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第41話:ユウキ、わかってない…

近衛騎士団の第二団長、泣き虫ヴォルフと戦い訓練場を壊したりユフィが作っていた魔石をオーバフローさせて壊してしまった。


早速だが俺は地獄に居る鬼の様な形相のユフィに追われていた。


飛来する魔法の矢を、魔法で切り払う、地面や森に着弾した魔法が木や地面を抉る。


「やばいやばいやばいやばい!」


(これは…転移で逃げるか…でもどこに!?)


そう考えてると魔法の矢が頬を掠める、炎を宿してたので肉が焼けた。


「いや、集中出来ない!」


集中しようにも速く、的確なユフィの魔法に集中力が搔き乱される。


身体強化と風魔法で半分飛んでるので距離は保ててるがこのままだとこの一帯の地形が変わってしまう。


「とりあえず、飛ぶしかない!」


地面を蹴りつけ、飛翔魔法に風魔法を組み合わせ大空に飛び上がる、こんな時でもなければ素直に綺麗だなぁ…と感心できたのに…


樹木を薙ぎ払いユフィも空に飛び上がってくる、おまけに魔法の矢を属性有無ランダムに織り交ぜて飛ばしてくる。


「これはまずいっての!」


【流水】で受け流しつつ避けられないのは切り払う、某ロボットアニメの様に魔法の矢の軌跡がミサイルの様に迫る。


「このままじゃジリ貧だから…」


引き付けた所にアイテムボックスから細かい魔石を取り出し、魔力をオーバーフローさせてばらまく。


すると魔法の矢が俺の魔力と勘違いして魔石を破壊する。


だがまだユフィの魔力が追ってくる。


一緒に旅をしてた時でもこんだけ怒らせることは無かったし、これだけ怒る事はなかった。


まぁ俺が調子乗って大事な魔石を壊したのが200%悪いから、今更取り付く島も無い。


何回か同じ事をして、何百発目の魔法の矢を躱し痺れを切らしたユフィが加速する。


「なっ…魔法撃って加速してる!?」


ユフィの魔改造された腕輪型の杖で魔法をバシバシ撃ちながら加速する。


「これ以上は追い付かれ……」


顔を上げると崖が迫る、加速しきってる状態じゃぶつかってしまう。


「やべっ…このままじゃ崖にぶつか…」


そう思った時には眼前に崖が来ていた。


「うおぉぉぉ!」


咄嗟に風魔法でブレーキと身体強化を使い崖を殴る。


左手が複雑骨折という犠牲になんとか止まった…が、眼の前にユフィが居る。


「フーッフーッ」


「あーあはは…」


終わった…とりあえず左手の回復だけしておこう。


いつも使ってる杖を取り出し振りかぶる。


(あの杖痛いんだよなぁ…色々尖ってるし)


衝撃に身構えていると頭をコツンと叩かれた。


「へ?」


「これで終わり、疲れた」


と言ってユフィは俺の隣に腰を下ろした。


「怒ってないの?」


「怒ってた、すっごい」


「ほんとゴメン…」


「ユウキ、わかってない、私がなんで怒ってるか」


「え?世界樹の実で作った魔石を壊したからじゃないの?」


「違う」


「えー………じゃあ帰ってくるのが遅かった事?」


「違う」


「えぇ……エアリスにスマホ買ってあげるのは…言ってないし…」


「今もう一つ増えた」


「増えた!?」


「はぁぁ…」


隣に座ったユフィが左手を握ってくる。


「ユウキ、私昔話した。魔石を壊すほどの魔力の行使は肉体を傷つける」


「そういえば、そうだった、でもなんとも無いよ?」


「表面上は。でも、体の組織や細胞が傷つくことがある、私はそれが心配」


「じゃあ、魔石の件は…」


「それはそれで怒ってる…けど、ユウキの方が大事」


「大事なら、何で追いかけ回したんだ…」


「楽しく、なっちゃった?」


「そうですか…」


「思い切り魔法、撃てたの、凄く久々だった」


「良かったの…かな?」


「ん、じゃあ帰る、転移しよ」


「了解」


ユフィん手を取る…そうだ、忘れてた。


「ユフィ」


「ん?」


ユフィの左手薬指に、神様より貰った指輪を通す。


「忘れない内にね」


「忘れてた…」


見上げると夜の帳と瞬く星が顔を出す時間だった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


それからユフィの要望でお姫様抱っこの状態で転移すると夕食の準備や諸々が済んでいた。


「あっ、お帰り~早かったね」


「うん、早々に捕まったよ」


「勝ちもうした、ぶいっ」


「ユフィーさんも、何だかんだ規格外だね」


「あはは…」


「ドヤッ」


「それじゃあ、負傷者を治しちゃおうか…」


「魔力大丈夫なの?」


「うん、ユフィが渡してくれたこの腕輪、世界樹の実を使ってるせいか魔法が使いやすいんだよね」


「ん、あれ凄く優秀、破片でも魔力効率が爆上がり」


「そうね。私もさっきから魔法使いまくってるけど、全然疲れないわ」


そう言いながら魔法で今も薪を生産してる。


「ヒカリは凄い、教えると、すぐ使いこなす」


「ユフィさんの魔法の使い方が凄く綺麗だから、簡単にわかるんですよ」


「確かにユフィの魔法って、組み立て方って凄く綺麗だよね」


「私の趣味の一つだから、そうじゃないと魔道具に組み込み辛い」


「そうなんだ」


「知らなかった」


「説明しても良いけど、また今度。今は怪我人の回復」


「じゃあ、行ってくるね」


「はーい」


「いってらっしゃい」


耀とユフィに送り出され俺は怪我人の元に向かった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「うん、ユフィが渡してくれたこの腕輪、世界樹の実を使ってるせいか魔法が使いやすいんだよね」とありますが、「せい」ではなく「おかげ」の方がいいと思います。 「せい」は「○○せいで負けた」…
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