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第16話:これからの指標

今月いっぱいは毎日2話投稿をします!

朝のひと騒動が終わり、皆で朝食を食べた後。今後の指標を決めることになった。


「今、目下の問題は優希さん達の魔法鎧と耀さんの武器ですね」


「ん、今の所急いでも全員分の魔法鎧を作るのに1週間はかかる」


「それと、王城から聞き及んでる最前線の場所まではおおよそ4日の距離ですね」


「大分近くない?」


「そのダンジョン都市が近いのもありますが。包囲して抑え込みに時間がかかっています。それに王城からダンジョン都市までの直線上には大きな砦がありますからそこが反撃の起点にして包囲戦線を構築してる状況ですね」


「あぁ…あそこの砦か、早めに参戦はしたいけど。あそこなら数万のモンスターが押し寄せても堪え切れるよね」


以前突如発生した上級ダンジョンで発生した魔物暴走スタンピード、その波を受けきった砦が今回最前線になっているようだ。


「そうですね、ですがなるべく早く救援には行きたいので各自行動を分けましょう」


エアリスの言葉に全員が頷く。


「それじゃあ。春華と冬華、神楽坂さんは先にミュリと共に魔法鎧の作成だね」


「「わかりました」」


「りょうか~い!」


春華、冬華、神楽坂さんはいつもの調子で


「任せてくれ」


未だに顔が真っ赤なミュリが頷く


「それじゃあ、耀と俺とユフィはこの森で耀の杖を作るための素材探しだな。見つかり次第、転移でミュリのグループに合流するよ」


「私の杖って必要なの?」


「ん、ヒカリの魔法、まだまだ良くなる。その為に、杖が欲しい。今のままじゃゴリラ」


「ゴリッ…わかったわ、魔法はこっちの世界の人のが一日の長があるしね」


「エアリスとユキとメアリーは…どうする?」


「私達は一度、王城に戻ります。馬車の手配もしないといけませんし」


「馬車の手配?それなら転移で良くない?」


「確かに転移は万能ですが。万全を期して臨みたいので、馬車を用意したいのです。特にユウキ様は、この戦いの要になるでしょうから」


「わかった。メアリー、ユキとエアリスの事頼んだ」


「かしこまりましタ、旦那様」


「ユキも頼んだよ」


「はい、ユウキ様」


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから魔法鎧組と王城組が馬車に乗り出発していった。


「さて…じゃあ耀の杖の素材を探しますか…」


「ん、今回はヒカリも優秀だから、多分5日で終わる」


「ちょっと待って?優希、ユフィさん、探すって…そこらの樹とかじゃダメなの?」


「そこは俺も良くわからないけど、ここの樹って一本一本纏ってる魔力が違うんだ、だからそれの相性が良くないと駄目みたいなんだ」


「ん、正確には相性が良いと増幅、悪いと反発って感じ」


「へぇーって、ここの森全部を探るの!?」


「まぁ…うん…頑張れ」


「仕方ない、頑張れ」


「何か方法は無いの?」


「ある…と思う。試してみないとだけど」


「私もそれ、気になる」


「じゃあやってみましょうか」


「【探知魔法…広域】」


魔力を広く広く、薄ーく広げる、相性の悪い樹には反発され、相性の良い樹には魔力が浸透していく。


「うん、出来そうだね」


先程やった広域探知で出来たやり方を耀に伝える。


「やってみるわね…【広域探知】」


すると耀の魔力がするすると広がっていく。


数分立つと耀が「ふぅー」っと息を吐く。


「どう?見つかった?」


「何個か良さそうな手応えはあったんだけど…しっくりこないのよね…」


「それだと、ダメ。杖が耐えられない」


「そうなんだ」


「うん。それにしてもその魔法凄い、使えるユウキにヒカリも」


「まぁ、ユフィの捜し物探しの魔法から、俺の世界のレーダーをイメージして改良したからね」


「レーダー?」


「あぁ、こっちの世界の兵器だね」


「ん、イメージしてみる」


今度はユフィの魔力が波ではなく枝の様に広がっていく、そしてある程度進むと先端から魔力が波の様に広がる。


「すごい…」


耀がポカーンとしてる。


「ん、出来た。ありがとユウキ」


「なんか俺達のより凄いんだけど…」


「違った?」


「うん…違うけど…そっちのが探し物するなら良さそうだね」


「えへん」


大きな胸を反るのでめちゃくちゃ強調される。


「ゆ~う~き~」


流石にガン見してたら怒られた。



◇◆◇◆◇◆◇◆

それから、場所を変えて早5時間。最早歩く方が長くなってる。


「ふぅ…ここまで無いと…キッツイわね…」


「ここまで無いもんなんだな…」


「でも、ペースは速い…私がこの杖を作る時は2週間かかった」


「にしゅ…そんなにかかるの? 」


「あの時は俺も傷を癒してて、療養も兼ねてたからね」


「ん、それもあるけど。1週間私は寝ずに探した」


「1週間も…」


「大丈夫、ヒカリは優秀、もう森の半分は見てる」


「そんなに終わってるの?」


「ん、実は最初の位置で、ヒカリの魔力に耐えられないなら。森の深部に向かうしかないから」


「そうなんだ、通りで段々歩きづらくなってるのね」


「そう」


「耀。きついなら、おんぶでもしようか?」


「うーん、もう少し疲れたらお願いするかも」


「じゃあ、私が」


そう言ってユフィが背中に乗って来た、おおきな胸が背中で潰れる。


「ちょ!ユフィ!まだ歩けるんだろ!?」


「歩けるけど疲れた、私身体強化苦手だし」


「それは知ってるけど!」


「なので魔力補充」


「ねぇ優希、私も疲れたから、抱っこして?」


そう言って耀が抱き付いてくる、形のいい耀の胸が俺の胸板で歪む。


「ちょちょちょ!?流石に歩きづらい!!二人共降りて!」


「い~や♪」


「嫌」


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから休憩を入れて歩き出すこと3時間森の奥に辿り着いた。


「ん、ここが最奥」


「最奥って割には木漏れ日も差してるし…綺麗だね」


「うん、ここはエルフのお墓だから」


「え?」


「ヒカリ、こっち」


そうしてユフィが1本の樹の元に行く。


「これに魔力流してみて」


「うっ、うん」


そうして耀が魔力を流すと、その樹が光輝いた。


「わぁ…綺麗」


「やっぱり、この樹だった」


「やっぱりって…思い当たる節でもあったの?」


「うん、だってこの樹は、始祖様の樹だから」


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