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「それ、どゆこと……」
ただの慰めにしか聞こえなかったけども。
何か意味があるの……?
「確かに魔法力が多い程、魔法の威力は上がりますし、規模も大きくなります」
「うん」
「ですが、ゆきさんには他の魔法少女を大きく強化する能力があるでしょう?」
「うん」
「そもそもマジックバーストは、ごく一部の魔法少女にしか出来ない珍しい魔法なのです」
「う、うん」
「しかも、従来のマジックバーストと比べてもその上がり幅は尋常ではないはず」
「確かに……」
そっか、セフィリアは百合バーストの事を話してなかったっけか。
そういえば正式名称はそんなんだったね。
珍しい……かぁ。
うーん。
確かに普段はダメダメだけど、特異な才能を持つなんて主人公っぽいけども。
「だから魔法力なんて気にしなくていいのですよ」
「そうだね!」
まー、くよくよしても仕方ないよね!
百合バーストがあれば、現役魔法少女にだって驚かせるくらいだからね!
「そうだそうだ、ゆきはすげーと思うぞ」
「エレナもありがとう」
「おう!」
「次、EチームとFチーム」
おや、次のチームが呼ばれたや。
うわぁ、しかもミカエルのとこじゃん。
相手になったチームかわいそう……。
正直な話、あの人は何させても負けないだろうからなぁ。
なんかこう結果が見えたというか、なんというか。
…………。
…………。
…………。
…………。
あれ?
なんか長くない……?
気のせいかな。
…………。
…………。
…………。
…………。
あれれ?
やっぱ長いような。
もしかして苦戦している?
…………。
…………。
…………。
…………。
何かおかしい。
あれだけ魔法力があるのに。
確かにセフィリアはさっき、魔法力で優劣つかない言ったけども。
それでも、グランドリリィ最有力候補だよ?
お、明かりがついた。
「えっ……」
相手のチームは……、誰もいない。
ミカエルのチームは……、みんなぼろぼろだ。
「Eチームの勝ちです」
「申し訳ございません、ミカエル様」
「すみません」
「良いのですよウィーンさん、システィーさん。わたくしも反省すべき点は多々ありますので……」
ミカエルをここまで追い込まれているなんて。
いったいなにやったの……。
しかも相手のチームの人たち居ないって、まさか!




