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11-5

 こうして、十字聖教の人らとの揉め事もどうにかおさめた。

 あたしの本……、たしか経典って言ってたっけか、それも無事に売れた。


「ふー、疲れたぁ……」

「中々きつかったなー」

「お疲れ様です。ゆきさん、エレナさん」

 前回も人多かったけど、今回はもっと多かった。

 結局丸一日かかっちゃったよ。

 中々しんどかったし、途中トラブルもあった。

 でもみんな喜んでもらえてた、結構嬉しい!


「見事でしたよ。まるで本物の教祖でした」

「う、うん、そうかな?」

 別に特別なにかやったわけでもなかったような……。

 教祖、教祖……ねえ。

 教祖ってなんだろうね?

 振り向かない事……かな、うん。


「まずはしっかりと休息しましょう」

「あの、学園長」

「なんでしょうか」

「あたし、十字聖教の人らにそっちへ行くって言っちゃったので……」

「言った手前、行かないわけにはいかないでしょうね」

 そうなんだよ。

 あたし行きますって言っちゃったんだよ……。

 今となってはお客さん……じゃなかった信徒だっけ?教徒だっけ?

 まぁどっちでもいいや。

 ともかく、みんなを守るために仕方なしとはいえ、なんかえらいことになっちゃったなぁ……。


「ですが、もう夜です。また後日にしてみてはどうでしょう? 先方もそのくらいは待ってくれますよ」

「う、うん。そうだよね」

「戻りましょうか、学園に」

「はーい」

「おう!」

 こうしてあたしとエレナは学生服に着替えると、商人ギルドの人に別れを告げて学園へと帰っていった。

 そして自室へと帰ると、気がぬけたのかベッドに飛び込んだ直後、眠りについた。



 それから数日後。

 街の中にある十字聖教の本部にて。


「ひええ……、すごい建物だ……」

 あたしは再び教祖の格好をしてきたわけだけども。

 な、なんじゃこりゃあ!

 いかにも大聖堂って感じの建物だよ!!

 こんなの図鑑とか学校の授業でしか見た事なかった……。


 で、今からここに入るんだよね?

 コスプレしてるあたしが。

 うそでしょ……。

 何のギャグなの。

 こりゃ冒涜言われても仕方ないよ……。


「なんだ? 入らないのか?」

 巫女も一緒に居ないと駄目と学園長に言われ、エレナもしぶしぶついてきてくれた。

 売り子やってた時はあまり見れなかったけど、巫女衣装のエレナ可愛いなあ。

 あたしだけの天使……、うふふふ……。

 いけない、何考えているんだ。


「え? う、うん」

 見とれている場合じゃないよね。

 よし、この扉を開けて中へ入って……。

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