11-1
学園探索から数日が経った。
自室にて。
「うーん……」
あたしはその時に手に入れた、古い日記を読んでいるんだけども……。
「だーーー!!! わからん!!」
内容がまるで理解できなかった。
だって、今まで見た事ない文字がずらーだよ!
確かに異世界転生してきて、なんでか知らないけど現地の文字読めてたりしてたけどさ!
でも、日記の文字はさっっっっぱり分からん!
むーむー。
最初は魔法力不足だとか、イメージ不足だとか、そういうのかなと思って筆記試験の時と同じ要領でイメージもしてみたけども、結果は分からないままだし。
セフィリアに聞けば読めるのかな……?
最初に見つけた手記?の一部も解読出来てたみたいだし。
今度聞いてみよう……。
そもそも、この手袋。
片方が勇者がおいて、片方が学園長が持ってるって事はだよ。
学園長は、勇者と何らかの接点があるって事だよね?
あ、それとも両方とも学園内に隠されてて、あらかじめ片方は見つけていたのかな。
うーん、そのあたりもよく分からん……。
そういえば、初めて貰った時以来、手袋使ってないなぁ。
授業でも特に使うあてもなかったし、授業以外は本描くのに必死だし……。
どうだったかな、確かイメージしたら武器が出てくるんだっけか。
とりあえず、手帳は机の引き出しにしまっておいてっと。
えっと、手を前に出して、意識を集中させて……。
「いでよ剣!」
おお!
また出せた!
でもやっぱり輪郭がぼんやりしてるし、剣というよりかは光る棒って感じだ。
イメージ力が足らないのかな。
あ、消えた。
他事考えると消えちゃうんだね、意識がそれるからかも?
うぅ……。
あと何だか少し気怠い……。
結構力を使っちゃうのかな。
「おーいゆきー! 入るぞ!」
おや、エレナだ。
ってノックしながら入ってこないで、それノックの意味ないよ!!
「何やってるんだお前?」
「え? いやー、そのー。……イメージトレーニング?」
ちょうど手を前にして剣を出していたから、すごい変な格好のままだ。
は、はずかしいなあもう!
「そ、そうか。熱心だな」
「それで、今日はどうしたの?」
「学園長が呼んでいるぞ。次の本の発売日が決まったから伝えるってな」
おお!
あたしの2作目!
いよいよ売り出すのかあ……。
今回も売れるといいなあ。




