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第20話:魔法鎧のお店へ

酔蓉さんのお店から、ミュリの行きつけの魔法鎧のお店までは都市内を通行する馬車に乗る必要があるので、乗り合い馬車に乗る。


中には老夫婦と武具の入れ物を持った探索者の男性が既に座っていた。


「おじゃましまーす」


そう言って皆次々と乗っていく、春華と冬華が老夫婦ともう仲良くなっている。


探索者の男性はミュリの姿に驚いていて、変な人を見るような顔をしていた。


馬車の内装もクッションがしっかりとしていて座り心地は悪くない、窓も取り入れられていて天井にあるおかげか車内に光が採りこまれてて明るい。


昔乗った馬車と違うものに驚きつつも時間になり馬車は出発する。


「そう言えばミュリ、この都市大分様変わりしたけど何があったの?」


「あぁ…それはな、ユウキが初めて来たのが2年前だろ、あの時に色々と話してくれたおかげで区画整理?ってのがされてな。都市の中央から外に向かう馬車、各区を回る形で配置された乗合馬車が考案されて、それに応じて店を配置し直したんだ」


「へぇ…」


確かにこの大通りは馬車2台がすれ違いながらも通れる様になってるし。それでいてお店の前にしっかりと歩道が確保されている。


「それにこの区間を行き来する馬車も無料で運営されていてな、車体は馬車工房の宣伝も兼ねているんだ。御者もその工房のベテランがやっていてな、おかげで売り上げも伸びているらしい」


「へぇ、すごいなぁ」


「全部、ユウキが居たからここまで来れたんだよ」


「そっか、なら良かったよ」


◇◆◇◆◇◆◇◆

『なーんかあの二人良い感じよね』


『はい』


『むーずるいなぁ…』


『まぁまぁ、あの二人は師匠と弟子だし思う所があるんでしょ』


『でも、おにーちゃんも、何で気付かないかな…ミュリさん女の顔してるのに…』


『まぁ、優希は恋愛関係に超絶鈍感だしね…』


『でも、そこは本人次第じゃ…』


『ふーん、そう言う鈴香も優希とはどうなのよ?』


『えっ!?ど…どうって』


『優希の事好きなんでしょ?』


『!?!?!?』


『ばればれ…ですね』


『うん、ばればれだったよー』


『まぁ、あのダンジョンで何があったかわからないけど、私達は鈴香なら大丈夫だと信じてるわ』


『鈴香おねーちゃん早くしないとどんどん増えちゃうよ?』


『鈴香さんファイトです!』


『あうあうあう…』


『いい?この世界じゃ、優希は世界を救った英雄よ、王都に行けばライバルもといワンナイト狙いが増えるわ、私達で周りも固めたいし。さっさと決めてもらえると嬉しいかな…』


『割と…切実なんですね…』


『悲しいけど、私達の旦那様はこの世界じゃ、元の世界より有名だからね』


◇◆◇◆◇◆◇◆

とまぁ全部聞こえてるんだけど…どうしたもんかなぁ…


一応神楽坂さんとは話合ってて元の世界に戻ってから正式に告白したいと言われてるんだよなぁ…それまでは友達関係でと言う話で纏めちゃったし…


嬉しくない訳無いしあれだけひたむきに頑張ってきた子だから答えるのはぜんぜんOKなんだけど…


問題はミュリなんだよね…師匠としてのミュリと戦友としての聖騎士キャルバリアの部分を知っている。


ミュリが嫌いかと聞かれるとそんな事は無いけど、元々あの時はエアリスしか目に入ってなかったわけだし…


俺自身でも決めて行かないといけないか…


そんな事を考えてると一つ目の中継地点に着いた、ここで乗り換えの様だ。


「ほら、ユウキ!降りるぞ!」


考え事をいつの間にか皆降りていた。


「あぁ、ゴメン」


「危ない!」


「いてて…」


ぼーっとしてた為か降りる為の階段を踏み外してしまった。


「まったく…気を付け…っ!?」


目を開けるとミュリの胸に顔を突っ込んでいたらしい。


口元が出ていたマスクはフルフェイスになり首元まで真っ赤になっていた。


立ち上がりミュリを引っ張り上げる、その手すら熱くなっている。


「あーゴメン…」


「……!!!」


これは完全に俺が悪いのでどうしようもない…


「あー優希…お取込み中悪いんだけど…目的地の地区行の馬車もうすぐ出るって…」


その言葉にはっとする俺とミュリ。


「やばい!急ごう!」


「!!!!」


「おにーちゃん早く!」


「もう出てしまいます!」


「御者さん少し待ってて下さい!」


「乗りまーす!」


そのまま俺達はあわてて馬車に乗るのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

慌てて乗った俺達はそれから3つ先の降り場で降りた。すると目の前に、ドでかなミュリの甲冑があった。


「えっと…ミュリ聞いていいか?この店が目的の店でよかったのか?」


「??????????????」


仮面付けててもわかるぞ「あっれーこんな外観だったっけな?」とか言ってるのが…


「とっ…とりあえず…お店に入ろうか…」


扉を開けるとそこは……いたって普通の魔法鎧店だった。


試着用の魔石を付けてない既製品から、2階の階段を上がった棚には【裁縫師】が編んだ布がロール状になって入っている。


カウンターの奥には魔石の種類と色が揃えられていて様々な色から選べるようになっている。


「わぁ…凄い」


「これは…凄いわね…」


「めちゃくちゃ可愛い服がいっぱいある!」


「ちょっと冬華!走ると危ないよ!」


「えっと…ここで大丈夫そう?」


そうミュリに振り返って聞こうとしたら奥から声がした


「あ~んらぁ、ユミュリエルちゃんじゃないのぉ~どうしたのその鎧?」


出てきたのは銀髪タンクトップの男性だった…


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