9-2
「どういう事ですかこれは!」
行動に出たのは、あたし達よりもミカエルチームに居るウィーンだった。
ウィーンは、セフィリアの方へと近寄りそう強く問いかけたのだ。
「どう……と言われましても、私はゆきさんのチームに入りたかったので、そう希望を出しただけです」
「そんな! ここはミカエル様と組むのが……」
「確かに私の父とミカエルさんのお父様は親交があります」
「なら!」
「それは大人の問題でしょう? 私は私です」
おっとり穏やかなだけども、言いたい事ははっきりという。
んー、実にいいお姉さんキャラだね。
「もうよいです。ウィーンさん」
「ですが!」
「セフィリアさんが居なくては、わたくしはアリスになれないとお思いですか?」
「い、いえ。そんな事は……」
「ならいいです」
あれ、意外とあっけない?
もっと粘ってくると思ってたけども……。
「失礼しました。ではまた」
ミカエルはセフィリアに向かってそう告げると、ウィーンを連れてそそくさと去って行った。
なんだろう、やけにあっさりしている。
何か秘策でもあるんかな?
それとも、ミカエルって意外とそういうの割り切る性格だったり……?
「なんなんだありゃ?」
「う、うーん」
あたしに聞かれても……。
まさかの番狂わせだからねえ。
セフィリアが来るのも、ミカエルがすぐに諦めるのも。
そう二人で困惑していた中。
セフィリアは笑顔でこちらへとやってきた。
「ゆきさん! 選んでくださったのですね!」
「は、はい」
「実は選ばれないのかと思って不安だったんです」
両手を組みながら、おどおどとしている。
本当、見た目は大人っぽいのに仕草がかわいい。
でも相変わらず顔近いよこの人……。
「あなたがエレナさんですね。初めまして、セフィリアです」
「おう! よろしくな!」
「3人で力を合わせて頑張りましょう!」
これで理想のチームが出来た。
よーし、試験頑張るぞ!
あれ?
試験って何やるんだろう?
「あの、フロリアンナ先生」
「なんでしょう?」
「試験って具体的に何やるんです?」
ふとそう思ったあたしは、そう聞いてみるが……。
「直前まで教えません」
「えっ?」
「臨機応変に立ち振る舞う事も、魔法少女にとって大切です」
てっきりまた3対3で戦うもんだと思ってた。
この言い方だと、それ以外もあるんかな?
なんだろ……、勉強してないよ……?




