第48話:異世界組の望むもの
「ユフィちゃんは何が良いかな?」
「私、魔眼が欲しい」
「魔眼ね、いいよー」
「神様?魔眼って何ですか?」
「うーんなんて言えばいいんだろう……すごい万能な魔法の補助が出来るやつって言えば良いかな?」
「そんな…曖昧な…」
「うーん…定義が無くて何でも出来るんだよね、鑑定とか千里眼とか、凄いものだと未来視や直〇の魔眼みたいな超常的なものもね」
いきなり型〇要素要素入れてきたよ。
「凄いな…それ…」
「まぁ脳に負荷がかかるから使いこなせる人は中々居ないけどね、それこそ長命種の脳じゃないと厳しかったりするよ」
「でも、脳って、同じサイズですよ?」
「うーんとね…脳のサイズとゆうか、体に対する大きさは人と同じなんだけど、使える範囲が一般的な人間とは違うんだ」
「そうなんですね…魔眼も竜種とか魔族が持ってるものばかりと思ってましたよ」
「後はエルフも持ってるけど、本当に何百年生きた人しか持ってないからね」
「ユフィちゃんは元々素質があるからね、その素質を伸ばしただけだよ」
「おぉぉ…これが魔眼…しゅごい…」
なんか、見た事無い興奮の仕方してる。
「それじゃあ次は、ミュリちゃんだね」
「特に欲しいものは無いんですよね…」
「じゃあせっかくなら魔法の素養を伸ばそうか、これで得意な魔法以外も使えるようになるよ」
「ありがとうございます」
「ミュリ、良かったの?」
「あぁ、私は今の剣と盾で満足だし、魔法鎧もユフィが更に良いものを作ってくれるだろうからな」
「ん、魔眼のお陰で、魔法式も改良できる。だからもっと良いの作る」
「うむ、任せたぞ」
「それじゃあ、最後はエアリスちゃんだね、何が欲しい?」
「そうですね…私も特には…ユウキ様の愛なら、いくらでも欲しいですが…」
「じゃあ、回復魔法の極致に至れる様に素養を伸ばそうか」
「極地ですか…」
「うん、蘇生魔法」
「蘇生魔法!?」
「まぁ制約は多いけど…基本的に死んでから24時間以内なら生き返らせられるよ」
「とんでもないですね…」
「まぁ蘇生できるからって無理しないでね、致命傷受けて蘇生しても傷が治ってなきゃ即死しちゃうし」
「わかりました」
「皆も無茶はしないよーに!」
「「「「はーい!」」」」
それからメイド長と共にユキが入って来た。
「ユウキ様!」
「あっ、こら!ユキ!」
メイド長の静止(制止)より前に俺に抱き付いてくるユキ、まぁまだ日本だと中学生になったばかりだしな…
「ただいまユキ、とりあえず話をしたいから一旦離れてくれ…」
ユキを降ろして席に着ける、すると即座にメアリーが確保していった。
「ユキさン、お菓子食べますカ?」
「えっと…あの…はぃ…」
「凄い…」
「メアリーさんがぐいぐい行ってる…」
「おねーさん…そんな趣味が…」
「メアリーはモフモフ好きっと…」
「ユウキ様ぁ…」
「メアリー、ちょっとだけユキを借りるよ」
「あぁ…」
メアリーからユキを取り上げ神様の前に一緒に座る。
「それで神様、ユキを呼んだという事は」
「そうだね、ユキちゃんにも何か力をあげようと思って。ユキちゃん何か欲しいものはあるかい?」
「力が欲しいです…ユウキ様、姫様、ユフィ様、ミュリ様。皆さんに並んで戦える力が!それに…あの時みたいに、もう置いて行かれるのは嫌なので!」
顔を上げたユキは、神様をしっかり見てそう言った。
「うん、わかった!」
そう言って神様はユキの額に触れて何か呪文を唱えた。
「はいっ、これで大丈夫。ユキちゃんは人に近い姿で【獣化】が扱えるようになったよ、それとこれはおまけね」
そう言って神様は腕輪を二つ出した。
「これは通常時にはナイフとして、獣化した時はガントレットになる武器だね」
「凄いです…」
「あれ?獣化ってユキの年齢じゃ無理なんじゃ?」
確か獣化は成人にならないとできなかったりする筈だ、まぁこの世界、見た目=年齢じゃないけど。
「うん、だから、一時的に成長した姿に変化するよ!」
「何でもありだなぁ…」
「むむむっ……」
ん?ユキさん?なにしてるのかな?
「とぉ!」
変化したユキの体に衣服が破れる音がした。
その瞬間首がバキって鳴るほどの速度でそっぽを向いた。
「うぐっ……」
でもちょっと桜色の部分を俺の目は捕らえていた。
「ユキさん!?」
「誰か!隠すものを!」
「あっ…あはは…」
「ユウキ様大丈夫ですか!?今凄い音がしましたが!?」
「あはは…大丈夫大丈夫…回復魔法使ったし…」
「ユウキ?大丈夫?おっぱいみる?」
「何言ってるんですか!ユフィさん!」
「じゃあエアリスも見せる?」
「ゴクリ…一緒なら…」
「ちょっと待てぃ!見せないで良いから!」
「はっ!そうです!駄目ですよ!」
「とにかく…ユキが着替えたら呼んで…俺あっち向いてるから…」
「わかりました…」
「とりあえずユキさん!元に戻りましょう!」
あははー大変そう…
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから元に戻りユキは予備の服に着替えた様で、俺は振り返ってよさそうだった。
「とりあえず、ユキちゃんの魔法鎧を作るから一日待っててね」
「はい…」
耳が倒れて尻尾がシュンってなっている。
「まぁ、明日を楽しみにしてるよ、皆で模擬戦もするだろうし、楽しみにしてるよ」
ユキの頭を撫でながら言うと元気になる。
「はい!かしこまりました!楽しみにしてて下さい!」
「それじゃあユキちゃんの魔法鎧を作っちゃおうか!」
「私も手伝いまス、メイド服との兼ね合いもあるでしょうシ」
「助かるよ!」
「じゃあ私も見に行くー♪」
「歓迎だ!トウカちゃんはファッションの知識が多くて助かるよ!」
三人が仲良く部屋より出て行った。
「それでは、ありがとうございます」
「いやいや~大丈夫だよ~」
「じゃあ神様またねー」
「待たね~エアリスちゃん、耀ちゃん」
そう言って神様は帰っていった。
「さて、私は軍の編成に向かうか、リンカ一緒に来ないか?」
「良いの?私が聞いて」
「出来れば書記官として付いて来てくれるとありがたい、私は苦手でな…」
「そうなのね、じゃあ一緒に行きましょう」
「助かる」
「私は、少しやりたい事がある」
そう言ってユフィはそそくさと出て行った。
「あっ、あの!メイド長さん!」
「はい?えっと…ハルカさんでしたよね?」
「はい、小鳥遊 春華です!お願いがりまして」
「ご丁寧にありがとうございます、私の名前は皆さん認知してないのでメイド長とお呼びください、それでお願いとは?」
「あの、私料理が趣味なんですが!異世界の料理をもっと知りたいんです!」
「そうだったんですね、それでは私が案内しましょう」
「はい!ありがとうございます!」
春華はそのままメイド長と出て行った。
「さて…俺はどうしようかな…」