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第33話:ネフィリム討伐作戦・前編 ※残酷描写有り

基地内に警報が鳴り響いた警報により俺達は作戦室(会議室)に集結した。


「そうだ、上凪さん、水城さん、メアリーさんはこれを付けて下さい、私が翻訳をしますので」


飯田さんよりイヤホンを受け取る


「「ありがとうございます」」


「私はわかるので大丈夫です」


「ちょ?メアリー?」


慌ててメアリーを見るとメアリーは「???」といった感じで首をかしげていた。


「わかりました、ではお二人どうぞ」


「「ありがとうございます」」


インカムを受け取り耳に装着し聞く。


『今回の戦場は、サルデーニャ島北部の【巨人の墓】である、出現したモンスターは2階建て住宅くらいの高さの巨人だ、我々はそいつを【ネフィリム】と呼称した、主な戦闘はそこに来てくれた【サルデーニャの英雄】と水城さんだ、我々の任務は後方支援と万が一の際に二人を撤退させる役目だ、わかったか!』


「「「SÌ!(イエッサー!)」」」


『では二人共まずはこちらの基地で状況の確認を、それ以外の皆は配置につけ!』


「「「SÌ!(イエッサー!)」」」


そうして他の人達は出て行った、残されたのは俺達と司令官らしきさっき作戦説明をしていた人だ。


「ありがとうございました、飯田さん。結構ノリノリで翻訳してましたね」


「いやぁ…つい熱が入っちゃいました!」


そう言ってたははと笑う。


そう話していると司令官の人が飲み物を持ってきてくれた。


「どうも、初めまして。私はこの基地の司令官を担っているアンドレアです、英語なら通じるとの事でしたので、拙いながらご挨拶を」


「ありがとうございます。とても聞き取りやすくて助かります!」


「こちらはエスプレッソです、ウチの基地で一番淹れるのが上手い奴が淹れてくれました」


「ありがとうございます」


「それでは、進展がありましたらまた来ますね」


そう言ってアンドレアさんは通信室へ入って行った。


「上凪さんも水城さんも凄いですね、その年でそこまで流暢に英語が喋れるなんて、それにメアリーさんはイタリア語が出来るなんて」


「私のお母さんがウクライナ人なのとお父さんが貿易の仕事をしていて、家の中じゃ英語をよく使うんです」


「俺の場合は耀のお陰ですね」


「私は、色々とありましたので、語学を覚えるのが得意なんです」


「そうなんですね、おみそれしました」


そんな感じで話をしていると飯田さんのスマホが鳴る。


「あぁ、上司から連絡です、失礼いたしますね」


そう断って飯田さんは部屋の外へ出て行った。



◇◆◇◆◇◆◇◆

ブリーフィングを終えて一時間後、巨人が出現したとの報を受け俺達は基地から輸送ヘリで出発した。


「あれが…ネフィリム…」


耀がポツリと呟く。


巨人が吠えている、ここの居てもびりびりと音の圧が凄い…


「それに、あの格好…」


「まるで古代の戦士ですね」


左手に大振りの斧を持ち右手には大きな金属製の盾を持っている。


「ともかくあの質量の攻撃を当てられたら致命傷になる、なるべく遠距離で攻撃をしよう!」


「わかりました!」


「私の得意分野ね!」


「じゃあ俺と耀はここから降ります!」


耀と恋人繋ぎでヘリの外へ身を躍らせる。


「いくよ!耀」


「任せて!」


『我が風の翼よ、その力をもって天を翔ける力となれ!———エア・ウィング!』


背中に風の翼が生え空を滑空する、空飛べてるんですが!?


「耀!なにこれ!?」


俺は前回の様に着地をすると身構えていたのだがその予想は裏切られた。


「この間試したら出来た魔法!」


「またこの子は…頼もしいなぁ!」


そうして二人でネフィリムの前に降り立つ、それから俺と耀でネフィリムへ攻撃をする。


氷の氷柱に、巨石の槍、以前より威力の増した斬撃攻撃は手に持った盾を少し切り落とすくらいだ。


「耀、覚醒状態は温存してくれ、押し切れなかった時が怖い」


「わかったわ、喰らいなさい!ボルケーノランス!」


耀の魔力で形どられた長槍がネフィリムの凍り付いた盾を急速に熱する。


「それから、アイスストーム!」


氷の礫を巻き込んだ真空波でネフィリムの薄皮を裂く、致命傷にならないような傷以外はそのまま受ける様だ。


「俺も遠距離で!アイスジャベリン!」


以前使ったアイストライデントの強化版3メートル程の巨大な槍を作り出し投擲する。


「ウガアアアア!!」


流石に無視できないのか盾で思い切り砕く。


それと同時に魔力で強化した斬撃を与える。


クラック現象が起きた盾は砕き斬撃と共に、ネフィリムの手首から先を切り落とした。


そんな応酬が続き気が付けば10分が経っていた、右手は切り落とし、左手の斧も破壊するところまで進んだ、それでもネフィリムは攻撃をしてこないで防戦一方でまるで何か様子を伺ってる様だ。


ネフィリムより距離を取る、連続攻撃で息の切れた耀と合流する。


「ねぇ優希、不思議なんだけど、攻撃してこないね」


「うん、おかげで攻めきれないな、何かを待ってるのかな?」


そうしていると膠着状態を見かねたのか軍関係者とメアリーがこちらに来た、その瞬間今までピクリとも攻めに転じていなかったネフィリムがニヤリと笑った。


「ウボアアアア!!」


「まさか!コイツの狙いは!!」


そうして咆哮をして飛び上がり周囲の兵士を薙ぎ払ってメアリーを鷲掴みにする。


「え?」


「間に合えええええええ!!」


その瞬間メアリーと視線が交差する、すべてを察したメアリーが微笑んだ。



バリッ…ボリボリ…ゴリゴリ…ベキッ…と骨の砕かれる音と咀嚼音と共に……




メアリーは俺達の前から……儚く消えた。

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