表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/420

10-4

 学園長の執務室から自室へ帰る道中にて。


「お、いたいた」

 おや、エレナだ。

 どうしんだろう?


「まーちょっと来いよ。セフィリアも待ってるからさ」

「うん」

 二人が待っている?

 なんだろ……。


 あたしは疑問に感じながらも、エレナについていく事にした。



 学園内、資料室にて。


「おーい、連れてきたぞー!」

「ありがとうございます。じゃあ話を始めましょうか」

 あれ、ここってあたしが絵を描くのに調べものする場所だ。

 二人ともどうしたのかな。


「この本のここを見てください」

 すごい古そうな本だ。

 どれどれ……、何かが書かれているのかな。


 ”もしも私の身に何かあれば、王城の中に私の力の一部を隠す。必要があれば使って欲しい”


「ほおほお……」

「すげーだろ?」

「で、これ何」

「にっぶいなー! この学園内のどこかにその力ってのがあるんだよ!」

 いや、まぁうん。

 それはわかるんだけども……。


「それってそんなにすごいの?」

「この本は、かつて魔王と戦った勇者の手記の一部なのです」

 なるほど、確かに勇者の力の一部なら、すごいと思うけど……。


「勇者って、この世界の英雄なんだよね? よくそんなの見つかったね」

「私も偶然なのです。本の合間に挟まっていたから、今まで誰も気づかなかったのかもしれません」

 なんかこう……、偶然すぎるというか、ご都合展開というか。

 普通そんな大事なものだったら気づくよね……?

 それとも、個人的の日記だから、誰も存在を知らないとかなのかな。


「それで、その力のある場所ってどこなの?」

 今はそんな展開をどうこう言う場合じゃなくて。

 問題は、それがどこにあるかだよね。

 ってか、王城が学園になったタイミングで、見つかってそうとは思うけどもどうなんだろ。


「ははーん。さてはゆき、もう既に見つかっているとか思っているだろう?」

「う、うん……」

「私も最初はそう思いました。次にこれを見てください」

 セフィリアがそう言いながら、近くにあった巻物を手に取り広げた。


「これって、ここのかな?」

「はい」

 間違いない、ここの見取り図だ。

 しかし、こういうので見るとやっぱ広いなぁ……。

 あたしが普段行き来している場所以外にも、いろいろありそうだもんねえ。


「実は何か所かおかしい部分があるのです」

「というと……?」

「例えば、ここの空間」

「あー、ここって確か階段があるところだよね」

「ええ。実際に見ると扉や他に入る場所が無いのに、なぜか空間があるのです」

 確かに、本来なら何もないはずなのに、部屋っぽいと言われればそうかもしれない。


「そういう場所が、他にもいくつかありまして」

「うーん、設計ミス……なわけないよねえ」

 本当だ、確かにいくつもある。

 なんだろ……。

 学園長なら知ってるんかな。


「でさ、ここにその勇者の力があったら面白いよなって話してたんだ」

「はい」

 エレナはともかく、セフィリアって大人しくて真面目だと思ってたけど……。

 意外と好奇心旺盛なのかな?

 ノリノリだ……。


 勇者の力かぁ……。

 確かにそれがあったら、あたしももっと強くなれるかもなぁ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ