12-4
「な、なななななにいってるの!!!」
「あらあら、そんなに慌てなくてもいいですよ」
いやいやいや!!
セフィリアそんなん言うキャラ違うって!
もっとお淑やかに、そういうのとか無縁であらあらうふふってしとくキャラでしょ!
なんで!
どうして!!
何があったの!!!
ねえ……。
「むしろゆきさん、気にはならなかったのですか?」
「うーん……」
そりゃまぁ……。
だいたい百合バースト発動してるときってピンチな時だから、そこまで考えられなかったけども。
言われてみれば確かにそうだよねえ……。
「それをここで試しましょうか」
「えっ?」
いやだから!
何でそんな積極的なの!!
そんなコンビニでジュース買って来る感覚で言うもんじゃないって!
それにさ。
や、やっぱりさ……。
そういうのって、大切じゃん……。
そりゃあ、そういう本見てきたけどさ!!
やっぱ実際にするのとではさ……、あたしもやっぱり心の準備というかなんというか。
いや、セフィリアが駄目とかそんなんじゃないよ?
セフィリアすごく綺麗だし、あたしが男だったらすぐにでも襲ってたし?
いやいや、これじゃあただの変質者だ。
ち、ちがくって!
そうじゃなくってさ!!
「ひっ、ち、ちかいよ……」
うわちょっと!
いきなり迫らないで!
「うふふふ……」
不敵に笑ってるし……。
顔も近いし……。
い、いやあ。
セフィリアがだんだん近づいて!!
どうしよう、どうしよう!!!
あたしのバージンが危ないよう!!!!
「そこまでです」
「学園長!」
「あら……」
部屋に現れた学園長!
なんていいタイミングなの!
た、助かったあ……。
セフィリアはあたしからゆっくりと離れていく。
この時、どこか名残惜しそうな表情だったのは……見なかったことにしとこう。
「おい!! 何してる!!」
「何って……、百合バーストの可能性を試そうかと思いまして」
「で? 無理矢理迫ったと」
「はい。もうちょっとでしたのに」
「ちっ、とんでもねえビッチだな!!」
「ひどい言われようですね」
エレナとセフィリアが言い合ってる……。
「酷いのはお前だろ」
「エレナさんも気にならないのですか? 百合バーストの事」
「俺も気になる。でもな、ゆきの気持ちも考えろよ」
「おや、妬いているのですか?」
あっ!
こ、これって”私の為に争わないで~”展開だよね?
「はあぁぁぁっ!? 俺が!?」
「ええ」
「んなわけねえだろ……」
…………。
実際になってみると複雑だ……。
「果たしてそうでしょうか? 心当たりがあるのでは?」
「んなもんあるかよ。妄想も大概にしとけ」
「そこまでですよお二人とも」
よ、よかった。
また学園長が止めてくれた……。
「セフィリアさんの疑問について、私から話しましょう」




