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第35話:婚約者になっていただきたいのです。

馬車を取りに来たら色々ハプニングがあって神様を含めた井戸端会議状態になっていた。


「どうゾ、お茶でス」


「ありがとう、メアリー」


「メアリーさん、ありがとうございます」


「ありがとうございます、メアリー様」


「ありがとーメアリーちゃん♪」


メアリーがメイド長の持ってきたお茶を淹れてくれた、うん美味しい。


「とりあえず、優希君に頼まれたものはこれでOKかな?」


「はい、ありがとうございます」


「ポートはいまのとこ2個しか出来てないからこの世界と向こうの世界に一個づつ置いてね」


「わかりました」


「それじゃあ、僕は仕事に戻るよ~まだやらなきゃいけない事があるから、メアリーちゃんお茶ありがとね~」


「はイ!」


「じゃあエアリスちゃん達もまたね~」


「はい、神様もお体に気をつけて」


「はい…ごきげんよう…」


そういえば、メイド長は神様見るの初めてか、めっちゃ驚いてる。


「あれが、私達の世界の神様だったんですね…」


「そうですね、見た目は割と愛らしくなっちゃったんですよあれでも」


「最初会った時は筋肉ムキムキマッチョマンだったからね」


俺はこの世界に来る前に、エアリスは聖剣を貰う時に会っている。


「そうだったんですカ?」


「今度教会に行ってみると良いよ、マッチョ時代の神様の像があるから」


「でハ、機会があれば観に行きまス」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「そういえば。ユウキ様、盗賊の頭目を殺したそうですものね…以前じゃ無力化するだけだったのに」


「不殺を信条としてた訳じゃ無いけど、犯罪者も罪を償て、やり直す必要があると思ってたんだよ…それにこの世界は死が軽すぎてね…辟易してたんだ」


「ユウキ様は優しすぎるんですよ」


「旦那様は優しすぎまス」


「だから勇者様は悪徳な連中から舐められたんですよ」


「うっ…あの夜の事か…だから今回はちゃんと手を下したじゃん…」


「まぁこちらの世界では、どの道生かされても死刑でしたので。ユウキ様のお手を煩わせる無駄な奴等ばかりでしたが…」


「あっ…皆、死んじゃったんだ…」


「組織に使われてた者、そうなる様に育てられた者には罪が無かったので。私の方で再教育して今は私の隊で働かせていますね、首謀者は大半が縛り首か火刑でした、一部貴族も便乗していたので、いくつか取り潰しになった家があります」


一応この国では連座制はないので、貴族の家が丸々処刑される事は無いが。家丸々手を染めていた場合は別だ。そういった場合のみある一定の年齢の子供以外が皆処刑される。


一応救済措置として。母親に監視を付けて幼児が一定の年齢になるまで、その面倒を見る事は許されているが、無論そこで洗脳教育をするようなら容赦なく子供ごと処刑される。


「それもあってね、最終戦では色んな家が熱心に参加してくれたのよ」


「そうだったのか…」


確かにあれは凄かった、約数万の軍勢の移動から糧食、武器防具のメンテナンス、全く不足せずに戦えた、今思うとあれだけの軍隊の維持が出来るのは各国の協力もあったけど国内の貴族の協力が凄かったもんな。


「そこで私のお願いが、そこに近い事なんですの」


「そうだった、エアリスのお願いって何?」


「今回の事態に、各貴族が重い腰を下ろしたままなのです。他の国々は現地に来ている国もあるという事なのですが…」


「それで、この後、各貴族との会合があるのですが…」


「要求が王家に婿入りしたいという要求ばかりなのですから、正直気が進みません」


「それで、俺は何をすれば?」


「簡単です、姫様の婚約者になっていただきたいのです」


「へ?なんて?」


「姫様の婚約者になっていただきたいのです」


「なぁ、メアリー今俺なんて言われた?」


「未来の国王になれと言われましたネ」


「そこまでは言ってないよね!?」


「聞こえてるじゃないですカ」


「やっぱり気のせいじゃないのか…」


「これは、耀さんも認めてますので」


「そうなんだ、じゃあいいか」


「ユウキ様のそのヒカリさんへの信頼度は何なんですか?凄く悔しいのですが…」


「いや…幼馴染だし…多分両親よりも俺の事見てるから…」


事実、耀は俺のほくろの数も知ってると思う。


「ぐぬぬ…」


「耀からの許可出てるなら話は早いな、とりあえずこっち来て」


「はい…」


空間収納アイテムボックスから神様謹製の指輪を取り出してエアリスの右手を取る。


「婚約指輪また別の機会だけど、これがあればエアリスの場所へいつでも行けるから」


「あ、勇者様、婚約指輪じゃないなら別です」


「あれ?そうなの?」


「えぇ、ユウキ様の世界の事を聞いて皆、婚約指輪や結婚指輪が流行ったのですよ。装飾品の指輪は左手に着ける様になってます、相手と手を繋ぐの際に女性の婚約指輪は右手に着けるて相手の心臓とより近い場所にという風習が生まれました」


「そうだったんですね、じゃあ左手に着けとこうか」


「はい…お願いします」


首筋まで赤くなったエアリスの左手薬指に神様からの指輪を通した。


「これデ、新たに旦那様によっテ、手籠めにされる女性ガ…」


「パーフェクト女たらしですね」


「ユウキ様の旦那様~♪」


まぁ…楽しそうだからいいか…


◇◆◇◆◇◆◇◆


それからメアリーの荷物を仕舞い、ポートを空き部屋に設置し終え、準備を整える。


「そうでした勇者様、こちらの魔法鎧を」


メイド長が簡易型の儀礼用魔法鎧を差し出してくる。


「肩に簡易的な鎧とマントが現れますので、会議の間発動しといて下さい」


「わかりました、あぁこれ以前の式典で付けてたやつですね」


ブローチを着けて魔法鎧を発動する、すると膝裏ぐらいまでのマントと肩に鎧が現れる。


「なんか言ってよ」


「いえ…」


「これハ…」


「ちょっと」


「火力高いわね」


「よくわからないけど…似合ってない?」


「いえ…」


「かなリ」


「似合ってますよ」


「そうか、ならいいや。ありがとう皆」


――――カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ


「ちょ!何枚撮るの!?」


「っは!?つ…つイ!」


「メアリーさん…後でシャシンというものにしてもらう事はできますか?」


「わかりましタ!皆さんにハ…送レ…無いですよネ」


「おいおい、まてまて」


「駄目ですカ?」


「うっ…」


「仲間内だけなら許す…」


「ありがとうございます!ユウキ様!!」


エアリスに抱き付かれ柔らかい感触が潰れる、これ…着けて!?


「旦那様、顔がスケベですヨ」


「あっ、はい。スミマセン」


「まぁ、いいです。今は時間がありませんので」


俺から離れたエアリスは、猛禽類が獲物を見つけた様な鋭い目をしていた。

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