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「あたしもやるよ!」
休憩して、魔法力が完全じゃないけども回復して戦えるようになったから、あたしも再度参戦!
「当然よ。あなたの巫女でしょ」
あなたの巫女!
やーん、なんか照れるなあ///
って、そんな場合じゃない。
「さあ、一斉に行くわよ」
リゼットの号令によって、今まで地上で傍観していた魔法少女たちは、女神ひなへ魔法を放った。
「あ、あたしも!」
飛び道具はあまり得意じゃないけども……。
それでも、やれる事はやるよ!
あ、あたしの巫女だからね///
そう思いつつ、あたしは勇者の力で短剣を生成して女神ひなへと投げつけ続けた。
「おらおら! どんどんいくぞ!!」
エレナもバンバン魔法出してる!
しかも一発事に色が違うって事は、属性変えている……?
なんて器用な、アルの力の効果はすごい。
「やあああ!」
「はっ!」
「いっけえ!」
各々も魔法での攻撃を続けている。
火炎、電撃、氷結、光、闇……。
ありとあらゆる属性を帯びた魔法力の塊が、女神ひなに直撃しては炸裂を繰り返していき、その爆発によってみえなくなってしまう。
「……打ち方止め」
女神ひなの姿が完全に見えなくなり、光と音と衝撃と煙をまき散らすだけになった頃、リゼットは片手をあげてそう指示した。
他の魔法少女はその指示を見ると、攻撃の手を止めた。
「ど、どうかな?」
ここには数十人は魔法少女が居る。
これだけの攻撃を受けたんだから、倒すのは無理でも少しくらいは疲れていてもいいはず!
だからお願い……!
そう強く思いつつ、女神ひなが居る場所を見上げた。
…………。
…………。
やがて煙は消えて、姿が見えるようになっていき……。
…………。
…………。
「…………」
「やはり駄目ね」
あれだけの攻撃受けたのに、女神ひなは何ともない。
表情変わらず、こっちを見下ろしている……。
「そんな! これだけの人数で攻撃したのに!」
「だから言ったじゃない、あいつに挑むのは自殺行為って」
いやでも!
少しくらいは効いてもいいじゃん?
ぜんっぜん、なんともって感じだよ……。
「それにしてもおかしいわね」
「うん。本当、魔法力お化けすぎる」
「まぁ、お化けじゃなくて女神だよね。どう見ても」
「う、うん」
「……そうじゃなくて、何故ここまで魔法力の差があるのに、積極的に攻めてこないかしら?」
そう言われれば、そうだよね。
あたしは百合の布教のために生かされているんだろうけども、他の魔法少女にも危害を加えていない。
しいて言うなら、ミレーユに対して反撃したくらい?
「大丈夫ですか? ミレーユさん」
「ええ、心配ない」
そのミレーユだって、魔法力を消耗してちょっと疲れたっぽい感じだし……。
だいたい気になる事多いんだよね。
積極的に攻めないのもそうだし、エレナの事思い出したのもそうだし。
「まあ、攻めてこないのは助かるわね。次の作戦いくわよ」
とりあえず、ひなの力を弱らせないと!
今のままじゃセフィリアを助けるなんて無理だからね。




