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それから数日後の試験日当日。
試験が行われる場所へ向かう馬車内にて。
「試験会場は、王都北北西に位置する第12闇討伐拠点になります」
今回は、学園の敷地外で行われる試験という事で、いつも見てくれていたフロリアンナ先生と学園長ではなく、甲冑を着た兵士が一緒に来るみたい。
いよいよ実戦が始まる!
場所は、いくつかある拠点の一つみたい。
「ここの拠点に現れる闇の危険度レベルはC~Dと低く、魔法少女見習いのあなた方でも討伐が可能です」
あたし達がこれから相手する、世界を飲みこむ闇。
それは形を変えて私たちを襲ってくるらしい。
資料で見た感じ、人型だったり獣だったり、強いものだとドラゴンとか大型生物だったりする。
それで、その襲って来る闇には危険度レベルが設定されていて……。
レベルD…少数の民間人に危害を加える程度。魔法少女見習いでも十分討伐可能。
レベルC…集落や小さな村が飲みこまれる程度。並の魔法少女なら十分討伐可能。
レベルB…町が飲みこまれる程度。強力な魔法少女じゃないと討伐不能。
レベルA…大災害クラス。選りすぐりの魔法少女じゃないと討伐は困難。
さらに、過去で数件だけども、レベルAを遥かにしのぐ特別レベルの闇の出現があったらしく、その度に有能な魔法少女が犠牲になっているみたい。
それで、今回は危険度レベルDとCしかいない比較的安全な場所というわけだね。
いきなり最前線の激戦区に送り込まれるとは思ってなかったし、予想通りかも?
「ですが、油断をすれば取り返しのつかない事になりますので、気を抜かないようにして下さい」
そ、そうだね。
いくら危険度が低いって言ったって、街の中よりかは危険だからね……。
「ぐーぐー」
あたしの隣に居るエレナは、腕を組んだまま寝ている。
これから戦場へ行くってのに、肝が据わっているって奴だね。
流石だね。
「おや、どうかされましたか? ふふ」
次にセフィリアの方を見る。
目が合うと、そう問いかけて優しい笑顔を見せてくれた。
こっちも肝が据わってるね……。
じゃあみんな豪胆な人揃いかというと……。
「私は強い私は出来る私は生き残る……ぶつぶつ」
「死にたくない……、死にたくない……」
「カタカタカタ……」
当然、これから実際に戦うわけなので恐怖で震えている人もいる。
あたしは……どうだろう?
本物の戦場へ行くってのに、まるで実感がわかないや。
実際に戦う場面を見たら怖くなってしまうのかな?
うーん……。




