12-3
MA学園内、セフィリアの私室にて。
「ふふ、よく来てくれましたね」
部屋内はとても綺麗だった。
アンティーク家具の金具部分もピカピカだし、床や棚には埃が一切ない。
すごくマメに掃除しているんだろうなぁ。
「ほえー、ここがセフィリアの部屋なんだ」
「はい。普段は自宅へ帰っているのですが、ちょっと今は帰りづらくて……」
う、それって十字聖教の大聖堂内であったあれだよね。
「もしかして、あたしのせい……?」
「あらあら、気をつかわせてしまいましたね。ごめんなさい」
セフィリアは、胸の前で両手を合わせてはっとしたような顔をすると……。
「そんな事はありませんよ。ふふ」
優しい笑顔でそう答えてくれた。
「それで……、話ってなんだろ」
普段のセフィリアは忙しい。
司祭の娘という立場とか、魔法力Sランクとか。
それがなくても、セフィリアはおっとりした性格のおかげか、学園内では人気がある。
そんな人が、わざわざ部屋に招いてくれたわけだ!
だから、とっても大事なことを話すのかなーと思って覚悟してきたけれども。
「あの事件から、私なりに調べたり考えたりした事をお伝えしようと思って」
「それなら、エレナもよんだ方が……」
「先に本人であるゆきさんにだけ打ち明けようかと」
「ほおほお」
一体何だろ。
エレナを差し置いても話す事って……。
そう思っていた時だった。
「ふぎゅう!」
「…………」
なんと、セフィリアは何も言わずあたしへ抱きついてきたのだ!
うぐぐぐっ。
お胸で顔が埋もれて、い、いきが……。
「な、なななななに! 急になんなの!!」
そうだよ!
いきなりどうしたの!
離れられたからよかったけども、危うく窒息しそうだったよ!
「百合バーストの発動条件は、ゆきさんの気持ちで変わってくる」
「うん」
あれ、それは説明していなかったっけ?
まさか試そうとしてたのかな……。
「やはり抱きつくだけでは駄目ですね。そうなると口づけでしょうか」
「そ、そうだね。恥ずかしいけども……///」
「こうは思った事はありませんか?」
「うん?」
な、なんなのさいきなり。
なにがいいたいの。
「口づけ以上の事をしたら、どうなるのかと」
えっ?
それ以上……?
…………。
…………。
う、ううううぅぅぅぅ///
大胆!
過激!
セフィリアのえっち!!




