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いろんな思いを乗せて馬車は入っていき……。
それから半日後に現地へ到着した。
「やっとついたね~」
この馬車移動っていうのは中々慣れなくて、学園へ初めて来た時もそうだけど、ガタガタ揺れるせいかお尻が痛くって……。
エレナやセフィリアは何ともなさそうだし、やっぱり慣れなのかなぁ。
「意外と近かったな」
「それだけ、闇が迫っているという事でしょうか」
えっ、あれで近いの……?
甘かった……。
うーん、空飛ぶ魔法とかも勉強した方がいいかもしれない。
使えるかどうかは分からないけどね!
そう思っていると、他の馬車で移動していた学園生徒が次々と馬車から降りていき、砦の中へ入っていく。
あたしはお尻が痛いのを気にしつつ、おいていかれように後を追った。
第12闇討伐拠点内にある砦内にて。
「よく来てくれた! 魔法少女の卵達よ! 将来の光よ!」
砦の中は薄暗くて、あまり手入れが生き渡っていないのか、所々蜘蛛の巣がはられている。
それよりも、現地に居た兵士の人がやたら仰々しい方が気になる……。
「調査兵の報告ではあと数日後に闇が現れるという、それまでに準備をしておいて貰いたい!」
どうやら闇というのは不定期に襲って来るみたい。
前兆があるらしくって、それに気づいたら魔法少女を招集するって流れというのを、授業で聞いた事がある。
それがいよいよ数日後かぁ……。
うぅ、なんか緊張してきた。
「ゆき、気を抜くなよ」
「う、うん」
相変わらずエレナは強いなあ。
あたしも見習わないと。
こうして実地試験のため、闇の侵略が来るまで拠点で待機する事になった。
待ち時間、あたしは勇者の手袋の力を色々試したりして、実戦に備えた。
数日後。
拠点の門の前にある広場にて。
「魔法少女の卵達よ! いよいよ時は満ちた!!」
滞在していたMA学園の学生らを呼び寄せると、初日にも居たやたら仰々しい兵士の人が現れる。
「これから君たちには、闇と戦ってもらう!」
おお。
ついにこの時が来たんだね。
どきどき……。
「物見の報告によると、敵はここから北、北西、北東に現れており、この砦へと向かっているという事だ。君たちはそれぞれ別れてもらい、闇を迎撃してほしい」
うわあ、なんかそれっぽい。
本当に戦地へ来たんだね。
……なんか魔法少女の戦いってキラキラしているイメージだけど、意外と泥臭いというか、なんというか。
「君達は北西をお願いしたい!」
「へ? あたし?」
「そうだ!」
「いこうぜ」
「行きましょう」
ま、まあともかく。
ここで負けないためにも、頑張るぞ!
エレナもいるし、セフィリアだってついているから負けないよっ!




