|幕間 |①:春華・冬華・ユキの部屋へ
作者です。
幕間を読む順番はどの順番でも大丈夫な様に書きました!
初めての試みデス!
春華と冬華・ユキの部屋の部屋に来た、ノックして反応があったので扉を開ける。
「あっ、やっぱりユウキ様だ!」
「優希おにーちゃんだ!」
「凄いですね…二人共…」
耳をピコピコ動かすユキと、目にも止まらないスピードで飛んでくる冬華。
「春華、冬華、お待たせ。ユキただいま」
「もう、お話はよろしいので?」
「うん、終わったよ。今は皆の部屋を回ってる所」
「お帰りなさいませ、ユウキ様」
「ユキ、体調は大丈夫?何かあったら言うんだぞ」
「はい、大丈夫です」
「おにーちゃん、お菓子出して!ユキと一緒に食べる!」
「うーん…とは言っても夜も遅いしな…少しだけだぞ」
「優希おにーさん!?」
「大丈夫、大丈夫。食べたら歯を磨くんだぞ」
「はーい」
ユキは冬華のテンションに付いて行けないのか少しおろおろしている。
俺としては二人共ユキと年齢が近い為、仲良くしてほしいと思っている。
空間収納より日本のお菓子を取り出す、ブ〇ボンのアソートの奴にした。
「これが良いんじゃないかな?色々入ってるし」
「「わぁ」」
途端に目が輝くユキと冬華。
「優希さんお茶のセットも良いですか?」
「緑茶?紅茶?」
「緑茶にしましょうか、チョコレートが多いので。合わせるにしても紅茶の種類が足りませんし」
「了解、ウォーター」
取り出したポットに熱いお湯を注ぎ入れる、3分の2くらいの位置で水を入れて温度調整する、緑茶だと少し熱いくらいが理想だった気がする。
「はい、春華、これがお茶っ葉で。こっちがお湯、温度は大丈夫?」
「触った感じ、このくらいなら最適ですね、もう少し熱くても良いですがあまり熱いと苦味と渋みが出ちゃいますので」
そのままてきぱきと急須に入れお湯を注ぐ、少し蒸らして丁寧に淹れる、本当に様になってるなぁ。
そうして4人分のお茶が出されお菓子が広げられる。
「そう言えば二人は、ユキと自己紹介はした?」
「はい、しましたよ~」
「うん、したよー」
ユキは初めての日本のお菓子でテンション上がったのか、お菓子を両手に持って目を輝かせコクコクと頷いている。
「ユキ、美味しい?」
お菓子を飲み込んだユキが驚いたように答える。
「はい、ユウキ様。甘いも少し苦いも、サクサクもしっとりも、ふわふわも全部美味しいです」
「そうかそうか、良かったな」
わたわたと年相応の喜びを見せるユキの頭を撫でてると、冬華が隣に座ってくる。
「冬華、どうした?」
「むぅ…優希お兄ちゃん、ユキばっかり構いすぎ~」
「ごめんごめん、冬華もかわいいぞ~」
「むぅ…何か適当…だけどまぁこのくらいで許そう」
撫でられて機嫌が良くなったのか冬華の表情が和らぐ。
冬華を撫でつつお茶を飲んでいると、お茶がなくなったタイミングで春華が入れてくれる。
「ありがとう、春華」
頭を撫でると、春華は顔が赤くなる。
「い…いえ…こちらこそありがとうございます…」
「むぅ…手が止まってるぞー」
「ごめんごめん」
冬華へのなでなでが止まると催促してくる、珍しく甘え調子な冬華である。
「それじゃあ、お菓子も食べ終わったし。皆、歯を磨いてきなさい」
空間収納から歯磨きセットを取り出し言うと、洗面所へ向かって行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから一番に戻って来た春華と二人で片付けに入る。
「ごめんね、春華。手伝ってもらっちゃって」
「大丈夫です…私も優希さんと一緒に居れるので(ボソッ」
「そうか、よかったよ」
春華に水魔法で出してる水で食器を洗い、洗い終わった食器を火と風魔法を合わせた温風を出して乾かす。
それが終わったら春華に食器を纏めてもらう。
「優希さん終わりました」
「ありがとう、春華」
「いっいえ…あの!優希さん!」
「ん?どうした春華?」
無言で春華が飛び込んで来たので支える。
「少しだけ、こうしてていいですか?」
「あぁ……良いよ」
その後、少しの間春華を撫でつつ抱きしめ返したりした。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから戻ると冬華が春華を伴い出て行った、どうやら耀の所に行ってくる様だ。
少しだけ……いや、かなりユキがチラチラ見て来る。
「ユキ?」
「ひゃ、ひゃい!?」
「どうした?何かあった?」
「いっいえ、何もないです…」
そう言ってユキがしょんぼりする、耳としっぽがヘタレる。
「そう言えばユキ、戦えるようになったんだな」
今日の事を思い出し、言うとユキは、ぱぁっと明るくなると同時にしゅんとなる。
「ありがとうございます。でも…負けてしまいました…」
「俺が帰ってからでしょ?それなら十分な実力だよ」
ああ見えて近接も強いメアリーに、押し合いに持っていくくらいなので優秀だろう。
「あっ…いえ…実は…ユウキ様が邪神を倒す少し前に位からです…メイドの授業と一緒にやってました」
「それでも十分だよ、ユキは頑張ってるね」
頭を撫でていると涙が滲んだユキが頭をぐりぐり押し付けて来る。
そうしていると、二人が戻って来た。
「あーユキずるい~」
そういって抱き付き、頭をぐりぐりしてくる冬華。
「わ、私も!」
そして春華も抱き付いてきて押し倒された。
「わわっ」
「きゃー♪」
「きゃっ」
「へへーおにーちゃん」
「おっ…おにいさん」
「ユウキ様ぁ…」
そのまま3人が寝付くまで甘やかしタイムに入るのであった。