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第26話:皆の準備と母さん。

始まった二国の会議は特に問題は無く進んでいく、まぁ俺はよくわからないんだけど。


わかる範囲は、移民としてこちらの世界に来た人の身分の証明や、その人が生活するうえで必要な事、犯罪者の扱い。後は向こうの世界に永住をしたいという場合についての取り決めだったりする。


そうして、3時間程過ぎた後、一度食事をする為に中断する事になった。


親父’sはトイレの為、ここには居ない。


「それじゃあ、一旦皆を連れてくる為に戻るね」


「はい、わかりました」


「そうだわ、ユウキ様。私の部屋に置いてあるドレッサーに式典用の首飾りを忘れてきてしまったの、取って来て頂きたいのだけれど……よろしいかしら? ミュリには既に連絡しているから準備はしているはずよ」


「わかった、でも珍しいな。エアリスが忘れ物なんて」


「本当は使う予定のと間違えて持ってきてしまったのよ、それに空間収納アイテムボックスの魔道具はユフィにメンテナンスで返してるし」


「そうだったのか……それはタイミングが悪かったね」


「そうなのよ、お願いね」


「あぁ、任せてくれ」


「それじゃあ行って来る」


「いってらっしゃいませ、旦那様」


「いってらっしゃい、ユウキ様」


二人に見送られて自宅へ転移した。


「おっ、優希おかえり~」


リビングに入るとそこに居たのは耀だけだった。


「ただいま、皆は?」


「えっとねー春華ちゃんと冬華ちゃんとメアリーと綿貫さんは昼食の後片づけしてる、ユキちゃんとユフィちゃんは白鳥さんと魔法鎧の最終チェック中、鈴香ちゃんはお家出発したって、ミュリさんはエアリスさんに言われたものを探してるわ」


「そうか、じゃあ少し待ってれば大丈夫だね」


「そうね。お茶かコーヒー飲む?」


「じゃあ麦茶で」


「わかったわ~」


そう言ってコップに、冷やしてある麦茶を注いでくれる。


「ほい、おまたせ~」


「ありがとう」


麦茶を受け取り喉を潤す、うん、やっぱり我が家のは美味しいな。


「それでどうなの? 無事に進みそう?」


「進んでるみたいだよ、よくわかんないけど」


「えぇ~」


「国同士の裏の読み合いなんて一介の高校生にはわかんないよ、聞いてた感じまぁ悪い条件で国交を結ぶ事にはならなそうだし、良いんじゃない?」


「そう、それなら良かったわ」


「後は今日の、お披露目が終わればひと段落だね」


「だね、流石にこのまま学校もずっと休んでられないし……」


「俺の学籍どうなってるのかな……」


「あれ? 聞いてない? 綴さんが言ってたんだけど、優希の学籍は復活してるそうよ」


「え? 聞いてない」


「後で確認してみたら? 多分言い忘れな気がするけど……」


「そうだね」


すると突然チャイムが鳴る。


「はーい」


そう言って耀が玄関へ向かう、どうやら母さんが来た様だ、リビングの扉を隔てて話が聞こえる。


『お義母さん、どうしたんです?』


『いやーレコーダーの調子が悪くてね、優希の所で今日のイベント録画してもらおうと思って』


『それでしたらどうぞ、丁度優希も帰って来てますし』


『そうなの? じゃあお邪魔しちゃうわね』


『はーい』


来客用のスリッパの音を響かせ、母さんが廊下を歩いてきて扉を開ける。


「おっはよー優希、頑張ってるじゃない」


「母さん、おはよー。今日は休みなんだっけ?」


「そうなのよ、それで朝から撮り溜めてたドラマを見ながら。優希達の中継が始まるまで待ってたのにレコーダーの調子が悪くなったみたいなの」


「そっか、じゃあウチの使うと良いよ、使い方わかる?」


「大丈夫だと思うわ、メーカーは同じだしどうにかなるでしょ」


「わかった、はいリモコン。後、念の為マニュアルも」


リモコンと使い込まれたマニュアルを渡す。


「あら、随分と使い込まれてるのね」


「異世界組の皆が使うんだよ、どうしてもボロボロになるんだよね~」


「仲良さそうで良いわね、結構結構」


「お義母さん。はい、お茶」


「あらーありがとう、耀ちゃん♪」


「あら、このドラマ……」


「あっ、それ私が今見てる奴です」


「わー耀ちゃんも見てるの?」


「はい、後は春華ちゃんとかミュリさんも見てますね」


「ミュリちゃんってあの騎士の女の子よね? 意外と乙女なのね」


「ですね~優希にやってもらう事で一番好きなのが、壁ドンからの顎クイらしいですから」


「ちょっと古いのは……まぁ良いとして、優希頑張りなさいよ!」


「クソッ、黙ってたのに飛び火してきた……まぁ、ミュリが好きみたいだし良くやりはするけどね」


「「きゃー!!」」


「楽しそうだな母さん……まぁ嫁姑の仲が良いのは、余計な心配無くて良いんだけどさ」


「そうね、こっちの世界の子達はメッセージアプリで良く話してるけど、異世界組の子達はまだなのよね……今度、優希のホームビデオの鑑賞会でもやろうかしら」


「久々に見たいです!」


「なんか俺の、赤裸々な過去が掘り起こされそう……」


そんな話をしていると皆が集まって来た。


「皆いらっしゃい、お邪魔してます!」


「お義母様!? お久しぶりです!!」


「わーい優佳ゆうかママだ!」


「優佳さん、お久しぶりです」


「こんにちは冬華ちゃん。それから春華ちゃん、ミュリちゃんは硬いわねぇ……もっと気軽にママとか呼んでいいのよ?」


「いっいえ……流石にそれは……」


「ちょっと恥ずかしいです……」


「仕方ないわねーあっ、メアリーちゃんこんにちは」


「優佳様、お久しぶりでございまス」


恭しく母さんにお辞儀をするメアリー、それからすぐにお茶請けの準備に取り掛かる。


「後は、ユキとユフィか」


直後、最近聞き馴染みのある声が。リビングへと来た。


「おまたーうわっ、もうみんな居る!? ごめんなさい~遅れましたぁ~」


すやすやと眠るすずめちゃんをおんぶした白鳥さんが入って来た、てかすずめちゃん結構ざわざわしてるのによく寝てるな。


「遅れましたぁ! 申し訳ありません!!」


「おまたせ、遅れた、ごめん」


ユキとユフィも続いて入って来た様だ。


さて、皆集まったし……行こうか。


そう言って立ち上がった直後テレビがドラマから緊急音と共にニュースの画面に切り替わった。


『只今、入って来た情報によりますと、東京元赤坂にある迎賓館にテロリストが侵入、総理大臣及び他数名が拉致されたとの情報が入ってきました』


と焦りながら原稿を読むアナウンサーが居た。


「「「「「「!?!?」」」」」」


「エアリス!? 巴!?」


「姫様!?」

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