表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/715

第15話:引越し…え?海外!?

入学して数日、俺は辟易…いや憔悴していた。


連日の芸能事務所や配信者の凸、その信者の凸が自宅まで来ているのだ。


内容もダンジョン配信者が自分の配信に出てきて欲しいと言ってきたり、暴露系配信者が俺と耀の関係を疑うために部屋へ凸しようとしたり。


全くもって非常に面倒な事になっていた。


その中でも特に呆れたのは、『ダンジョンで俺がパーティーから追放されるので!優希さんが助けに来てくれるという内容でどうですか?』とか言ってきた奴と、耀の部屋に忍び込もうとした奴だ。


無論前者は、やらせとかどうなのと思うし、いきなり名前呼んで来るとか失礼だし、なによりダンジョン内部は遊び場じゃないから断らせてもらった。


後者は度が過ぎるので警察へ突き出した、そんなこともあり、危険性があるので耀は家族と共にホテル生活をしてもらっている。


そうして現在は3家族(上凪家、水城家、紡家)会議の場となっている。


既に食事会の翌日に、厳徳さん含め紡家の人達と俺の両親、水城家は顔合わせ済みだ。


「ふむ、そんなことになっていたのか…」


「最近職場にも押しかけて来る方々が居て困りますね」


「うちも、異常にテレビ局の取材が増えたんだよね、救助要請が来る事もあるし困ったもんですよ」


「うちの会社はセキュリティがしっかりしてるので入っては来れないですが、通勤の度に尾行されたりするのは困りますね」


「私ハ、ナンパされましたタ……」


「そうか…仕方ないのう」


「厳徳さん?何か妙案が?」


「両家の皆様、ウチの孫が居るマンションの部屋を用意するから引っ越してみないか?」


「それは、良いんですか?」


「良い良い、元々あのマンション自体ワシが主導で建てておってのう、まだ入居者の募集等もしていないのじゃよ。」


「でもそんなお金、我が家には…」


「正直今の法案が通ればもっと面倒な事になるじゃろう、だったらその前にセキュリティがしっかり管理されているマンションへ引っ越してもらった方が安全じゃからのう」


「でも、マンションなんて買うお金が……」


「そこは大丈夫じゃよ、ワシが用意すると言ったじゃろう」


「ではお言葉に甘えます」


「ではそうと決まれば引っ越しとマンションのリフォームを行うからのう、1週間程海外に行ってこい」


「「「「「はい!?」」」」」


「優希、お主に頼みごとがあってのう、明日朝一番の飛行機でイタリアへ飛んでくれ、現地で協力人と会ってくれ」


「わかりました」


「では夜に迎えを寄こすのでのう、頼んだぞ」


「はい」


◇◆◇◆


「いやーとんでもない事になったな」


「そうねぇ」


「そういえばパスポート持ってない…」


「「あっ…」」


「ちょっと厳徳さんに連絡してくる」


そう言ってリビングから出る。


スマホを取り出して厳徳さんへ通話をする、程なくて通話に出た。


『どうした小僧』


「小僧呼びなんですね…」


『なんじゃ、名前で呼んでもいいがワシらしく無いじゃろ』


「たしかにー」


「まぁそうゆう事じゃい。それで、用事があったんじゃ?」


「あぁ、そうだ。俺パスポート持ってないです」


「なんじゃそんな事か」


「そんな事って…海外に行くなら必須ですよ?」


「探索者証明書あるじゃろ、あれパスポート代わりに出来るんじゃよ」


「えぇ…知らなかった…」


「まぁ国際協定みたいなものじゃよ」


「そうなんですね…」


「そうゆう訳でな、大丈夫じゃよ  あ


「ありがとうございます。そうだ、もう一つ」


「ん?なんじゃ?」


「現地で会う人って?」


「この間メアリー嬢ちゃんの情報を調べてくれるように言った情報屋じゃよ」


「そうなんですね、メアリーは元気にしてます?」


「ばあやと鷲司にみっちりしごかれて、使える様になっておるぞい」


「もし大丈夫そうなら、メアリーも連れて行っても?」


「良いんじゃね?」


「軽っ!?」


「通訳にも使えるし問題ナッシングじゃ」


「確かに通訳にはいいですね」


「とゆうわけで今日一緒に迎えに行かせるぞ」


「わかりました!ありがとうございます!」


「優希よ、何か嫌な予感がしてのう、情報屋の奴は昔世話をした奴でな助けてやってくれ」


「厳徳さん……わかりました!俺に出来ることなら!」


「よろしく頼むぞ」


◇◆◇◆

それから大急ぎで支度を整え(1週間分の着替えを入れるのに苦労した)迎えが来るのを待っていた。


予定してた時刻になり外を覗くと警察が詰めかけている人達を排除していた。


その後ろから黒塗りの高級車が付いてきて家の前に到着した。


中からメアリーが出てきて遠目から見ている人達がざわつく、何故メイド服なんだ…


ピンポーンと玄関チャイムが鳴り外に出ると、頭をきっちり45度に下げ「お迎えに上がりマシタ」と聞き取りやすいイントネーションになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ