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第17話:ナイトプール

翻訳ってべんりっすね!

「どうしよう…」


メアリーを見送って自室への案内を貰い歩いて行く、そうして到着してしまった扉の前で檻の熊の様にうろうろしていると。


ガチャリと音を立てて耀が顔を出した。


「さっきからなーにうろうろしてるのよ」


「ひぃ耀!?」


「速く入りなさいよ、優希の荷物ももう置いてあるわよ」


「耀は大丈夫なのか?」


「何がよ」


「いや、俺と一緒の部屋だから…」


「今更気にしないわよ」


「えぇ…」


そう言われ部屋に導かれ入ると、真正面に海側の広い窓が位置している、ホテル自慢のオーシャンビューで夕暮れの海が見えている。


「綺麗でしょ…」


「そうだな、この光景だけで来た価値があるよ」


「それで耀は本当に俺と一緒で良かったのか?」


「何度も言わせないでよ、昔から心構えは出来てるわよ。それこそ高校入ってからすぐに決心してたわよ」


「そんなに前から……」


「優希に別の相手が出来るならって、考えてたけど結局恋人…は飛び越えて夫婦になったし」


「そういえばそうだった、いきなりプロポーズしたんだった」


「おやおや、可愛い嫁のプロポーズは流される事かい?」


「いやぁ…この間の指輪渡す時の方が印象強くて…」


「そうかそうか、なら許そう」


「はは~有難き幸せ」


「んで、どうする?するの?」


「うっ…でもあれもってないし」


「あれ?」


「避妊具…」


「あぁ…それならメアリーに渡されたわよ…」


おい、あいつも殴るリストに追加だ。


「おおう…まじか…」


「マジよ、んでどうする?」


「うーーーーーーーーーーん、やめとく」


「えーなんで?」


「いやまぁ…怖いのもあるけど、ここで流されるのも、旅行初日にそこまで疲れたくないし…後あの二人にお膳立てされたのがムカつく」


「うーんこれはヘタレと罵っていいのか…」


「うぅ…どうせヘタレです…」


「まぁ、そうね…今回は見逃してやるが次は無いぞ」


「それに、体力は回復魔法じゃ回復できないし、なにより猿になりそうで…」


「猿になられるのは困るなぁ…」


「それにちょっと気になる事があって」


「気になる事?」


「うん、この島ついた時からね。凄くピリピリと、嫌な気配がしてるんだ」


「それって、モンスターの気配とかそんなの?」


「うん、前回のハーメルンの時に感じたものに似てる」


「それって不味いんじゃ…」


「そこまでその嫌な気配は大きくないから、大丈夫だと思うんだけど…」


「そうなんだ…誰かに伝えた方が良いんじゃない?」


「だよねぇ…でも誰に伝えるか」


「綴さんは?」


「うーん最近大変そうなんだけど大丈夫かな?」


「大丈夫じゃない?上の人に報告してもらうだけだし」


「とりあえず通話掛けてみるかぁ…」


それから数度コールしたが綴さんは出なかった。


「どう?出た?」


「出なかったからメッセージだけは入れといたよ」


「そうだ、巴ちゃんのパパさんは?あの人現職の議員さんだし」


「そうか、掛けてみよう」


それから巴ちゃんのお父さん方厳ほうげんさんに通話を掛けるとすぐに出てくれた。


「こんばんは優希君、どうしたんだい?現地に着いた頃だとは思ってたけど、何かトラブルかい?」


「こんばんは方厳さん夜分遅くすみません、それがですね」


島に着いたときに感じた違和感を伝えると方厳さんは各方面に伝えてもらえることになった。


「ありがとうございます」


「気にしなくて良いよー何事も無ければいいんだけど…もしもの事があったら日本政府からの正式な依頼になるかもしれないからね、その場合はごめんね」


「わかりました」


「それじゃあ、旅を楽しんで~」


通話を切ると不安げな耀が聞いてくる。


「どうだった?」


「一応、外務省とダンジョン庁と大使館を通してイタリア政府には連絡してくれるみたい。もし変調が見られてもしもの事があったら俺に依頼が来るって」


「そう、それなら大丈夫ね」


「まぁこの国にも探索者は居るし大きい被害が出なければ俺に出番は回って来ないよ」


「それじゃあ!今からプールに行かない?」


「プール?」


「そそ、ナイトプールってやつ」


渡されたパンフレットにはライトアップされたプールが映ってる


「へぇ…行ってみようか」


「とゆうわけなので着替えてくるわー」


そう言って脱衣所へ入って行く、男は簡単なので脱いで履くだけだ。


「面倒な事にならなきゃいいけど…」


ナイトプールと聞き少し心配になりながら待っていると、ポニーテルにした耀が出てきたシンプルな黒ビキニにショートパンツ、上半身はビキニにラッシュガードを羽織った状態で出てきた。


「うん、シンプルにかわいい」


「ん、ありがと」


「じゃあ行こうか」


ホテル内を歩いてプールへ到着すると淡いオレンジ色のライトと夕焼けに照らされていた。


「何か思ってたのと違う…」


もっとEDMが鳴りチャラい人達がウェーイと騒いでるかと思ったら、優雅な音楽に夕景を楽しむ様な雰囲気になっている。


「少なくとも高級ホテルだしね、客層もしっかりしてるんでしょ」


耀の言う通りご年配の夫婦だったり、親子連れが楽しそうにしている。


(ここならあんまり心配する必要無いかな)


海の方向を向いているソファーに二人で座り景色を眺める、遠くに見える町並みと灯台が夕陽に照らされてる。


(まったりとした時間がいいなぁ…)


「何か飲み物貰って来るよ」


そう言って席を立ち、バーカウンターへ向かう。


「Excuse me, can I order in English?(すみません、英語で注文できますか?)」


「It's okay Well what do you want to order? (大丈夫ですよ。さて、何を注文しますか?)」


「Can you make cocktails without alcohol?(アルコールを抜いてカクテルは作れますか?)」


「It's okay, please wait a moment(大丈夫ですよ、少々お待ちください)」


そうしてノンアルコールカクテルを貰い、チップと代金を渡し戻ると耀がおっさんに絡まれていた。


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