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8-4

 MA学園内、教室へ向かう廊下にて。


「そうか、今まで絵描いてたのか」

「うんうん」

 あたしは今までの事を歩きつつエレナに話した。

 エレナはどこか腑に落ちたような感じだった。


 多分、あたしが絵の事に集中していたから、逆に意識していると勘違いされてたのかも?

 だとしたら……やっぱり可愛いかも。

 ふふふ。


 はっ。

 あたしったら何考えてるの!!

 はー、ばかばかもう!!


「俺も買うぞ! ゆきの本!」

「ありがとう!」

 そう思ったあたしは途端に恥ずかしくなって、それを誤魔化すかのように元気いっぱいにお礼を告げた。



 MA学園、教室内。


「これが支援クラスの資料です。持ち出しは禁止ですので」

「ありがとう先生」

「うにぅ……。じゃあ私はちょっと用事があるので、終わったら棚に戻しておいてください」

 フロリアンナ先生はそう言うと、眠そうな顔のまま教室から出て行った。


「ねえエレナ」

「なんだ?」

「MA学園には二種類のクラスがあって、片方は攻撃や妨害をメインでする魔法少女を育成する前衛クラス、もう片方は回復や補佐をメインでする魔法少女を育成する支援クラスだっけ?」

「そうだな」

 今まであたしが居たのは前衛クラスみたいだね。

 ん?

 攻撃や妨害をメイン……?


「あれ? あたしどっちも出来ないのに前衛……?」

「あーそうだな」

「なぜ……」

「ほら、防御高いだろ? それじゃね? 百合バーストなんて気づかないだろ普通」

「うぐぐ、盾役だった……」

 なるほど。

 実際に百合バーストに気づいたのも偶然みたいなもんだったしなぁ。


 でも、その割にはなんか手際がいいというか。

 ミカエルと戦った時もそうだし、リゼットと戦った時も……。

 もしかして……?


「でだ、俺らは支援クラスの中から一人選ぶわけだが……」

「うん」

「俺らに足らないもの。分かるか?」

 おっと、今は他事を考えている場合じゃないね。

 エレナが言う、あたし達ペアに足らないもの。

 うーん……。


「な、なんだろ……?」

「攻撃は俺がやる、防御はゆきがやる。いざとなれば百合バーストでパワーアップも出来る」

「そうだね」

「だがな、百合バースト使った後はどうだ? ゆきがへろへろになったらどうする?」

「うーん……」

「つまりだ。継戦能力だ」

「ほおほお」

「どんなすげー大砲もってても、ただの一発じゃ駄目だって事だ。二発目、三発目も考えないといけねぇ」

「なるほど……」

 確かにエレナの言う通りだね。

 戦闘はやっぱりエレナの方がセンスがあるみたい。


「そうなると、こいつと……、こいつと……、こいつか。妥当なのは」

 あたしが感心している最中、エレナは名簿のページをめくりながら次々と指をさしていく。


「あれ? この人……」

「あー? どうした?」

 その時、あたしはふと気になる人の名前を見かける。

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