11-9
「ここはいったんひきましょう。さあこちらへ」
「おう!」
「うん」
あたしはセフィリアに手を引かれる形で、この部屋から抜け出していく。
さすがに司祭の娘がいては迂闊に手を出せなかったのかな、十字聖教の人たちのあたしを捕まえる手はワンテンポ遅く、どうにかこの場を切り抜ける事が出来た。
大聖堂内、廊下にて、
「ね、ねえセフィリア」
「なんでしょう?」
「これからあたし達、どうなっちゃうの?」
ここは逃げ切ったけども……。
あの様子じゃ学園まで来るのは目に見えてるよ?
結局、捕まっちゃうような気がする。
それとも、学園長に助けを求めるのかな?
「大丈夫ですよ。私が何とかします」
何とかしますって、大丈夫かな。
作家活動に全然関係ないセフィリアまで巻き込むの、あたしやだよ……。
「おいおい何とかって、あのおっさん話聞く気無かったぞ?」
「あの方は熱心ですからね」
エレナの言う通りだよ。
あの人、話を聞いてくれそうになさそうだった。
「ともかく大丈夫です。大切な人達を守りたいために、私は魔法少女になると決めたのですから」
そんな無理しなくてもいいよ、最悪あたしとエレナでどうにか……って。
大切な人達って、もしかしてあたしやエレナの事?
やーん!
は、はずかしい。
照れるなあ!
「ですが熱心すぎるのは困りましたね。せめてお話を聞いていただけたら……」
うーん、宗教に熱心な人を説得する方法。
あ、そうだ!
その言葉であたしいい作戦思いついた!
どうにかなるかも……。
「ねえセフィリア!」
「はい」
「今すぐあたしに抱きついて!」
もうこの手しかない。
多分、セフィリアにも百合バーストいけるはず。
「お、もしかしてあれをやるのか?」
「うん」
「でも、セフィリアは回復専門だぞ? 強化してあのおっさんから逃げられるのか?」
「うーん、結論から言うとたぶん大丈夫。たぶん……」
「おいおい、たぶんかよ……」
この作戦が必ず成功するなんて保証はない。
失敗したら三人とも捕まって……ひええ、あまり想像したくないかな。
けど!
もうこれをやるしかないの!
「わかった。ゆきの好きなようになってみな。俺はゆきを信じる!」
「私もゆきさんを信じます」
二人ともありがとう……。
よーし、それじゃあ……。




