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第29話:雛菊さんを助けに行こう!

尋問された山賊の情報によると、ここから大体50㎞程離れた場所にアジトが位置してるとの事だ。


「場所はわかった、乗り込む?」


「うーん…とりあえず皆と話し合おうか」


「ん、じゃあ行こう」


それからユフィの家に帰り、事情を話すと全員が行くと声を上げたので準備をする。


「それじゃあ、私は馬車を借りて来よう」


「私も行くー買い出しも必要だし、春華メモある?」


「すぐ作るね、それと私はお弁当を作ります!」


「私も買い出しの手伝いに行きますね、護衛や荷物持ちは一人でも多い方が良いでしょうし」


「じゃあ俺は…」


「ユウキは私と魔石の調整、耀は杖を作る」


「わかったわ」


「オッケーじゃあ、早めに終わらせよう」


「「「「「おー!!」」」」」


それから耀と共にユフィの部屋に入り木材を出す。


「ヒカリ、魔法の杖は、何を思い浮かべる?」


「魔法の杖……むむむ…」


「何でもいい、オリジナルでも、物語に出て来るものでも」


「何か印象に残ってるのとか無いの?昔見たアニメとか」


「昔見たやつ…あぁお父さんが見てた奴にしよう!」


「じゃあ形を想い描いて…これに魔力を通して…」


奥にあった本が積まれてる、なんかごっつい機械の布が外されて中身が出てきた。


「これ何?」


「魔法旋盤、昔私が杖を作る時に使った」


ユフィの杖は先端に加工した魔石を嵌め込み周りを細い木材で囲ったものである、うどん位の細さの木材は、折れなくて殴っても壊れない程頑丈だった。


昔、フルスイングしたユフィの手からすっぽ抜けて俺の顔面を直撃し、俺の前歯を折った功績がある、精巧だったし専門の人が作った杖だと思ってたんだけど自作なのか。


「それ…ユフィが作ったんだ、凄く精巧だったから専門の人が作ってたと思ったんだよね」


「うん、自作、ドヤッ」


胸を張るユフィ、デカπが主張されて目が良く。


「優希…見すぎ…」


「ごめん…」


「とにかく、ユウキは木材をセットして」


「了解」


「それじゃ、ヒカリ、れっつごー」


耀が魔力を流していくと魔法旋盤が回転…したと思ったら持つのに不要な部分が切り落とされた。


「え?なにこれ…すご…」


「風魔法の応用、本来の魔法旋盤に、特殊な改良を加えた」


「やっぱり、ユフィは凄いな…」


「そして、ここからが本領発揮」


見ているとアームが出てきて細かな彫刻や細部の形を削り始める。


「なんか…見た事あるけど…子供の時に魔法少女というのだけでおじさんが間違えて買ってきた奴のじゃないか…」


「ふぅ…出来た」


「すごい、ヒカリ、カッコいい形」


そうして耀の手には【レイ〇ングハート】が握られていた。


「よしっ!出来た!」


「よしっ!じゃないよ!?」


「えぇー良いじゃん!」


「私の戦闘スタイルの元だもん!それにほら!変形したり、稼働するんだよ!」


「わぁ!変形する!ってそうじゃない!」


「何よー良いじゃないの~」


「ん、可動するの凄い!」


ユフィが変形したり可動する杖を見て喜んでいる。


「いいのかなぁ…そう言えば、何で木を入れただけで色着くの?」


「面倒だから、色付けも出来るようにした」


「そうなんだ…」


「まぁ、無事できて何より」


「ユウキ、後は春華達用の、魔石作る」


「了解」


「じゃあ私は春華ちゃん手伝って来る~♪」


ご機嫌な耀は部屋からルンルンしながら出て行った。


それから夕方になり出発の時間になった。


「よし、じゃあ、行程の確認だね」


「盗賊団の場所はここから約50㎞程の場所、到達予定は明日の昼前で馬を休ませる為に道中1泊する。野営の準備は…大丈夫そうだな…」


寝袋やテントを持ち込んで準備万端である、荷物は軽量化の為に俺が空間収納アイテムボックスに仕舞うつもりだ。


「それじゃ、出発しよう。」


皆で馬車に乗り込みミュリが馬の手綱を引く、城門では衛兵のおじさんたちが総出で見送ってくれた。


「じゃあミュリ、頼んだよ」


「任せてくれ、これがあるから安全だろうし」


そう言ってネックレスを取り出す、世界樹の実を加工した際に出た破片で作った矢避けのネックレスだ。


着けているだけでハンドガンの弾程度なら弾ける代物だ、当然馬にも着けてあって馬の場合は額の部分にある馬具についている。


そうして3時間程で休憩場所に到着した、柵と門を小さな堀とそれ渡された橋で囲んた休憩地である。


到着すると、詰所に居たリーベルンシュタイン国の兵士が二人出て来る。


「おい、お前達、一旦馬車を降りるん……グロウナイト卿!?」


ミュリに気付いた兵士達がピンと背を伸ばす。


「楽にしてくれ、今は公的な仕事では無い」


「「はっ!」」


「中の検分だな、この者たちの護衛で荷物が多いが心配しないでくれ」


「かしこまりました、食材と…寝具などですね」


「ああ、ユフィと私と姫様の共通の友人でな、出来れば他の者たちは秘密でな」


「かしこまりました!」


「それと、最近盗賊の事件が多い様で、お気を付けを」


「ありがとう、お前達も気を付けてくれ」


「「はっ!」」


そう言って帳簿への記載を終えた二人の兵士は、詰所に入って行った。


「ユウキ、あの者達は?」


「大丈夫、鑑定したけど問題のある人は居なかったよ」


「そうか、ありがとう」


(一人の状態が軽い酩酊だったのは黙っておこう…)


それから降りてテントの準備をする、ミュリは馬を馬房に繋ぎに行く。


「夕食は焼き物が良いですね、お肉を焼いて、おにぎりとパンで済ませましょう」


「じゃあ私は春華ちゃんの手伝いを」


「じゃあ私は寝る所を整えて来るかな」


春華の号令と共に皆が動き始め、夕食と荷台に寝台の準備を整える。


「じゃあ俺は竈でも作るか…」


土と火魔法で竈を作り用意していた網を上に載せる。


「準備できたぞー」


「「はーい」」


「こちらも準備、出来ましたー」


それから夕食を食べ終え、皆が就寝に入る。


「それじゃあ俺がまず、夜番に入るわ」


「わかったわ、次は私とユフィさんで入るわ」


「じゃあ最後は私とリンカで入ろう」


「え~私達は?」


「お任せするのも悪いです!」


「まぁ時間的に、約3時間交代になるから、その代わり朝食を頼んだよ」


「わかりました!頑張ります!」


「任せてよー」


そう言って各々が就寝に入って行った。

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