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第34話:ネフィリム討伐作戦・後編 ※残酷描写有り

それから巨人はぺっとメアリーの持っていた銃を吐き出し、醜悪な顔になった。


「ウゲ!ウゲ!、コレデ!オレコトバ!シャベレル!オレハ!サキョウニナレル!ジャシン!タマシイ!サイコウ!!」


「邪神って…え?」


呆気にとられた瞬間ネフィリムの拳が迫っていた。


咄嗟に足裏に魔力で風を集めそれを踏み飛び上がる。


「マダ!チカラ!ナジマナイ!オレ!ニゲル!」


巨人に見合わぬ俊敏な動きでネフィリムは【巨人の墓】へ進んでいく。


「待て!!」


「マタナイ!オレノ!カチ!ゲハハハ!」


ダンジョン迄50メートル程、巨人はとてつもないスピードで走る。


それを追う俺、傍から見たらその様子は空中を翔けている様に見える。


「ゲハ!ゲハ!オレノ!カチ!」


間に合わない!耀も咄嗟の事に付いて行けず後方に居る。


絶望が頭をよぎった瞬間、巨人の進路上に昨日メアリーと朝食を食べる前に見た子供が居た。


「ドケ!ジャマダ!コノチカラハ!オレノモノダ!」


巨人が大きく腕を振りかぶる。


「それは困るなぁ…その子の御霊は。お前みたいな醜悪な奴が持ってて良い訳じゃない」


その子供は流暢な日本語を喋ると巨人の攻撃を止めた。


「ウボアアアアァァァァァァァァ!!!!」


そうして巨人を投げ飛ばし巨人の体に手を突っ込むと光る球を取り出した。


「ガエズウィアアアアア」


「この力奪われただけで言語すら無くす様な奴に彼女は渡さないよ、彼女はこちらの世界で幸せになるんだからね」


そう言うとその子は光の球を吸収する。


「優希君、この体を頼むよ…多分5分くらいでメアリーちゃんに戻るから」


「この感じやっぱり神様なのか?」


「そうだよ、見守るつもりだったけど予定が狂ってね」


「わかりました、でもその子は?」


「この子は僕が作った依り代さ、義体とも言うね」


「そうだったんですか…」


「時間が無い…じゃあこのまま僕は戻るよ、またね」


「わかりました、ありがとうございます」


そうして光が収まるとそこには人一人が入る繭があった。


「ガアギャアアアア」


ボロボロになったネフィリムが呻きながら立ち上がる。


「優希!」


羽根を生やし追い付いた耀が傍に降り立つ。


「耀、それをお願い!」


メアリーの入った繭を指さす。


「これは?」


「メアリーが入ってる!」


「よくわからないけどわかったわ!」


繭を抱え耀は飛び立つ、それに手を伸ばすネフィリムを切り伏せる。


「ウボアアァァァァァ」


「いかせねーし、やらせねーよ!」


魔力に気迫を込めてネフィリムへぶつける、ネフィリムは初めて恐怖を覚えた顔をしている。


抜き身の刀へ魔力を纏わせる、何にも変換していない純粋な魔力だ。


「行くぞネフィリム」


身体強化をし飛び出す、武器強化を施した刀でネフィリムの左肘から上を狙う、切り落とす瞬間纏わせた魔力を氷へ変化し凍結させる。


「バアアアァァァ」


ネフィリムを蹴り飛ばし右腕を切り落とす、今度は炎へ変換し燃やす。


ゴロゴロと全身に回りつつある炎を消す、皮膚は爛れ息も絶え絶えだ。


「とどめだ」


ハーメルンを倒した時を思い出し刀を構える、魔力を込めた一撃でネフィリムの頸を切り落とした。


「ふぅ……そうだ、メアリー!」


耀とメアリーの方へ駆けて行くと、メアリーは丁度目を覚ました様だった。


尚生まれたままの姿なので色々と見えている、極力見ない様に目を逸らす。


「あれ?私…確か、ネフィリムに食べられて…」


「良かった!」


「ちょ!?耀さん!?」


「よ゛か゛っ゛た゛よ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」


「後で詳しく話すけど、とにかく助かって良かったよ…」


「そうですか…って私何で裸なんですか!?」


「あーとりあえずこれ着ときな、後ろ向いてるから」


俺は着ていたTシャツをメアリーに手渡し後ろを向いた。


布擦れの音が聞こえメアリーが「もう大丈夫です」と答えたので振り返る、メアリーは俺のTシャツと耀のローブを羽織っていた。


「あーとりあえず、服取って来るわ…」


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから、あつまっていた軍人さん達に討伐の報告と、服が無かったので毛布を貰いメアリーの元に戻ると耀は落ち着いていた。


「とりあえずこれ、毛布しかなかったから」


「ありがとウ、ございまス」


「それじゃあ、また後向いてるな」


それから直ぐに「大丈夫です」と声がかかる、振り向くと毛布を巻いたメアリーが立ち上がる。


「あーそうか靴も無いのか…ちょっと不便だけどごめんな」


「わわわわぁ」


近づいてメアリーをお姫様抱っこで抱き上げる、素肌にやたら形が変わる柔らかいものが当たるが気にしない…


「じゃあ、戻るか」


「そうね、それと…メアリー大丈夫?」


「あわわわわ」


「うーむ、昔の私を見てるみたいね」


それからはそのままホテルへ向かい準備をして俺の部屋に集まる。


「じゃあ…来るかな。神様?見てるんでしょ?説明をして下さい」


そうして呼ぶと、目の前に光の粒が集まり人の形になる、俺のよく知る神様の姿だ。


「やっほーさっきぶり」


「それじゃあ、説明してください」


「どこから説明すればいいんだろう…」


「時間も無いですし、メアリーの事についてだけで大丈夫ですよ」


「わかったよー、まずどこから話そうかな…」

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