7-1
当日。
都の中にある、円形闘技場にて。
あたしとエレナ今、闘技場内にある舞台の上へ立っている。
「うわあ……」
「こりゃすごいな」
あたしの予想を裏切り、観客席は今回の戦いを見に来た人でいっぱいだった。
いやだって、学生と魔法少女の戦いだよ?
普通なら魔法少女が勝つに決まっているよね……?
それを敢えて見に来るとか……。
なんだろう、人の生き死にを見世物にする貴族側もそうだけど、それを嬉々と見に来る都の人もなんか怖い。
いやだって、冷静に考えて女の子がなぶり殺しにされるんだよ?
そんな場面みたいと思う……?
感覚の違いというか、野蛮というか……、なんか信じられないよね。
「それでは、取り決めによりこちらが選んだ者と戦ってもらう」
「勝てば見逃してくれる約束も、お忘れなく」
「ふん、いいだろう」
ミカエルの父親はかなりの自信があるかも?
というか、勝って当然なんだろうなぁと思う。
そう思っていた時だった。
円形闘技場の入り口から、誰かが入ってくる。
「あれは!!」
「学園長、知ってるのか?」
「リゼット……! 何故あなたが!」
そこには、白黒のスカート丈が短いロリータ衣装を身に纏った少女が現れた。
やだ、すごくかわいい!
金髪碧眼だし、まるでお人形さんみたい!
でも、学園長はすごい驚いているというか、慌てているというか。
そんなに強い人なのかな……?
「ねえ、もしかして戦うのはあの子ら?」
「ああそうだ。うちの大切な娘を傷つけた愚か者だ」
「うーん……」
魔法少女リゼットは、あたし達の方をじーっと見つめると……。
「わたし、戦うの嫌」
ミカエルの父親へそうはっきりと告げた。
「な、なんだと!!!」
「だって、相手は学生じゃない。大人げなさすぎ」
「馬鹿な事を! 娘が酷い目にあわされたのだぞ!! このくらいして当然だ」
「子供同士の喧嘩でしょ? 許せばいいじゃない。ちっさ……」
「なんだと!! なんだその物言いは!!」
「わたし帰る」
意外な展開!
まさかこのまま戦わなくて済む……?
だったらとってもラッキーだけども……。




