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第21話:島の異変

用意してあった服を着て、部屋に戻ると耀は服を着て窓際に座っていた。


「優希?もう大丈夫?」


「何とかね、服ありがとう、しっかし酷い気持ち悪さだった…耀は大丈夫?」


「どうしたしまして。体調は大丈夫、気持ち悪いとかは無いけど…すっごい不味くて苦い物を口に突っ込まれた感覚よ…しかもガッツリ後味が残るタイプ…」


「そっか…水でいいならすぐ用意できるけど…」


「おねが~い」


コップに水魔法を使い水を生成して水で満たし耀へ手渡す。


「ありがとー、ん!?このお水美味しい!?」


「回復魔法を溶け込ませてるからね、異世界で言うポーションって奴だよ」


「へぇ…異世界の回復薬ってこんな感じなんだ」


「そうだね、魔力で生成した水に込めた回復魔法で水は数日なら劣化もしないし回復効果も残った状態になるんだよね」


「これは…売れるわね…」


「いやいや、効果も時間が経てば落ちるし精々1週間も持てばいい方なんだよ。それに魔力を飲んでるのと一緒で慣れてない人が飲むと逆に気分が悪くなっちゃうんだ」


「そうなのね…せっかく優希が安全に稼げる方法見つけたと思ったのに…」


「やっぱり、心配だよね……」


「そりゃそうよ、優希に無理させない様に私も探索者になったんだから」


「そうだったんだ」


「え?なんだと思ったのよ」


「いやー、一緒に居るといつでもいちゃつけるからと思ってました」


「まぁ、それもあるわ…」


「耀が俺の事大好きなのは知ってるからな!」


「じゃあさっきの続き……する?」


「流石にこのべっとりとした嫌気が拭えてないし、そんな気分じゃないよ…」


「言っといてなんだけど、私もそんな気分じゃないわ…」


「じゃあこれで勘弁して」


耀とディープな方のキスをする、何気に初めてなので緊張する。


「っっ、ぷはぁ…あ、少し気持ち悪いのが無くなったかも…」


「じゃあもっとする?」


「うん♪」



◇◆◇◆

それから互いにキスをし合ってると唐突に声が掛かった


「あのー流石に良いですか?」


「「!?!?!?!?!?」」


慌てて振り返りバルコニーを見るとメアリーが顔を真っ赤にして両手で顔を覆いながら立っていた。


「めっめっメアリー!?今日は用事があるんじゃ?」


「あーそのはずだったんですが…さっきの気持ち悪くなる感じで結構な島の人が被害出てるみたいなんですよ、救急も大変な事になってて優希さんに力を借りた方がいいと判断したんですが…お邪魔しました」


「とっ、とりあえず!メアリーは俺達の両親の様子見てきてくれ、動ける様支度するから!」


「わかりましタ、行ってきまス!」


メアリーはバルコニーから身を翻し両親の部屋へ向かっていった。


「まさか、メアリーに見られるとは…」


「びっくりして語尾が戻ってたわね…」


「そういえばそうだったな」


「まぁ、とりあえず着替えましょうか」


「そうだな」


そう言ってシャワールームへ服を持って入っていく、と思ったら顔だけ出してくる。


「覗く?開けとこうか?」


「覗かない!閉めといて!」


「はーい♪」


上機嫌なまま耀は顔を引っこめると扉を閉めた。


◇◆◇◆


それから戻ってきたメアリーから家族の様子を聞くと怪我した人は居ないとの事で一安心だ。


「とりあえず、これから島の救急を扱ってる病院を回って来るよ」


「そうか、気をつけてな、ちゃんと耀ちゃんを守るんだぞ」


「大丈夫、任せて。それと父さん達は今日一緒に居た方が良いかも」


「わかった、何かあれば連絡をするよ」


そう言って通話を切ると、丁度耀の方も終わる様だ。


「大丈夫だって、優希の尻は私が叩くから!」


おい、叩かんでくれ、そんな趣味は無いぞ。


そんなツッコミを脳内で入れてたら耀の通話が終わっていた。


「こちらは終わったわ、優希は?」


「終わったよ~父さんにちゃんと耀の事守れと言われたよ」


「私は迷惑掛けない様にだってさ、失礼だよね!」


「半分くらい擁護できんが…まぁいいか」


「ひどーい!」


「お二人トモ、痴話喧嘩はそこまでニして下さイ」


「「はーい」」


「とりあえズ、事前に調べた数デ、病院は約50ヶ所にありまス」


「たダ、現在判明しているだけデ、その半分ガ今の所埋まってまス」


「よくそんなのわかるな…」


「無線ヲ盗聴していまス」


「それってはんざ」


「緊急事態デス」


「あっ、はい」


「じゃあ近隣の病院から回っていくか…」


「大丈夫なの?魔力とか」


「治すのは基本的に、トリアージで赤タグの人くらいにするつもり」


「それでハ、行きましょウ」


「はい、耀おいで」


「えっと…まさか…」


「そう、お姫様抱っこで飛んでいくよ」


「恥ずかしいけど…仕方ない!」


「じゃあ、よいしょっと。あ、そうそう耀、飛び降りるけど着地直前に風魔法お願いクッションを作る感じで」


「え?ちょ、まって」


「さあ、行きますか!」


「まってええええええええええ」

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