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第23話:金守君の答え

皆の指輪を買い揃えた後、金守君のお母さんを交え今後の事について話すことになった。


金守君の家の居間に通され椅子に座る。


「それじゃあ、説明させてもらいますね」


弘幸ひろゆき……この方本当に、あの話題になった上凪さんで間違いないの?」


金守君のお母さんはきょとんとした顔で金守君に聞く。


「うん、ちょっと前と姿は変わるんだけど、この人はその上凪さんで間違いは無いよ」


「まぁ、信じられないでしょうが、そこはご容赦を……」


「それでそのお隣のお嬢さんは……」


「あはは……私の妻の1人です。ちなみに本物のエルフです」


「は、はぁ……」


「ユフィリール・エンバレンス……よろしく」


そう言って俺の左隣に座るユフィは頭を下げた。


「えっと、それで話の内容なのですが、金守君には今度立ち上げる会社の一員になって貰いたいんです」


「「会社?」」


「えぇ、今度政府より発表される。新技術を取り扱う会社ですね」


「えっと、その新技術は。僕でも扱えるものなの?」


「えぇ、とは言っても練習は必要になりますが」


「それで、その会社というのはどういった形での雇用になるんでしょうか?」


金守君のお母さんが不安そうに尋ねる。


「そうですね、一応出資は紡さんのお爺さんが中心になってる……『紡ホールディングス』ってわかりますかね」


その名前を出すと二人の目が、驚きに変わる。


「えっと……あの?」


「ウチも輸入関連で、お世話にになってますが……どうして?」


「えっとその答えがこの子になるんですが……」


俺の右隣に座る巴ちゃんへ視線を促す。


わたくしつむぎ ともえと申します、現在は未熟ながら優希さんの奥さんの1人を、やらせて頂いております」


そういって丁寧に頭を下げる巴ちゃん、もう金守親子の開いた口が塞がらない。


「まぁ、一応私が代表を務めるんですが。経営とかは全部彼女に任せるので、給与とか雇用形態は彼女から聞いた方が早いですね」


「はい、では一応金守様が、わが社に勤める際の給与なのですが、手取りで大体月50万円程ですね、最初は成果物の出来次第ですが、頑張り次第で給与の増額もあります」


「ごっ……ごじゅう……」


「凄いわね……」


報酬についてはもう少し多くても良いかなと思ったんだけど、巴ちゃんが出来高次第で報酬上げた方が良いと言うのでこの金額にした。


「それで、雇用形態なのですが。月の労働が約20日、出勤は9時から、退勤は18時ですね、お昼休憩の他に1時間ですが休憩時間を設けてますので、勤務時間はどうしても長くなってしまいますが……」


「母さん、働いたことが無いから分からないけどこれって良いの?」


「普通ね、普通の会社は、お昼休憩以外に休憩時間が無いから」


「それと、社員として雇用する場合、社員寮で生活をしていただきます、家具家電はこちらで用意をしますし、水道光熱費等は会社持ちです。」


そう言って巴ちゃんは、ワンルームマンションのパンフレットを差し出す。


「最新式の設備のマンションで、しかもセキュリティもしっかりしてる……」


「うーん凄いの?」


「そうね、私が住みたいくらい」


「そこまでなんだ……」


「それと、ここが特別なのですが、研修期間中は《《異世界》》に行ってもらいます」


そう言った巴ちゃんの顔を意味が分からないと見る二人。


「えっと……異世界?」


「はい、異世界です」


「あの、深夜アニメでやってるようなあの?」


弘幸ひろゆきの大好きな、ちょっとエッチな格好をした女の子のフィギュアが出てくるような?」


「母さん!? なんでいきなり!?」


「あはは……それでお話を戻させてもらいますが。異世界の技術を使うにあたり。向こうで一般化されている技術等を学んでいただきたいのです」


俺は空間収納アイテムボックスから、魔道具や魔法鎧のブローチ部分を取り出す。


「「!?!?!?!?」」


「ここからはユフィと俺が良いかな」


「はい、お願いします」


巴ちゃんからバトンタッチして俺達が話し始める。


「それで、まずこの装置や、このブローチに使われてる宝石……【魔石】と呼ばれるものなんだけど、これはモンスターから獲れるものでね、向こうの世界では広く扱われているものなんだ」


「ん、この世界で言う【電池】や【電気】が正しい」


「それでこの魔石っていうのは様々なサイズや形に加工するんだけど、今回金守君に担当してもらいたいのは、こっちのブローチみたいに装飾品に加工する所なんだ」


「それで僕の所に来たんですね」


「そうなんだ、宝飾加工なら、金守君が良いかなと思ってね」


「でも聞きたいんだけど。そのエネルギーをため込む魔石を、なんで宝飾品にするんだい?」


「無論、そのまま宝飾品として扱う事も出来るんだけど、本当はもう一つあってね、実演する所は見せられないんだけど。向こうの世界に【魔法鎧】……えっと、わかりやすく言うと、《《バリア》》を張るものがあって、それに合わせる加工なんかを出来る様にしてもらいたいんだ」


以前式典で付けてた簡易魔法鎧を発動して見せると、二人共目を丸くした。


「こんな感じで使うんだけど、これを探索者の中で主流装備にしていきたいんだ」


「つまり、探索者の生存率を上げたいと……」


「そうだね」


「わかった、母さん俺やってみたいんだけど……」


「えぇ、良いわよ。ついでに異世界でお嫁さん探して来たら? あのフィギュアみたいな女の子居るんでしょうから」


「ちょ!? 母さんそれはやめて!!」


「あはは……まぁ金守君次第ですが紹介位は出来るかな?」


「良いんですか!? よっしゃー!」


「全く、お父さんが帰って来たら許可を貰いなさい……まぁ私も口添えくらいはしてあげるから」


お母さんも納得してくれた様だ。


「それじゃあ、その内迎えに来ますので……それまでは学校に通っててください」


「あっ……学校どうしよう……」


「それについては、まぁある程度考えてあるので後日にしようか」


「わかった、とりあえずは当分、学校に通うよ」

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