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裏切りのサリグ or スペース・コロニー

ちょっと短めです。

後、ガ●ダム要素が今回は強めですが、あくまでもストーリー上被っただけで、被せたかったとか、そういうのはありません。

「さーて、そろそろ...。」

その時、突然ラッパのような音が鳴った。


俺達は、その音が『出撃・迎撃』を表すものだと知っていたため、その音を訝しんだ。

そして次の瞬間、俺達の前に兵士が乱れ入り―――。



―――



気付けば、俺達はシャトルにいた。

俺は、記憶を探ったものの、どうにもこんな場所に来た覚えはなかった。


「君たちもここに来てしまったか」

その声と共にそのようなことを言うのはもちろん親父だった。


「...何があった?」

そう尋ねると、彼はその解答を待っていたように言う。

「君たちは彼らに捨てられたのさ。

もう、技術を必要としなくなったからな。

...一応、生きる道がないとは言わないが」


その、最後に仄めかされた部分を俺は聞くことにした。

それを聞かなければ、恐らく生きることはできなさそうだから。


その答えは、いたって簡単だった。

「...宇宙空間でも居住可能な場所を作るか、月界イヴァルへ向かうか、だな」


どちらともかなえられることが困難な、そんな条件だったために、俺は絶句することとなる。



―――



「緊急会議を開く。皆、集まれ」

皆は、その指示に従った。


それも、俺の名と親父のやってきたことのおかげだ。


俺の名、『ゼロ』は彼らの崇めるものだったし、親父は彼等―――工兵や整備兵、それに組み立て要員―――にとても信頼されていた。

そして、残っているのは俺同様巻き込まれた特別魔術教育コース―――あの時名乗った名を言うのなら『ヴァルカリア工廠』のメンバー。


つまり、これに従わない者はいないのだ。



『...。』

皆は、それを聞いて絶句していた。


「...一応、私たちの国でも月界の方々とは会話しましたが、恐らく私たちは受け入れられない者かと思います」

「やっぱしか...。」


サリグの工兵の一人が、そんな事を言ったために、場の空気はさらに重くなる。

それもそうだ、彼等は滅多なことでは干渉することがない。


嘗て俺らが見た時も、王龍王レベルの“狂龍の軍勢”が発生してこの世界が滅びるかもしれないと彼らが考えたからだった。

...まあ、その時にはもうすべてが終わっていたが...。



そんな彼らなだけに、俺達は受け入れられないのだろう。

...となると、残りは宇宙に居住空間を作るだけだが...。


「...スペース・コロニー論、か」

ボソッとつぶやいたつもりなのかもしれないが、親父のその言葉はこの小さな世界シャトルにとって鹿威しのように響いて聞こえた。


スペース・コロニー。

直訳すると宇宙植民地だが、俺達はそれを作り出すのだ。

支配するとしたら―――月界の月天人あたりか。


ともかく、その場所を作るのがこれからの俺達の課題となることは、誰にも明らかだった。

技術者もいることだし―――。


ただ、それを言った本人だけがその後に続いたコロニーの外見・広さに対する議論に半ば参加できずにいたが。

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