第28話:洋上作戦(救出編)
転移した先は東京湾上のヘリの中だった、ゲームとかで兵士が乗ってるような奴だった。
「なんだおま――ぐぎゃっ」
目の前に居る兵士を叩き斬る、直後に巴ちゃんが魔道具を発動した。
両隣に居たシド様と厳徳さんと宮田総理を防御魔法の内に入れる。
「巴ちゃんナイス!!」
「ありがとうございます!」
「Ahhhhhhhhhh!!!」
――バンッ――バンッバンッバンッバンッバンッバンッバンッ。
「無駄無駄、只の銃じゃ効かないよ」
――カチャカチャと鳴らして、撃ち切った銃の引き金を引くテロリスト。
「Now...if you surrender before the count of 3, I'll at least save your life.(さあ……3カウントまでに降伏すれば、少なくとも命は助けてやる)」
「Understood! ! help me! !(わかった!!助けてくれ!!)」
『——鑑定』
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名前:キラン 性別:男 年齢:16歳
状態:恐慌 ジョブ:剣士
備考:拳銃・自爆用の手りゅう弾・体に巻かれたC4数個有
メアリーが以前所属していた組織の一員。
薬で洗脳されている。
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(武器は銃と自爆用の手りゅう弾と体に巻いたプラスチック爆弾か……)
「空間収納」
「!?!?!?!?」
「Disarmed, obey meekly(装解除、おとなしく従え)」
パンツ一丁になったテロリストへ魔力の刃を近づける。
「Surrender! ! Please forgive me now! !(降伏する!!もう許してくれ!!)」
べそをかきながら謝るテロリスト、このまま見捨てるのは気分が悪い。
「宮田総理、お願いなのですが、テロリストの構成員の内、《《特定の人物》》をこちらに預けてくれないですか?」
「それは出来かねるが……どうしてだ?」
「この子達、薬物で洗脳されてます」
「それって……メアリーさんの……」
「うん、そうだねメアリーの人生を壊した奴等だ」
それを聞いた巴ちゃんもすぐに思い当たったらしい、考え込む。
「それは? どうゆう?」
「そうですね、話すと長いのですが……」
キランに時間があるか聞いてみるか……
「How soon will you arrive?(あとどのくらいで到着する?)」
「It's 15 minutes!(15分です!)」
時間が無いか……
「時間が無いので、戻ってからでも良いですか?」
「仕方ない……背後関係も洗いたいから、その子の洗脳は解けるんだな?」
「はい、解けます」
「わかった、そうすれば情報も手に入りやすい、任せよう」
「わかりました、ありがとうございます」
「それと……」
「まだあるのか?」
「あはは……迎賓館に居たテロリストをつい殺しちゃったんですが、これって罪に問われますか?」
「その手の法律家では無いので分からんが、今回の場合は正当防衛とて処理しよう……」
「あはは……ありがとうございます」
「それと一旦皆さんを迎賓館に送りますね」
空間収納からいつも転移に使う目印を取り出しヘリの中に置く。
「じゃあ移動しますね」
そのまま転移をして耀の元へ到着する。
「ただいま」
「あ、優希おかえりー」
戻ってくると機動隊や、自衛隊の方々が皆と合流していてテロリストの拘束や、救急車で運ばれる外務大臣達が居た。
「総理!!」
「ご無事でしたか!!」
「あぁ、彼が助けてくれたからな」
「ユウキ様! お帰りなさいませ!」
エアリスが抱き付いてきて痛いくらい抱きしめられる。
「のう、エアリスよ……ワシは?」
「お父様、空気読めないんですか? 恋人同士が愛を確かめ合ってるのに、無粋ですよ……」
ジト目で言われてシド様は肩を落とす、まぁ本気でエアリスも邪険にしてる訳じゃないからね。
「さて、宮田総理……後のテロリストはどうします?」
「出来れば、拘束してほしいが……」
「わかりました、出来るだけ殺さない様にしますね」
「君にこんな事を頼むのも酷な話だがな……」
「あはは……転移による奇襲なんて普通は出来ないですからね」
「優希さン、足手まといかもしれないですガ、私も連れて行って下さイ」
そう言ってメアリーが割って入って来る。
「話は聞きましタ、私が以前に居た組織の事なら良くわかりますのデ」
「でも……いいのか?」
「はイ、お願いしまス」
「ん、それならこれを使って」
ユフィがイヤリングを差し出してきた。
「これは?」
「前に使った通信魔道具の改良品」
「助かる」
「ありがとうございまス」
そうして二人で耳に着け準備を終える。
「じゃあメアリー、頼んだよ」
「はイ!!!」
「それじゃあ行こうか『——転移』」
メアリーを手を繋いで転移すると着陸寸前だった。
「Kiran, I will send you to my friends first. You will be detained, but I have guaranteed your life, so please follow my instructions.(キラン、先に君を俺の仲間の元に送り届ける、拘束はされるが命の保証はしてあるから指示に従ってくれ)」
「Okay, help me(わかった、助けて)」
それからメアリーに向き直り作戦を伝える。
「メアリー、着地したらドアを蹴破るからメアリーは飛びながら、迎撃と陽動をお願い。俺はキランを送り届けたら合流するよ」
「わかりましタ、気を付けて下さイ」
メアリーと映画のワンシーンみたいな口付けをして向き直る。
互いに恥ずかしいけど緊張は解けた。
「We're landing! !(着陸します!!)」
「それじゃあ作戦開始だ!」