10-2
「実は……、こんなのどうでしょうか……」
あたしがこれから魔法少女として、生きていくために考え出したプラン。
それを絵にしたものを学園長へと渡した。
「こ、これは……」
プランの内容はこうだ。
あたしは魔法防御力がとても高い。
だから、両手に盾を持って防げる範囲をさらに拡大しちゃおう作戦だった。
「ど、どうでしょ……」
「魔法防御をさらに高めるわけですね」
「はい」
「この装備、かなりの重量になると思いますが大丈夫です?」
「そ、そこは魔法の力で……」
「魔法はそこまで万能ではありませんよ」
やっぱだめかー。
あたしそんな力持ちじゃないしなぁ。
今から鍛える……?
それこそ、魔法少女じゃなくていいよね……?
はぁ……。
「そんなに落ち込まないで下さい」
「落ち込みますよー。これでも結構考えた方ですし……」
「そうだ」
ふぇ?
急に学園長が手をぱちんと合わせて奥の部屋へ行ったよ?
何かいい案でも思いついたんかな。
仕草かわいい。
それから大して間をおかずして、学園長は再び執務室へと戻ってくる。
そして、手の甲に青色の宝石がついた手袋を渡してきた。
「これは……なんでしょう?」
「今のゆきさんにぴったりのものですよ。ささ、つけてみてください」
この手袋をつけて何になるんだろう?
しかも片手分しかないし。
学園長が目きらきらさせてる……、とりあえずつけてみよう。
あたしは左右間違わないように気をつけつつ、渡された手袋をはめた。
「ほおほお……」
「よくお似合いですね」
デザインがアニメで魔法少女がつけてそうな感じだ。
特にこの中指で固定していて、フィンガーレスなとことかすごくコスプレっぽいぞ!
いや、ここだと本物だからいいのかな……?
一応、魔法少女の卵だからね……。
「それで、これは何でしょう?」
はめたのはいいんだけども。
これで何を……?
まさか魔法力をあげるスペシャルなアイテム!
……なわけないよね、特に何も変わらないもん。




