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ブレイブダンジョンオンライン

「起きろおにぃ!」


「ぐはっ!!」


 甲高い叫び声が聞こえたと同時に背中に衝撃を受ける。目を開くと目の前には黒髪ツインテの美少女……ゲフンゲフン、妹の黒羽がベットの前に立っていた。


「ツインテ美少女とか考えてる暇あったら早く起きてご飯食べちゃってよねー」


「そ、そんなこと誰が考えるかよ!」


「顔に書いてあんのよおにぃの」


 そんなにわかりやすいだろうか……そんな事を考えながらリビングへと行きご飯を食べる。妹は昨日BDOでPVPで負けたとかなんとかでメチャクチャ機嫌が悪い。


 ボーッと見ているテレビにもBDOの話題が取り上げられていた。



 電子技術の発達した現代では庶民の娯楽として新たな世界が開かれていた、それが完全没入型VR──意識ごと機械を通して電子世界に送る技術が登場し、今はその技術を使ったオンラインゲームの最盛期なのだ。中でも圧倒的人気を誇るのがBDO【ブレイブダンジョンオンライン】だ。


──剣と魔法の世界でダンジョンを攻略し、世界の謎を解明する──


 このコンセプトのもと登場したこのゲームは発売されてはや2年で従来のVRゲームのすべてを押しのけプレイヤー数が世界トップとなっているゲームだ。


 特に学生にとっては夏休みである今の時期はテレビでも連日取り上げられているほど影響力がある。


 かく言う僕──青木勇斗もBDOはリリースからやっており、昨日もかなり激しい戦闘があったため少し寝不足気味なのである。


 朝ごはんを食べたあとに自室に戻った僕はVRゴーグルを装着しベットに横たわる。耳の部分にある電源オンにすると程なくして意識が電脳世界へと飛ばされる。


ーーーーーーー


 ゲームにログインしたあとはソロでいつもの狩り場の森へと向かう、道中出てくるモンスターは自慢の青いロングソードで切り飛ばしていく。



「あれソロかよ……」


「よくここまで一人で来れるな」

  

「あの青い装備……もしかして前線組じゃね?」



 すれ違うプレイヤー達の声が聞こえる。そう、僕は前線組と呼ばれるBDOの中でも上位のプレイヤーなのだ。


 だが僕はそのことを隠しながら生活をしている、あんまりひけらかして嫌なやつって思われるのも嫌だしね。でも休み明けに学校のみんながBDOをやるっていうんなら少しくらい助けてあげなくもないかな?


 もしかしたら高嶺の花の東雲さんともお近づきに……なんてね。


 そんな浮かれた気持ちで僕は狩りを続けるのであった。


ーーーーーーーー


 2時間ほど狩りを続けた頃だろうか、少し周りにプレイヤーが増えてきた時に事件は起こった。


「うわぁぁぁぁ!!!にげろぉぉ!!!」


 森の奥から悲鳴とともに2パーティ以上の人間がこちらへ向かって走ってきた、一体何事かとすれ違った一人を捕まえて話を聞く。


「何があった?なんでこんな逃げてんだ」


「おい引き止めんなよ、あいつが来ちまうだろ!俺だってデスペナは受けたくないんだよ!」


「ちょっと待てって!」


 行ってしまった、ただあの感じを見るとなんかしらの強いモンスターでも出てきたのだろう、しかしまあ自分なら大丈夫だろうと高を括っていた。



──大樹の幹に手がかかる、そしてそれは現れる


 目の前に出てきたのは黒い体毛と巨大な角を生やした牛の化け物、いわゆるミノタウロスなのだが……


「ガッ?!!!」


 やつの瞳が光ったと思いきや身体に衝撃が走る!吹き飛ばされた僕は木に背中からぶつかり動けなくなる。今の一撃は一体何なんだ? しかし奴はそんなことを考える暇すら与えてくれない。


「こんな時に気絶(スタン)状態かよ!おい、動けって!」


 無常にも奴は動きを止めず目の前に歩み寄ってくる。体が震える、これはゲームの世界だ、本物なんかじゃないと頭では考えていても、身体に叩き込まれた衝撃が、その濃い死への香りが僕の身体を心を掴んでいく。


「嫌だぁぁぁ!やめろぉぉぉぉ!!」


 振り上げられた巨大な戦鎚が僕の頭上に迫る、恐怖で目を瞑るがいつまで経ってもその衝撃は来なかった。



──眼前に蒼色の閃光が奔る



「あ、【Aoi】……?」


 僕の前に立ちミノタウロスの攻撃を防いだのは蒼色の騎士、BDO最強プレイヤーの【Aoi】だった。


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