅子の尻尾を生やす。
そのまま飛び出て陽動してるメアリーへ通信を入れる。
「メアリーこの船の気を付ける場所は?」
「階段部分と船倉でス、この船はタンカーなのですが船がそこまで沈んでいませン、恐らく内部が改造されていテ、下は格納庫だと思われまス、後は内部での角待ちですガ……優希さんには無意味ですネ」
「わかった、そのまま甲板とブリッジは任せていいか?」
「はイ! お任せヲ!!」
「嘉啊啊啊啊啊啊啊啊」
「Gyaaaaaaaa」
メアリーの攻撃によって、テロリスト達が戦闘不能になっていく。
テロリストの間を縫いながら動く、道中目の合った相手を殴り飛ばしたりそのまま引き裂いたりとしながら動く。
「はあああああああ!!」
――――バギン――――ベキベキベキ
強化した蹴りで固く閉じられた気密扉を引き剥がす、すると内部に居た兵士が銃を乱射して来るが効くはずがない。
「ぎゃふっ」
「ひぐぅ」
殴り飛ばして気絶させる、一段落したので魔法で両手足を拘束する、その後探知魔法を使うとおおよその敵の居る位置が分かった、そしてタンカーの下部に十人くらいの人が集まっている部屋があった。
「メアリーちょっといいか?」
「はイ、どうかなさいましたカ?」
「船全体を探知したんだけど、船の上部と違って下の方に十人くらい集まっている部屋があるんだけど、これって敵が居るって事で良いのかな?」
「すみませン、分からないでス、予想としては敵だと思うのですガ。あの組織は人攫いもやっていますのデ……」
「わかった、それならブリッジを先に占拠しよう」
「すみませン、外から援護しまス」
そうして道中、メアリーの狙撃の援護を交えつつ内部を、進みブリッジを制圧した。
「ご苦労様でス、優希さン」
壊れた窓ガラスを拡張して、メアリーの入り口を作って迎える。
「それで、俺は船の動かし方が分からないんだよね……」
「すみませン、私もでス」
「ちょっと一旦戻るよ、操船できる人を手配してもらいたいし」
「そうですネ、私はここでブリッジを守ります」
「分かった、数分で戻るよ」
仕方ないので転移用の目印を置いて、ほぼ裸まで武装解除済みの拘束したテロリストごと転移する。
「よっと……あれ?場所が変わってる」
「あーおかえりー、迎賓館んの部屋があんなになっちゃったし仕方ないから近くの室内に移動したの」
「そっか、そうだよね。それで宮田総理は?」
「えっとね、防衛省と警察庁の人達と、今テロリストが他に居ないか調べてるみたいよ」
「そっか……操船できる人手が欲しいから人を手配してもらいたかったんだけど……」
「わかった、それじゃあ警備の人呼んでくれる? こいつら見てるから」
「わかったわ」
そうして耀が出て行き、1分程で十数人の武装した警備員を連れて来た。
空間収納から相手の装備品等を手渡しつつ引き渡すと、宮田総理も二人の人を連れて入って来た。
「ちょっと時間が無いので、挨拶は後でお願いします。テロリストのタンカーでブリッジを制圧したんですが船を動かせる人が居なくて、困ってるんです。」
「そうか、やはり船で移動していたか……そうゆう事なら海上自衛隊から人を出そう」
白い制服を着た人が頷く、海上自衛隊の人っぽいので任せよう。
「でも人を集めて貰うと時間がかかりますよね、早く戻りたいんです」
「それならコスパス・サーサットシステムを使ってくれ」
警察っぽい服を着た人が答えてくれた。
「コスパス・サーサットシステム?」
「あぁ、このような感じの船舶に取りついている救難用装置でね、これを水に落として貰えれば救難信号が出るから」
画像を見せられたので覚えておく、それらしきものがあれば鑑定で調べればいいし。
「わかりました、戻ったらすぐに探します」
「あぁ、よろしく頼んだぞ」
そのまま転移して戻ると、メアリーが水筒からお茶を取り出していた。
「お帰りなさい優希さン、どうでした?」
出された麦茶を飲みながら答える。
「えっとね、船舶の外装に付いてる……こんなのを探して欲しいんだって。コスパス・サーサットシステムっていう救難装置でこれから出る電波で俺達の位置を把握してくれるみたい、それで操船用の人を手配してくれるみたい」
「わかりました、サンドイッチも食べますか? 朝の残りですが」
「良いの?」
「はい、作りすぎたので、無駄にするのももったいなく思い空間収納にしまってました」
そう言いながらメアリーは手に持ったサンドイッチを差し出してくる。
「はイ、あーン」
口を開けるとそのまま放り込まれる、咀嚼をしていると残りをメアリーが食べている。
「なんで食べ残りを……」
「!?!?!? 見ましたね!?」
「いや、そりゃ二人きりだし見るよ?」
「うぅ……どうか、見なかったことに……」
「あっ、はい……」
顔を真っ赤にしたメアリーが、恥ずかしそうに言うので。これ以上は追及しないでおく。