9-6
「次、GチームとHチーム」
うわああああ!
何やるかわからないままあたし達の番が来ちゃったよ……。
ミカエル達にやられたチームの人らを心配しているばあいじゃないよ!
「まー、なるようにしかならないからな。俺は全力でやるだけだ」
「そうですね」
いやいや、だから何でふたりはそんなに達観出来ちゃってるわけなの。
うーん、強い……。
関心ばかりしてないで、あたしも心を強く持たないと……。
そう思いつつ、あたしは部屋の真ん中へと向かっていく。
「全員揃いましたね」
相手のチームの人は……。
うお、全員眼鏡かけてる、チーム眼鏡っ子だ。
めっちゃ賢そうな感じだ……。
おや、見ていた人らの様子が変わった。
なんだろ……。
「ここからは周りの人には見えません」
ああ、なるほど。
このタイミングで真っ暗になってるわけだね。
でも、あたしは別に何ともないや。
魔法って便利だねえ……。
「試験内容は……、こちらです」
フロリアンナ先生は、相変わらず眠そうにしつつ片手を空へかざす。
「石柱……?」
すると、1本の石柱が現れた。
「ルールは、この石柱を魔法で破壊する事。それ以外はありません、石柱が完全に壊れた時点で試験終了となります」
石柱は建物の天井ぎりぎりの高さまであるし、太さもあたしの数倍はある。
とても堅そうだし、こんなの魔法でもどうにかなるんかな?
ってあれ?
「あの!」
「なんでしょう?」
「他のチームも人たちも同じ試験なのですか?」
前のチームって、試験終わったら石の破片が地面に散らばっていた。
という事は、もしかして試験内容が被る可能性もあるって事かな?
「ええ、そうですよ。全チーム同じです」
やっぱりそうだ、同じだったんだ。
うーん、錬成と思いきや石柱を破壊したその残骸だったなんてねぇ。
む、やっぱおかしい。
それならどうしてボロボロになってる人らがいるの?
まさか、ぱっと見なんもないけど石柱が迎撃してくるとか……?
ひええ……。
「それでは初めてください」
と、ともかくだ。
何もやらなきゃ落第しちゃう!
今は試験をこなす事に集中しなきゃ。
そう思っていた時だった。




