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第8話:適性検査に行こう!【改稿版】

 玄関前で10分ほど、耀が湯沸かし器になってしまったが、やっと常温に戻ってくれたので出発する。


「そういえば耀、その検査場ってのはどこにあるんだ?」

「ちょっと待ってね、えっと……学校の近くだから、大体20分くらい歩くと到着するよ」


 そういってスマホを見せてくる、準備の良い耀は先程調べてた様だ。


「あー、あそこの文化会館か、確かにあそこなら広いもんな」


 学校に行く途中にある少し大きめの文化会館で、よく小さいコンサートや合唱コンクール等が行われている、会議室みたいな所もあるのでうってつけだろう。


「あっ……」


 視界に入ったのは一昨日ゴブリンと遭遇した公園だ、そこに差し掛かると耀は突然手を握ってきた。

  普段見せない耀の突然な行動に頬が赤くなる、驚いて耀の顔を見ると青褪めた顔をしている。


「あっ、ゴメン……」


 慌てて手を離そうとした耀の手を握り返す。


(そうだよな、俺は見慣れたけど。耀はあんなもの見慣れてないもんな……)


「大丈夫、何かあっても守るから……」

「優希……」


(言ったけど……すげぇ恥ずかしい!!)


 気恥ずかしくなって耀の顔を見ない様にしながら、それでも手を離さないように半歩だけ前を歩く。


 それから気温の暑さか手を握ってる故の熱さかわからないが、文化会館が見えてきた。

 かなり人が集まってるのか、思ったより賑わっている。


「うへぇ、人が多いな……」

「そうだね……」

「あそこが受付みたいだな」

「受け付けは、番号表を取るみたいだね」


 耀が指差す方向に発券機があり、番号札を取って待つシステムだ。

 発券機から番号札から取って少し待つと、番号が呼ばれ受付へ進む。


「こんにちは、本日は能力検査のご利用でしょうか?」

「はい。二人なんですが、どのくらい時間がかかりますか?」

「そうですね検査だけなら、只今の待ち時間は20分程ですね。登録証の当日発行になりますと申し訳ないのですが、3時間以上お待たせしてしまいます」

「じゃあここで待ってる人たちは……」


 見回すとざっと7~80人程の人が居る


「はい、当日発行希望の方々です」

「多いですね……後日発行の場合はどのくらいかかりますか?」

「そうですね、今日発行される証明書をお持ちいただいての役所等で発行の場合は当日、郵送の場合ですと、おおよそ1週間となっております」


 表をを見せられ説明を受ける。


「そうなんですね、耀どうする?」

「私は証明書だけでも良いよ、郵送でも十分だし」

「じゃあ、すみません。郵送での発行でお願いします」

「かしこまりました。ではこちらの用紙に住所とお名前を書いていただきまして、お渡しする証明書の写しをこの封筒入れて私共にお渡し下さい」


 そう言って受付の人が説明を終わらせる。


「わかりました、丁寧にありがとうございます」


 会釈をして2人分の書類を受け取る。その後は書類を書いて中の検査場へ向かい、またもや置いてある発券機で2人分の番号を発券する。


 それから並べられている椅子に2人で座る、隣に座る耀はそわそわして若干落ち着かない。


「うぅ~、なんかドキドキする~! なんか、優希は落ち着いてない?」

「ん? あぁ、ここまで来ちゃったし、なるようにしかならないでしょ」

「むー今日の優希、何か違う」


 膨れながら耀は抗議してくる。

 確かに、昨日までの自分ならこういった場は、かなり緊張していたりしたはずだ。


(異世界で、もっと緊張する式典をやってたりしたからかな?)


 エアリスやメイド長にマナーとか式典の動きとか、夜通し仕込まれたよなぁ……。


「ねえ、優希? どうしたの?」


 いつの間にか思い出に浸ってたら、耀に袖を引かれていた。


「あ、あぁ。ほら、目の前に自分より緊張した人が居ると落ち着くって言うじゃん?」

「それにしても、落ち着きすぎな気がする」

「まあ俺自身も、何でこんなに落ち着いてるんだろうと思うけどね」


 ジト目で睨まれているので、話を変えようと、疑問になっていたことを告げる。


「そんなことより、どうしていきなり適性検査なんて受けようと思ったの?」


 すると耀は「うーん」と、たっぷり考えた後、口を開いた。


「なんかね、ふわっとした感じなんだけど。このままだと優希は、絶対探索者になるだろうし。そうなった時に、私だけ置いていかれるのイヤだったから……かな?」


 そう言いながら尻すぼみになっていく、確かに俺は自分に出来る事はしたい質だ、そうなると耀の考えも間違いではない。


「大丈夫、耀を置いて行ったりしないって」

「ホント?」

「寧ろ、離れるのが想像できないよ」

「ちょ!? 何言ってるの優希!!」


 これまた、耀の顔が沸騰する。


(あー、これじゃプロポーズみたいじゃないか!)


 自覚すると途端に俺の顔も熱くなって来る。

 以前の俺はそんなこと言う奴じゃ無かったのに……。



作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!

活力になるので!!

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― 新着の感想 ―
あっちでの恋愛失敗経験がそうさせてるのでしょうね そっちの子たちには悪いけど失敗してよかった
なお、周りの心の声が奇跡的なシンクロを見せたのだった
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