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第19話:婚約指輪③<巴編>

 皆を乗せ、辿り着いたのは。以前婚約指輪を買ったお店、つまり金守君のお店だ。


「はい皆さん、おまたせしましたよ~♪」


「あぁ、ここの事だったのね……」


「なつかし~」


「確かに、重要ですもんね」


 以前来た三人はわかったのかうんうんと頷いている。


「えっと……ユウキ様ここは?」


「宝石店だよね?」


「お兄様!キレイです!!」


「ん、なんとなくわかった」


「うん、皆の婚約指輪とゆうか結婚指輪を買おうと思って」


「結婚指輪ですか!?」


「そういえば、この指輪は別の意味だったな」


「そうでしたネ」


「向こうの世界で渡した指輪は、まぁ神様から皆の居場所に行けるように貰った奴だからね、改めて買おう思って」


「まぁプロポーズの時に渡してるから。婚約指輪だったり、結婚指輪だったりしてるけどね」


「そうですね」


「うんうん」


「とゆう訳で明日の式典に間に合うように、皆揃ったタイミングで買いに来る事にしたんだ」


 お店の扉を開けながら皆を招き入れる。


「それじゃあ、私達は先に明日のお土産、買って来るわね」


「私達も入ると、いっぱいいっぱいですから」


「とゆう事で、私達は買い物に行ってきます!」


 耀と春華と冬華が、明日リッカルドさん達に渡すお土産を買いに行く役を、買って出てくれた。


「わかった、ありがとうね」


「任せて、色々買って来るから」


 そう言って3人は車に再度乗り込み、出発した。


「さて……久々に顔を出すなぁ……」


 手土産を取り出しながら入店する。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


店内に入ると、少し照明が落とされ、宝飾品が綺麗に見える様に工夫された中を進む。


そして、カウンターに目的の人物は居た。


「やぁ、久しぶり」


「えっと……まさか、優希さん?」


そうやら一発で分かった様だ。


「正解、これ。お土産」


「わわっ、ありがとうございます。一瞬誰かわからなかったですけど、声が聞き覚えのある声でしたので」


「そうか、なら良かったよ、結構姿が変わってるから。分からないと言われてこともあるからね」


「いやーそうですね、その顔と身体つきだと別人ですよもう」


「あはは……」


「それでどうしました?また奥さん達の指輪が欲しいとかですか?」


「そうそう、7人分」


「7人ですか~……えっ? ななにん?」


「そう、7人分」


「あはっ……あはは……7人……はははっ」


「ちょっ、どうした?」


「一つ、聞きたいんですが……」


焦点の合わない目で聞いてくる金守君。


「水城さん達とは別のですか?」


「うん」


「それって、捨てたって事?」


「んな訳あるか。新しく迎えたんだよ」


「✕▲——◇◆☆※◁◐▲■◀△!!!」


突然金守君が暴れ出したんだけど!?


「ちょっ落ち着いて!」


「くそうくそう!!」


「どうしたいきなり?」


「いやだって!3人でも普通じゃないのになんで+7人も増えてるんですか!?」


「いやー気付いたら増えてた……」


「ハーレム系ラブコメの主人公かよ!! To L〇VEるかよ!! 誠氏ね!!」


「落ち着けよ、言いたい事は分かるけど。その例えはヤバい気配がするからやめてくれ」


「ふーっふーっふーっ、ぐるるる」


「そろそろ落ち着いてくれ……話が出来ない」


「わかりました」


「うわぁ……急に静かになるなよ」


「いやまぁ、彼女が居ない事で優希さん恨んでも仕方ないですし……この世界は女性の方が多いので大丈夫大丈夫……」


「そっそうか……」


まぁダンジョンに潜る割合は男性のが多いからね、それであの法律が出来る訳だし。


「それで今日は、奥さんたちの指輪を探しに来ただけですか?」


「それもあるけどね、それはもう一人話の軸になる人が来ないといけないから、先に指輪を選んじゃうよ」


「わかりました、直しがある場合は早めに言って下さい、いつまでにやればいいですか?」


「えっと……明日の式典までに……」


「優希さん……僕をロボかなんかだと思ってません?」


「あはは……すまん、皆が揃う日が今日しか無かったんだ……」


「仕方ないですね、割増しで手を打ちましょう」


「わかった、すまない……」


「それじゃあ、スケジュールの調整してるんでまた声を掛けて下さい」


「ありがとうな」


◇◆◇◆◇◆◇◆

そうして、見回すと巴ちゃんが足を止めてじっと一つの商品を見ていた。


その背中に近づきながら声を掛ける。


「どう? 良いのあった?」


「あっ、優希さん。はい、これなんていいなぁと思って」


巴ちゃんの指差す方を見ると、ショーケース内にあったのは一つの大きな星の彫刻を中心に数種類の宝石が周りを囲んでいるものだった。 


「良いね、中心の星の彫刻が印象的だし、それに応じて細かい宝石が散りばめられているのに凄く綺麗に整ってるね」


「はい!なんだか私達と優希さんっぽい思って……」


「そうかな?」


「はい、中心の大きな星に周りが吸い寄せられる、なんかそんな風に見えて……」


「でも、それだとなんか、皆の分の婚約指輪みたいだね」


「はい、でも私は、その星々を支える為の居場所として、そこを守る存在になりたいなぁと思ってたので、私にはうってつけかなぁと……」


「うーん、でも俺は巴ちゃんの婚約指輪だから、もうちょっと欲張った所が見たいかなぁって思うんだ。これはなんかどうかな?」


俺が指差したのは月と星をモチーフにした指輪だった、月の中に複数の宝石が散りばめられ星の部分に大きな真珠が映える指輪だ。


「わぁ! これ素敵です!」


「もし気に入ったら、これでお願いしちゃうけど……まだ考えてて良いからね」


「わかりました!」


あとがき

作者です。

次回も指輪回です、各キャラの指輪がこんな感じでの設定です。

耀:【光】《ひかり》

→自分の名前が入ってる点とシンプルなタイプ、イエローダイヤに小さめのダイヤが両隣についていて周りを囲っている形の指輪

春華:【夢見草】《ゆめみぐさ》

→落ち着いたデザインで珍しい宝石のパパラチアサファイアが使われているから、サファイアは青の印象だけどピンクで珍しく自分と冬華の組み合わせに似てるから。

冬華:【雪花】《ゆきはな》

→ベキリーブルーガーネットを使った指輪、ガーネットとは言うが色がピンク色になるので決めた

巴:【月星】

→優希を中心に置いた星(自分達が)周りを回る事からこの名前の指輪を選んだ、使用宝石はルビー・真珠・ピンクサファイア・ぺリドット・シトリン・クリソベリルキャッツアイ・ガーネット・アイオライト・ジルコンを使用している。

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