第2話:完・全・復・活!
それから俺は世界樹の湖にひたひたに浸けられ、4日程すると体がしっくりくるようになった。
「うん、定着したね。これなら大丈夫」
何故かナース服のコスプレをした神様にOKを貰い俺は服を着る。
「そうそう、里菜ちゃんのご両親この世界で生きてるからね」
「え?」
何か今さらっと重要な事言わなかった?
「昔説明したけど、転生させる過程で幸福になる様にしてるんだけど、その過程ですぐに生まれ変わるか、この世界で残りの寿命を使ってから転生するかっていう事でね、里菜ちゃんのご両親は二人共この世界で生きる事を望んだよ」
「でも、それをどう説明すれば…」
「あー、ほら。会長にも言われたでしょ、貰った力をしっかり使えって…」
「でも…この場合って…………あっ!鑑定か!」
「うん!前々から使いなよ!って思ってたんだけどね…やっぱり忘れてたんだ…」
「あー……あはは…」
「はぁ…まぁ使ってみなよ…」
「そうですね…鑑定」
「えっと…なになに…身長が!伸びてる!185cm!?3サイズはいいや、BMI値まで出るんだ…TAN◯TA顔負けやん…」
「そこは後にしなよ…それより、魔法のとこ!」
「えっと…各種属性魔法に、回復魔法に、強化、『時空間魔法』に…『時空間魔法』!?」
「そうそう、時間跳躍とかはできないけど、アイテムボックスとか転移なら使えるよ」
「えぇ…ソレって使えた事無いんだけど…何で?」
「あぁ…それは耀ちゃんが素質めちゃくちゃ高かったんだ。ほら、覚醒したときのあの攻撃あれ、空間魔法も使ってるからね」
「あぁ…確かに…異常な当たり方してたな」
「それと、君の能力はハーレムメンバーに君の能力を与える事でお返しをもらうからね、考えてみなよ、『回復』魔法で新しく完璧な状態で手は生えないし、火傷で死んだ細胞の回復ならまだしも髪を育成するなんて、それに肉体丸々『復元』は出来無いでしょ」
「確かに、回復ってよりは復元してるな事はあったわ」
「と、言う事で君は世界を渡る力を得たんだよ」
「はい?」
なんかまた爆弾発言が…
「とりあえず僕は鈴香ちゃん見てくるねー」
「え?ちょ!?待って!」
行っちゃったよ…まぁ…色々やってみるか。
先ずは…『アイテムボックス』からやってみるか。
手近にあった石やきのこを異空間に入れるように念じる。
「あっ…入った」
手元から消えている。
次に取り出すように念じる。
すると手元に現れた。
「便利っちゃ便利か…」
その後色々試してみたが。
・範囲は最大2m
・生きている生物は不可(そこら辺の虫で実験した)
・魔力消費は微々たるもの
・魔法はしまえない。
・水等の液体は入れ物に入れないと出す時に悲惨。
・容量は不明
「ざっとこんなものかな?」
頭の中で纏めていると扉がノックされた。
「どうぞー」
おずおずと入ってきたのは神楽坂さんだった。
「久しぶり、体調は大丈夫?」
「えっ、上凪さん?えぇ…」
「なら良かった。それで、どうしたの?」
「えっと…起きたら知らない場所だったんだけど…ここはどこかなぁ…って」
「えっと、説明はされた?」
「まぁ…一応は…だけど信じられなくて…」
「まぁ、信じられないよね」
「上凪さん?は慣れてますね…」
「この世界二度目だし」
「はぃ?」
何言ってるの?みたいな顔をされた。
「やっぱり貴方上凪さんじゃない様な…」
「どうして!?」
「それだけ成長してたら誰かわからなくなりますよ…」
「そうか…俺この世界で5年は活動してたからね…」
「5年!?じゃあ私達のいた世界は!?」
「あぁ…それは大丈夫、前に俺がこの世界で活動してたのが5年ってだけで、神楽坂さんがこっちに来てからまだ1週間くらいかな?」
「そうだったんですか…って心配しても、帰れないですもんね…」
「多分、帰れるよ?」
「え?」
「転移って魔法覚えたしね…」
「それじゃあ帰れるんですね…」
「でもその前に…神様見てますよね?」
「見てるよー」
「ここに呼んだのって何が理由がありますよね?」
「そだねー、仕事をひとつ受けてほしいんだ」
「仕事ですか…内容は?」
「それはそろそろ向こうからくる頃かなぁ…」
神様が部屋の扉を見ているとエアリスが慌てて入って来た。
「ユウキ様!大変です!って…あれ?皆様お揃いなんですか?」
「エアリス、どうした?」
「それがですねユウキ様、半月ほど前から我が国の南西方向に存在するダンジョンの都市付近に謎のモンスターが襲撃してきまして、元々父が視察と対策の為向かったのですがどうも旗色が悪く…」
「だから城から出る時居なかったのか…OK任せてよ」
「一応里長も出られるみたいで、3日後出発するようです。」
「それってけっこやばい状況じゃない?」
「そうですね、我が国の魔法使い達もやられてますし、該当地域の住民も逃げたのですが1割ほどが踏みとどまり戦いその半数が命を落としました」
「そっか、じゃあ頼りになる戦力を確保しに行こうか……」
「戦力ですか?」
「そそ、ここにも心強い仲間がいるけど、俺の世界にも頼れる仲間は居るからね」
そう言うとエアリスがジト目になる。
「それは、女性ですか?」
「そうだけど…」
「むぅ…」
何でエアリス膨れてるんだよ…
作者です。
異世界編入って唐突に主人公の超強化が知らされる事に…
実は2章の終盤での子供の体を丸々再生するとかメアリーの髪を伸ばすとか諸々仕込んでました。
実は主人公自体も俺TEEEEE系の主人公レベルに強くなってますが…無自覚ですから…順々に能力を自覚してもらいます。