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7-3

 空中に手をかざしたリゼットが繰り出す次の攻撃……。


「次はこれでいくよ」

 そう言うと、何もないところから光の粒を生成すると、それを投げつけてきた。


 あれ?

 割と勿体ぶったのにさっきよりも小さいし何だか弱そう。

 よし、もう一度防いで――。


「え……」

 まさに一瞬だった。

 お米程度の大きさしかない光の粒が、まばたきするよりも早く膨張してあたしに襲い掛かったのだ。

 あたしは手をかざしてどうにか防ごうとしたけれど……。


「まずはひとり……ん?」

「う、うぅ……」

 次に気がついた時は、全身が痛くて息苦しくて手が真っ赤になっていた。


「驚いた。これでも倒れないなんて」

 さっきの、なんなの……。

 膨らんで、ぴかっと光って……、それからよく覚えていない。

 どこもかしこも痛いし、観衆の声もなんだか遠いし……。

 でもはっきりとわかる事はある。


 あれはやばい!!

 次当たったらやられちゃう!!


 これがリゼットの実力。

 現役魔法少女の力……。


「じゃあ連続でいく」

 ひ。

 あ、あんなのたくさんきたら!!

 こ、ころされる……!

 しにたくない、いやだよ!!

 助けて!!!


「おっしゃあ! いくぞゆきーー!!!」

 死への恐怖があたしを支配しようとしていた時だった。

 後ろから心強い声が聞こえてくると、リゼットの放った光の粒は、あたしの後ろから飛んできた無数の光弾とぶつかっていく。

 そして大爆発を引き起こして、周囲に暴風をまき散らした。


「相殺したのね」

「まじか……、全力だぞ……」

 エレナの全力でも、リゼットのたった一度の攻撃を止めるのが精いっぱいだったなんて……。

 はは、あははは……。

 もう駄目かも……。


「もう次はなさそう」

「ちょ、ちょっとまった!!」

「何、今更逃げられないわよ」

「こっちにはまだとっておきがある!」

「……で?」

「だからちょっと待て! お前もこのままじゃ物足りないだろ!」

「いいわよ。そのとっておき見せなさいよ」

 何を今更、そんなとっておきなんてあるわけが……。

 そうやって全てを諦めた時。


「ゆき、あれをやるぞ」

「え? むぐぐぐっっっ!!!!」

 エレナは突然あたしへと強引にキスしてきたのだ。


 まさか百合バースト狙い?

 確かにあれ以外に手はもう無いけれども……。


「っしゃあ!! いくぞ!!!」

 口づけを終えるとエレナは、気合を入れて再び魔法の準備をする。

 正直あたしは何が何だかよくわからない状態だし、キスする時に強引にぶつかったせいで痛かったし……。

 はぁ……。


「何それ……、わけわかんない」

「これで俺の魔法力は300万超えだ!!! いっけええ!!!!」

 でもこれできっと勝てるはず。

 命が助かると思えば、あたしのくちびるくらい安いもの……だよね。

 百合バーストしたエレナなら、現役魔法少女だって!

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