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プロローグ:こちらの世界のその後

メアリーが命懸けで送り届けてくれた映像を見て、私達は全身の血が引くような感覚がした。


◇耀side◇

「巴ちゃん、綴さん。この映像をSNSに流してください」


「良いの?」


「良いんです、これが優希の作ってくれたチャンスだから生かさないと」


優希は死んでないと確証できる、神様がくれたリングが優希の生存を保証していると感じれる。


「優希は死んでないです、多分他の皆も判ってるはず」


「そうですね、優希さんは死んでないと思います」


「はい、そうですね…わかります」


「そうだねーおにーちゃんの事だしとんでもな方法で帰って来るよ」


「ちょちょ、皆…どうしちゃったの?」


「大丈夫です、気なんか狂って無いので!」


それにしても、優希とメアリーの事をこんなにした奴をぶん殴らないと気が済まないわね。


仮説の作戦所を出ると春華ちゃんと冬華ちゃんが付いてきた。


「私も行きます!」


「私も一発ぶん殴らないと気が済まないよ」


「巴ちゃんは?」


「メアリーさんの容態を見つつ手当してくれてます」


「そう、メアリーにも生きててもらわないとね」


「そうですね!」


「また、ライバルが…」


「良いでしょ、優希は平等に愛してくれるんだから」


「そう言いつつ耀おねーちゃんは正妻ポジ譲らないんだから」


「そりゃね!私が優希の事10年以上狙ってたんだから!」


「あはは…」


「こりゃ勝てないよ…」


そう笑っていると周りに探索者達が集まってきた。


「おう、嬢ちゃん、手伝うぜ」


「英雄様には命を救われたからね」


「仲間の命を救ってもらった恩は返さないとな!」


皆口々に優希への感謝を伝えてくる。


(優希、貴方の優しさがこれだけの人が助けてくれるんだよ…)


今ここに居ない愛しい人を思いながら彼の意思に向き合う。



◇◆◇◆◇◆◇◆

そうして30分後、屑野郎が息を切らしながら出てきた、又何人か殺したのか返り血に濡れている。


「皆、どうしたのさ?」


あぁ…その顔だ…その顔でいつも優希の事を馬鹿にして…


「なぁ!耀これはどうゆう事?」


「黙れ……」


自分でも思ったより低い声が出た、春華ちゃん達が若干驚いてる。


「どうした?何を睨んでいるんだ?なぁそんな怖い顔しないでさ!」


近づこうと一歩歩いた瞬間前に転んだ、見ると右足が膝から無くなっていた。


冬華ちゃんの矢が奴の足を削り取った、咄嗟に私は死なない様に傷口を焼く


「は……?いだいいだいあいあああああああああああ」


犯人が分かったのだろう、冬華ちゃんに向け吠え始める


「クソガキがあぁあああああああああああああああ誰を撃ってると思う!お前の家なぞ即潰してやるからなあああああああああああああああ」


立ち上がろうとした瞬間傍に寄っていた春華ちゃんの一撃が弾きとばした。


「ゴぎゃあぁ」


ついでにぐちゃぐちゃになった残りの足と腕を魔法で切り落とす。


「くふぉかあああああああ」


立ち上がろうとするがそりゃ腕が無いんだから立てる訳が無い


近づいて行き奴の頭を持ち上げ目線を合わせる。


「私は貴方を殺さない、優希を殺した報いは受けてもらう」


そうして片手で持ち上げ、死体袋に詰め込むとそのまま投げ捨てた。



◇◆◇◆◇◆◇◆

それから1週間、私達は警察の事情聴取から解放された、まぁ頭に血がのぼってやり過ぎたのはあるから甘んじて受けていたけど。


この件は特に報道などもされずに、暴走した相手を抑え込む為という事で片付いた。


正確には報道されたけどすかさず久墨のお爺さんが握りつぶしたのが正しい。


「まぁそのお爺さんも今や時の人だけどね…」


なんと、今までに起こした不正や握りつぶした刑事事件の情報がどんどん出てきたのだ。


特に話題を呼んだのがハーメルン事件の際、事前に久墨が手柄欲しさに侵入しボスを目覚めさせた事やダンジョンの報告をしなかったために大量の死者が出た事と優希を殺害する際に隣国から工作員を招き入れ沢山の探索者達を巻き添えにした事だった。


久墨のお父さんも政治献金や不正票での当選等の情報が出てきた事になり与野党第一党全体まで波及して次々と議員辞職することになった。


(お陰で国内の政治も大変になっちゃったよ…)


優希と鈴香さんの遺体は発見されず一般ではダンジョンに喰われたという意見が出ている。


まぁ優希の事だから神様に手厚く看護してもらってるんじゃないかと思う、右手についている指輪が優希は生きていると教えてくれている、様な気がする。


春華ちゃん達は昨日帰宅しているので私は今日電車で帰ることとする。


「何かみられてる気がする…」


まぁそうか…優希の事で私の名前も顔も知られてるみたいだし…


(うーん…このまま電車に乗るのも気まずいな…)


そう考えていると目の前に車が止まった。


「耀さん!」


中から出てきたのは鳳さんだった。


「あれ?里菜ちゃん」


「とりあえず、乗って下さい」


中から美魚さんも出てきて言う


車に乗ると車が静かに発進した。


「よかったー警察行っても、もう帰ったとか言われたんだもん!」


「あーあはは…ゴメンね…考え事しててさ」


「やっぱり、優希さんの事?」


「まぁね…」


「その…お悔やみ申し上げます」


「あぁ、違うの違うの、優希は生きてるし…」


「「え?」」


「美魚さんこのまま病院へ」


「はい、お嬢様の行きつけの所にしましょう。」


「いやいやいや大丈夫ですよ!」


その後私は誤解を解くのに数時間を要した。


「早く優希帰って来てえええええええええ!」


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