第57話:未知の敵①
4章最終決戦入ります!!
遂に戦闘が始まり俺達が動く番になった。
「じゃあ皆!行くぞ!!」
飛翔魔法を攻撃メンバーとガリウスに掛け飛び立つ。
「「はい!!」」
「わかったよ~!」
「おう!」
「クフフ…楽しみよのぅ」
「かしこまりました!」
「旦那様、皆様、ご武運ヲ!」
「我らも行くぞ!進軍!」
ミュリが動かす軍を眼下に、俺達はぐんぐんと速度を上げて戦場の上を飛んでいく。
道中、ユフィや耀の攻撃で眼下の敵が排除される。
「お待たせ!優希!」
「お待たせ…」
「二人共、戦況は大丈夫なの?」
「ん、楔は打った」
「切り込み口もあるし順々に倒していけると思うわ!」
見ると各所で混成軍が押していて深く切り込んだ所が順々に敵を包囲して切り取っている。
――――――ドッ―――――パァン!
そしてちょくちょく高速で飛び回りながら愛銃《ヘカートⅡ》を撃ちながら飛ぶメアリーの攻撃が視界の端に映るモンスターを倒す。
「いやあ…凄いなぁ…」
「ですね…」
そうして順々に敵を排除して進んでいると山の様に大きなモンスターが突如叫んだ。
「ボアアアアァァァァァァァァ!!!!」
叫ぶと同時にその体から複数のモンスターが現れた。
「なんだぁあいつら…」
唐突にその内の1体が手をかざすと魔法攻撃を放って来た。
「ユフィさん」
「ん、やる」
『『魔力の盾よ、我らを守る壁となせ!————防殻魔法!』』
二人の前に複数の魔法陣が現れ敵の魔法攻撃を弾いていく。
「くっ…なんて馬鹿力…」
「凄い…威力…」
光の奔流が終わった直後二人の目の前に翼を生やし両手が剣になったモンスターが現れた。
「ギギギ!」
「耀!ユフィ!」
「させません!!」
二人に攻撃が届く直前、春華が相手の攻撃をはじき返す、そして神楽坂さんがその首を切り落とした。
「ギギ?」
そして大鎌に持ち替えた春華に両断され塵となる。
「ギギギギ」
「ギッ」
「ギャギャギャ」
巨体のモンスターと魔法を撃ってきたモンスターと竜人に似た形のモンスターがこちらに向かって来る。
「「「ユウキ(様)!」」」
「「「優希さん!」」」
「「「「「「「ここは任せて(ろ)!!!!」」」」」」」
「でも!」
「ほら!早く行きなさいよ!こんな奴らに負けると思ってるの?」
耀を含め皆が不敵に笑う。
「わかった!、任せた!」
俺はそのまま本体へと向かって飛ぶ。
「ギッ」
敵モンスターの魔法が飛んでくるが全て耀とユフィに叩き落される。
「あんたの」
「相手は」
「「私達!」」
後で轟音が鳴った。
---------------------------------
◇耀・ユフィside◇
優希が親玉の元へ飛び去り私とユフィさんはモンスターと相対する。
「さて…どうしましょうか…」
「速攻倒す」
「そうですね」
私達は同時に魔力の砲撃を浴びせる。
「ギギッ」
それを生身で受けて損傷しながらもモンスターは反撃してくる。
「面倒ね!」
「ん、しかも回復してる」
先程削った場所が再生してる、春華ちゃんに両断された敵は塵になったという事は…
「神様の武器じゃなきゃダメ」
魔眼を発動させたユフィさんが言う。
「そうみたいですね!」
しかも相手は飛んでるので相性が悪い…頼みの遠距離武器を持ってる冬華ちゃんは、恐らく他の奴と闘ってるだろう。となるとどうにかして叩き落としてから春華ちゃんか鈴香ちゃんかユキちゃんに攻撃を与えてもらうしか無い。
「とりあえず時間を稼ぎましょう!」
「ん、色んな魔法試す」
なら私もこいつを試してみましょうか!
空間収納から魔石カートリッジを取り出してセットするこれで威力が段違いになる。
「他の皆へ!私達は時間を稼ぎます!神様の武器を持った人は敵を倒したら教えて下さい!」
「「「「わかりました!」」」」
---------------------------------
◇春華・鈴香・ティアニールside◇
「ギギギギ」
私達の目の前には翼を生やした、まるでティアさんの様なモンスターが居ました。
「ふむぅ…ハルカ、リンカお主ら二人だけでやってみぃ」
急襲してきたモンスターを欠伸しながら止めるティアさん、そのとんでもない発言に驚く。
「このくらいなら今のお主らにでも余裕じゃよ、妾の加護も与える故勝ってみせぃ」
ティアニールさんが私達に魔法をかける。
「よし……やろう春華ちゃん!」
「そうですね、鈴香さん!」
ティアさんに重ねがけしてもらった飛翔魔法で飛び出す、まずは盾を大鎌にして投げる、全く敵の関係ない所に。
「ギギギギ?」
そこに速度を上げた鈴香さんが弾丸の様に突っ込む。
「はああああああああ!!」
「ギギギギ!」
双剣を生み出してモンスターは受け身を取るがリンカさんの攻撃で相手の両腕を肘より先から切り落とされる。
「ギギギギ!?」
腕が斬られる事は想定外だったのか驚愕した様な声を上げる。
「はぁぁ!!」
そのまま魔力で繋いでた鎌を引っ張る、お父さんから習った鎖鎌の応用だ。
「ギギギギ?」
そのまま相手の腰から下半分を真っ二つにする。
「鈴香さん!!」
「任せて!!」
鈴香さんは相手を下に叩きつける様に蹴り落とし、両手に持った剣を大剣へと変化させ投擲する。
「ギギギギーーーーーーー」
地面に叩きつけられたモンスターはその後鈴香さんの投げた剣に串刺しにされ塵となって消えた。
「やったわね!」
そのまま鈴香さんとハイタッチするとふよふよとティアさんが寄って来た。
「流石だのぅ~連携もぉ、フラフの掛け方や技術もよいのぉ~これならその内楽しめそうじゃ」
新しいおもちゃを見つけた時の様にニタニタするティアさんに私達は嫌な汗と苦笑いしか返せなかった。