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第47話:神楽坂さんの消息

神楽坂さんが消息を絶って2日経った、その間学校には来ていないし何なら久墨も来ていない。


今も担任の蔵間先生(32歳独身、彼女無し、おじさん)の所で聞いてきた。


となると…パーティーメンバーのチャットグループに問いかけてみるが…皆連絡が無いそうだ。


いやいや、人間を処理するとか…流石に久墨でもやらないだろ…


「ここは…彼女に頼むか…」


メッセージアプリを起動して彼女に連絡をする。


◇◆◇◆◇◆◇◆

お昼休みになり、俺は魔法を使って家の前に飛んでいく、手早くエントランスを通りエレベーターへ乗る。


「早かったですね」


玄関ホールへ着くと家の扉は開かれていて仕事モードの彼女がそこに居た。


「ごめんな、メアリーこんな事頼んで」


「いえいえ、御主人様のご用命とあれば」


「そのご主人様はやめてくれ…」


「なら、最初から頼って下さい、私は優希さんの目であり耳でもあるんですから」


そう言うと少し寂しそうな顔をする。


「ごめんな、出来るだけ荒事から遠ざけようと思ってたんだけど…」


「仕方ないですよ、優希さんの動きは目立ちやすいですから、私と違って潜入等の心得も無いですし」


「それは、そうだけどさ、それでも心情的に…」


「適材適所、私も助けられた分お返しはしたんですよ」


「いつも、助けてもらってるんだけどね…」


「それがいつもの仕事の事を言うのなら私はお給金を貰って紡さんの家に雇ってもらってるんです心配どこが違いますよ」


「うっ…それを言われると…」


「まぁ、それはいったん置いときましょう、調査結果ですが神楽坂さん…鈴香さんは。今、自宅に軟禁状態です」


「軟禁って…」


「ゴミ等の情報から鈴香さんは生存しては居ますがそれ以外はわかりません、同様にご両親も生存はしていますが、主演ドラマの無期限停止等も発表がありました」


「正直やる事が杜撰で後を追うのも楽でした」


「まぁ…それで足がついたなら良いことなんじゃ…」


「ともかく連絡役は私が努めます、警備もざるでしたし」


「いや、一度会ってみたい…警備が笊なら夜に飛んでいけば良さそうだし」


「わかりました、2~3日の間、夜間の警備状況を見てきます。それ次第ですね」


「ありがとう」


「大丈夫です。さぁ学校に戻っテ下さイ」




◇◆◇◆◇◆◇◆

それから4日後の夜、俺は神楽坂さんの家の屋根に居た。


「それでは、私が先に窓の鍵をあけてきますね。」


そう言うとメアリーは闇に溶けて降りて行った。


それから数分後、メアリーより入って来て大丈夫との連絡が来ていた。


「よっと」


ベランダに着地して靴を脱ぎ部屋に入ると部屋の中は酷い有様だった。


今までは机や本棚等あったであろう日焼けが見えるが部屋の中にあるのはベッド一つのみだった。


着ている服は入院患者の様な服で真っ白だった、手にはリストカットだろうか、痛々しい切り傷がおびただしい数あった。


「あぁ…優希さんですか?」


いつもの柔らかくも優しい感じとは変わり見るからに目に覇気が無く虚ろだった。


「神楽坂さん…」


こちらが見えているか不思議なくらい虚ろな目をしていた


「今、回復魔法を…」


「いいんです…私はこのままで…」


「良い訳無いでしょ!」


「優希さん声を抑えて、気付かれます。」


「ははは、優しいですね…その優しさでいつも皆を救って来たんですね…あぁ本当に虫唾が走る。」


「神楽坂さ…ん…」


「貴方が居なければこうはならなかった!貴方が居なければ今も幸せに暮らしていた!お父さんもお母さんも私を見てくれた!それなのに貴方が私の前に出てきたから!私の家族も人生も全て壊した貴方が!今更私を救おうなんて!おかしい話ですよ!どうせその力も何も全て他人から貰って得た借り物のの力の癖して!いい気になってるんじゃないよ!出ていけ!私の目の前から!私の頭の中から!私の心の中から!でていけええええええええええええええええええええ」


神楽坂さんが騒いでしまったので階下が騒がしくなる。


「このままじゃダメです、いったん帰りましょう!」


「でも!神楽坂さんが!」


「どの道このままじゃ連れてけません!それに今ばれたら彼女は別の所に移されてしまいます!」


「……」


メアリに手を引かれ外に連れ出される、そのまま抱えられ夜の闇に消えた。



◇◆◇◆◇◆◇◆

◇神楽坂side◇


(ふう、やっと出て行ったわね…)


突然現れた上凪さんの家のメイドさんが上凪さんを連れてきた時は驚いた。


思わず優希さんって言っちゃた…はぁ…


今思うとそれすらも名演技だったと思える程だった。


彼(クズ野郎)が言った『俺に媚びるうちは事務所の面々にも、お前の姉妹にも手を出さないでいてやろう、だがそれを裏切ったらわかってるよな?』


そう聞かされた私が咄嗟に心を壊した演技で錯乱状態になってから彼は近寄らなくなりリストカットの真似事をすればするほど気味悪がりこの家にも来なくなった。


そして口が軽くなったのか彼の迂闊な発言が私の耳に残った。


『クソっ、アレがあんな状態じゃ上凪を陥れられないか…仕方ない次のプランだ…』


(恐らく私をダシにして彼を嵌める算段だったのだろう。だけどこれで、優希君は私から離れるはず……)


だったらこのまま私は朽ちて行けば良いそうすればもう苦しまなくて済む…


そう思いながら私は眠りについた。

本日も読んでいただきありがとうございます!

芸能界編ここで一旦幕引きです、明日から3章ラストスパートに入ります。

先に予告しておくとラストスパートの構想は7月の段階で書き上げてました。

そこからキーになる登場人物の登場とそのキャラの問題提起と解決、4章でざまぁしていきます。

読んでてつらい期間があると思いますが屑野郎には舞台装置として働いてもらう必要がありますのでもう少しだけ3日天下を味わわせて下さい。

そう言えば3日天下って13日間らしいんですよね…作中だと後6日しかないですね…

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