表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/420

1-5

 はぁ、まさかあたしがメイドさん(本物)になるなんて……。

 異世界に行ってもこんな役回りとか……、トホホ。


 そう思いながらあたしは手渡されたメイド衣装に着替えていく。

 過去にメイド服のコスプレをした事もあってか、意外とすんなりと着替える事が出来た。


「うーん」

 あたしは自分の格好を自分で見てみる。


 黒いワンピース、スカート丈は動きやすさを考えられているのか膝位だ。

 白いエプロンの縁はふりふりしている。

 どうみても普通のシンプルなメイド服だね。

 現世なら可愛い衣装なんだけども。

 今いる世界じゃ、これ作業着なんだよね……。


「全員着替えたようだな! では案内しよう、舞踏会の場へ!」

「よーし! いくぞー!」

 テンションだださがりのあたしとは逆に、つり目の女の子はやる気に満ち溢れている。

 そんなにこきつかわれるのが楽しみなのかな。

 あ、それともあれかな。

 ここで働けばお金がいっぱい貰えるとかかな!

 あーなるほどなるほど。

 普段は貧乏だけど、やっとお金になる仕事を見つけてハッピーってわけだね!


「うんうん、頑張っていっぱい稼ごうね」

「稼ぐ?」

「うん、だって――」

「あぁ、そうだな! お前相手でも手は抜かないからな!」

 なるほど、頑張って働くほどお金がもらえるってわけね。

 転生したばかりで右も左もさっぱりだけども、お金はあって困らないはず。

 よーし、あたしだって頑張るぞー!


 あたしとつり目の女の子は笑顔を向けあうと、建物の中へと入っていった。


「…………」

 あたしは建物の中を見回しながら歩いていく。

 へぇ……、意外と明るいんだなぁ

 なるほど、中庭と吹き抜けになっているから外の光の取り入れられるようになってるんだね。


 あれ、遠くから見ている人らは……なんだろ。

 セーラー服……?

 何でこの時代にそんなのあるの??

 しかもここってお城でしょ?

 メイドの服なら分かる、ドレスも分かる、でも何故にセーラー服なの?

 異世界だから、現実とは違う時代設定なのかな。


 あたしはセーラー服を着た人たちに疑問を感じつつも、そのまま建物の奥へ奥へと歩いていく。

 そして大きな扉を抜け、演台が置いてある檀のある大きな部屋へ到着すると……。


 それを見計らったかのように、壇の脇から引きずるくらい髪の長い女の子が現れて、演台へと立った。


 何あの子、かわいいーー!!!

 お人形さんみたい!!!

 でもあんなちびっこが壇上に立てるなんて、実は見かけによらず偉い人……?

 というか、明らかに背丈足らないのに壇上に立てているって事は、踏み台でもあるんかな。


 それにしてもここが舞踏会の会場かー。

 だだっぴろい場所で、料理とかシャンデリアとかそういう煌びやかな感じなものもなさそうだし。

 あぁ、今から用意するんだね。

 馬車で来た人以外にもいる、結構な数いるねえ。


「揃ったようですね、それでは舞踏会を始めましょう」

 演台に立った女の子は、穏やかな笑みを見せたままそう告げた。


 すると周囲の女の子たちは、突然手から火を放ったり氷柱を飛ばしたりしてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ